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前科ありの男が幻想入り  作者: ハヌア
幻想入り編
5/55

姉妹 後編

「たとえ心を読めなくても、なにか悩みがあるのはわかる。だから・・・」


「うるさいといっているでしょう!人間がわかったような口を聞かないでください!」


どうしたんだ?


「誰にも話せないことです・・・他人の事情に首突っ込まないでください。」


わ・・・悪い。


「話せるようになったら・・・話してくれ、相談に乗るから。」


「・・・」


多分了承してくれただろう、心内で。



ヘンリーが出て行ったあとのさとりの部屋

「こいし・・・大事になるまえに、早く帰ってきて・・・」



誰にも話せないこと・・・か。

大切にしていたものがなくなったのか?

そうだ。お燐なら何か知っているかもしれない。



「ここがお燐の部屋・・・か?」


ノックすればわかるよな。


「お燐?いるか?」


・・・

扉を開け、お燐が出てきた。


「なんか用?」


「さとりが機嫌悪いんだが、何か知らないか?」


「あ・・・それのこと?」


「知ってるのか?できれば教えて欲しいんだが。」


「別にいいよ。中で詳しく話すからさ。」


~少女説明中~


「・・・で、彼女の妹さんが一ヶ月も帰ってこないと?」


「うん。あたいに置き換えても、そりゃ血を分けた姉妹だし、心配するよね。」


「そうだな・・・」


よし。


「探しに行く。」


「え?」


お燐が驚いたような顔をしているが、気に止めない。


「もし妹さんの身に何かあったらとは考えないのか?私は行く。」


「でも・・・まあいっか。あたいも出来る限り協力するよ。一緒にはいけないけど・・・」


「構わんよ。元から一人で行くのは承知の上さ。」


結局、明日にさとりの妹『古明地こいし』の捜索を行うことになった。



翌日

「もうこんな時間か。そろそろ行くか・・・」


お燐の話によると、古明地こいしは幻想郷中を気ままに放浪しているらしい。

大抵は地上にいるとらしいので、私は地上の捜索を行えばいいらしい。

地底の方は、怨霊に任せるとお燐は言っていた。

霊で大丈夫なんだろうか?


「地上に続く穴があるのか・・・どこにあるのやら。」


暗い洞窟まで来たが、その穴が見つからん・・・空から光が差し込んでいる?


「もしかして地上に出られるのか?」


目的達成のための第一歩か・・・


「しかし意外と深いもんだな・・・登れるか?」


無理だろう・・・かなり高い。


「どうしたのお兄さん?空なんか見上げて・・・」


「誰だ?」


後ろを振り向くが、誰もいない。


「アハハ!どこ見てんのさ。上だよ上。」


声のした方を見ると、女の子が逆さまに宙吊りでぶら下がっていた。


「だ・・・大丈夫か?そんな格好で。」


「うん、大丈夫。お兄さんはここで何してるの?」


「あ・・・ああ。この穴から地上に出たいんだが・・・」


「じゃあ手伝ってあげよっか?暇だし。」


「手伝う?」


次の瞬間、私の体は宙に浮いていた。


「うおっ!」


「落ちないように気をつけてね~。あ!言い遅れたけど、私黒谷ヤマメっていうんだ。暫くのあいだよろしくね~。」


「ああ・・・よろしく。」


どうやら彼女は蜘蛛の糸でぶら下がっているようだ。

どういう事だ・・・


「君は妖怪なのか?」


「うん、土蜘蛛のね。お兄さんはなんて名前?」


「へ・・・ヘンリー・カタルトフ。」


「変な名前~。」


今のは少し心にきた・・・

しかし・・・妖怪か。

多分、変なことされないよな?


「ヘンリー。下見てごらん。」


「え?・・・うわあああああ!!!!!わあ!わあああ!!!!」


いつの間にかかなり高いところじゃないか!下を見た瞬間に、一瞬手を離すなよ!


「はあ・・・はあ・・・」


「アハハハハ!!びっくりした?」


「びっくりしすぎて、また三途の川まで戻されるかと思ったよ・・・」


「ごめんごめん。悪気はないんだよ~。」


はあ・・・疲れる。



「さあ。着いたよ!」


「やっとか・・・」


「楽しくなかったの?」


上目遣いで見るな、私がヤマメを泣かしたみたいじゃないか。


「まあ・・・楽しかったよ。」


「ホント!?じゃあ帰ってきた時も、またやってあげるね!」


元気いっぱいにそう言われるが、私にとっては、恐怖でしかない。

いつまでも話してるわけにもいかないし、そろそろお暇するか。


「できればもうしてほしくないが・・・私も用事があるしそろそろ行くよ。」


「うん。気をつけてね~!」


手がちぎれるんじゃないかと思うぐらい手を振っている。

いちいち行動が面白いな。



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