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前科ありの男が幻想入り  作者: ハヌア
自宅建設編
43/55

力の解明

「あいつがヘンリーの能力ぅ?」


霊夢が女を指さし、怪訝な顔をする。

それもそうだ。あのインディアン女がヘンリーの能力だと言うのだ、無理もない。凛は後で霊夢から聞くと行って神社に入ってしまった。


「そうよ。私のスキマに入った際に妖力にでも浸されたのね」


「そうなのか。その・・・この女は何ができるんだ?」


「何ができるか?そうね、戦闘力や身体能力はかなり高いように見えるわ」


「それはわかっている、その女は能力とか持ってるのか?」


「能力が能力を持ってるってのも変な話だけど・・・言うより見たほうがわかりやすいでしょう。見せてあげるわ」


そう言うと紫は女の足元にスキマを作り、女は隙間へ落ちていった。そのままスキマは閉じられる。


「何してんのよ!?あんたのスキマ、閉じられたら・・・」


「まあ見てなさい」


紫がニヤリと笑う。それからすぐに先ほどスキマがあった場所から穴が空き、女が飛び出てきた。

女が着地すると突然女を囲むように落ちていた葉が吹き乱れ、風が止んだと思えば女の姿は影も形もなかった。


「何!?」


ヘンリーも霊夢も驚きを隠せないが、紫は驚いていないようだ。


「これが彼女の能力・・・『抜け出す程度の能力』とでも言いましょうかね」


紫が楽しそうに笑う。


「抜け出す程度?それだけだと大したことなさそうだが・・・」


「そうでもないわよ。彼女がその気になれば、いろいろなものを抜け出すことができるわよ」


「しかしあんたはなんでそんなに詳しいんだ?彼女を見るのは初めてだろう?」


「さあ?なぜでしょう?」


紫はそう言い、スキマを作り、その中に入っていく。

完全に体を入れる前にヘンリーの耳元にスキマを作り、そこから囁く。


「あなた、もう普通の人間には戻れないわよ。それと、もう外の世界には戻れないわ」


「何?」


紫は何も答えずに隙間の中へと消えていった。霊夢が気になったのか、何を話していたか訪ねてくる。


「何を話してたの?」


「ああ・・・私はもう普通の人間じゃないって。後、外の世界には戻れないらしい。」


「外の世界に戻れないってのはわかるわ、能力を持った人間が外に行くのは危険だし・・・でも普通の人間に戻れないっていうのはなんなのかしら?まああいつのことだしちょっと冗談言ってみただけっていうのもあり得るけど」


「それにしてはタチが悪い冗談じゃないか?とりあえず頭の片隅にとどめておくことにするよ」


「それが一番ね。ぁあ~あ・・・今日はいろいろあって疲れたわ。話してるうちに日も暮れてきたみたいだし・・・」


「霊夢ー!ご飯できたよ!」


凛が出てきて霊夢を呼んでいる。


「今行くわー。あんたも来なさいよ、あいつに作らせるから」


「いいのか?」


「いいのよ。あの化物の世界から出してくれたのはあんたのおかげでもあるんだし」


確かに・・・私がやったわけじゃないが、私がいないとあの女も現れなかっただろう。


「じゃあお言葉に甘えて」


「いいってことよ」


霊夢とヘンリーは神社に入り、座布団の上に座る。


「ヘンリーの分も作りなさい」


「そういうと思って・・・」


凛が台所に向かって手招きすると、なんと霧がモクモクと立ち込め、料理を運んできた。


「なんなんだ?」


「私の能力は『霧を操る程度の能力』いろいろ応用も利くし結構便利だよ」


「この幻想郷じゃ一人ひとつといってもいいぐらい能力を持ってるからね。人里の一般市民とかは別だけど・・・服装とか雰囲気でわかるわ」


「そんなものなのか・・・」


それじゃあ私も晴れて能力持ちに仲間入りしたこと、ということか。

『抜け出す程度の能力』か・・・


「そんなこといいわ。早くご飯食べて、明日に備えましょ。いただきます」

霊夢が凄まじい速度で白飯をたいらげていく。


「もう霊夢ったら・・・いただきまーす」

凛ももぐもぐと野菜を食べ始める。


「ふっ・・・いただきます」


何から食べようか・・・

白飯と野菜と味噌汁がある。飲み物にはお茶があるな。

味噌汁からいただこう。


「これは!?・・・うまい!」

そういえば最近はまともに食事をしておらずに、ハラが減っていたのを思い出した。

しかし久しぶりに味噌汁がこんなにうまいとは・・・だしが効いていてこくがある。どうやら凛はミソシルショクニンらしい。


「そんなに?」


「ああ!こんなに美味い飯を食べたのは久しぶりだ!」


「そ、そう・・・ありがと。えへへ・・・」


凛は嬉しそうにしている。


「逆にこれで喜ぶって、あんたどんな生活送ってたのよ?」


「いや・・・いろいろあったからな」


博麗神社はその後も騒がしかった。その様子は文々。新聞を通じて幻想郷中に知られ、抜け出す程度の能力を持つ外来人が幻想入りしていたことが巷でちょっと、うわさになった。


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