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前科ありの男が幻想入り  作者: ハヌア
幻想入り編
3/55

地底

若干シリアスになりましたけどいいですよね?

あの世から、帰還し、目の前に広がるのは、昔のニッポンのエドジダイという風景そっくりだった。


「寒いな・・・雪が積もっている。どこか宿でも・・・しまった、金が無い。」


これで本格的に困って来た。

私は今一文無しだ。その上この寒さ。

下手すればまたあの世行きだ。


「ふう・・・どうしたものか。・・・むっ?」

背後に気配を感じ、後ろを見るが、誰もいない。


「なんなんだ?誰かいるのか?」


呼んでも誰も出てこない。

不気味になってくる。


「早く宿を探そう。」



確実に誰かに尾行されているが、振り返ると、誰もいない。

恐怖と焦りが同時にこみ上げてくる。人気のない場所で、殺されるみたいに・・・


(ん・・・あれは?)

大きな館がある。

もしかしてホテルかなにかか?

違うくても、一泊ぐらいなら・・・



「邪魔・・・するぞ?」

これまた幼稚園児のような服を着た、少女と出会った。

胸元には、でかい目玉のようなものが着いている。


「こんな夜分遅く人間が・・・どうなさったんです?」


「すまない。宿を探しているんだが、部屋は開いているか?」


「開いてますけど・・・ここは宿じゃないですから・・・申し訳ないですけど、ヘンリーさんにはお引き取りお願いします。」


そうなのか・・・残念だ。


「そうですよね。しかし私としても・・・「待ってくれ」・・・はい?」


「どうして私の考えていることが分かるんだ?」


「私は、心を読む程度の能力を持っています。」


そうなのか・・・


「嫌ですよね。こんなの・・・私古明地さとりは、相手の心を口にしてしまうのは、よくないことと分かってはいるのですが・・・」


「私は・・・別に構わない。」


「え?」


「あ~・・・私は、心を読んで声に出してしまうのは、悪いことではないと思っている。流石に・・・命に変えても言われたくないことは、ちょっとあれだが・・・」


「優しいんですね・・・」


「え?」


「あの・・・その・・・普通人間なら嫌がるのに、あなたはそうは考えず、私の能力に肯定してくれた。」


そんなに嬉しいのか?


「はい。・・・ペット以外に分かってもらえると・・・ちょっと嬉しいです。」


涙を浮かべて微笑んでいるが、それは嬉し涙だろう。・・・多分


その日から、私はしばらく地霊殿に居候させてもらうことになった。せめてもの感謝の気持ちだという。



最後から三行目の文章は、天の声だったんだよ・・・

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