lose all reason
涙が雨のように流れては落ちる
たくさん
傷ついたけど
もう痛みも感じない
深すぎる傷には
瘡蓋さえはられず風に晒される
黒くなればいい
狂ったと言われていい
ここまできてしまった
もう
昔の自分には
戻れない
わたしに
死を覚悟させるもう一つの理由
それをあなたは
与えてくれた
あなたはこの胸で血に染まり
瞬きさえ瞳は忘れた
後悔も絶望も
なにもない
「愛してる」と囁く声だけは忘れないだろう
情欲の罪
裏切りの罰
夜に紛れれば
誰も気づきはしない
毎日毎晩
同じ質問を自分に投げかける
何がわたしを 不安にさせる?
何がわたしを 追いつめた?
何がわたしを……
目の前で
姿を消していく車
車道の真ん中で
空に手をかざし愛の歌うたう
「愛してる」と囁く声が
大好きだった
鳴り響く クラクション
目を焼く ヘッドライト
空へ還る 身体
わたしに
死を覚悟させるもう一つの理由
それをあなたは
与えてくれた
「 あなたを 愛してる ……」