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前科ありの男が幻想入り  作者: ハヌア
幻想入り編
4/55

姉妹 前編

目が覚めた。

昨日部屋を貸してもらってから、ベッドに横になっているうちに、寝てしまっていたようだ。

しかし、やけに息苦しい。何かが私に乗っかっている。

確認の為触れてみた。


「なんだこれ?かなり毛が生えているが・・・うわ!!」


突然私に乗っかっている生き物が、体を起こし、ベッドから飛び降りた。


「犬か・・・?」


謎の生き物は、私に構うことなく部屋を、出ていってしまった。



その後ホールに出てみたが、まるで動物園のようだった。

犬、猫、虎、鳥、さらに幽霊までもが、私を囲んで、匂いを嗅いだり、すり寄ってきたり、頭が混乱しそうだった。

しばらく歩いていると、ようやく人の姿をした女と出会えた。

その姿もやはり動物のようで、猫の耳と尻尾がついていた。


「ん?お兄さん誰?」


「ヘンリーだ。」


「ああ~お兄さんがさとり様が言ってた、ヘンリーさんだね。」


少女は、手のひらを拳でポンとたたく。


「あたいは火焔猫燐っていうんだ、お燐でいいよ。よろしくね!」


「ああ、よろしく。」


そういうと、火焔猫燐と名乗った少女は、私の手を握ってきた。


「っと・・・あたいはそろそろいかないと。怨霊は幻想郷のどこにでもいるからね~」


怨霊?


「さとり様に用があるんなら、ああ行ってこう行ってこうだからね。」


「ああ行ってこう行ってこうだな。なんとなくわかったよ。」


「うん。それじゃあね!」


お燐は走ってどこかに行ってしまった。

途中派手にずっこけてたが大丈夫だろうか・・・


さとりの部屋についた。すぐにわかった。

壁に大きく「さとりさまのへや」と掛かれていた。


「さとり、いるか?」


「・・・」


いる気配はするが、出てこない。

昨日会ったとき、疲れた顔をしていたので、部屋で休んでいるのかもしれない。


「入るぞ。」


悪い気はしたが、入ることにした。


「・・・」


やはりさとりは部屋にいた。

しかし、ベッドにうつぶせで、身動き一つしなかった。


「あの・・・大丈夫か?」


声をかけても起きない。

寝てはなさそうなのだが・・・


「おーい・・・」


熱でもあるのか?

そう思い、仰向けにしてみると、威圧感がある目で、ジロリとこっちを見られた。


「どうしたんだ?」


「今は一人にしてください。」


あっけなく答えられた。

絶対に何か隠している。


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