過去は取り消せない
前回はテンションが高かったため、今回は暗いです
墓の出入り口付近からこちらに向かって歩いて来たのは、青を基調とした女性だった。恐らく芳香が言っていたせーがなんだろう。
「ごめんなさいね、芳香。ちょっと遅くなっちゃった。」
「待ち過ぎて足が折れそうだったぞ。」
「このお方は?」
「ああ、私はヘンリー・カタルトフという。あんたがこの子の家族?」
「家族とはちょっと違うかも?私は霍青娥と申します。それで芳香と何をされていらっしゃったの?」
「ただの世間話だぞ。そんなことより青娥、早く帰らないか?」
「そうね、じゃあ美味しい昼食にしましょうか・・・ってヘンリーさん?どうかしたのですか?」
「・・・何もない、放っておいてくれ。」
本当は何もないどころじゃなかった。
しかし初対面の人に迷惑をかけるのは失礼と思い、何もないようなフリをしていただけだ。
「そう。それでは私たちはこれで。」
「大丈夫じゃなさそうだったけどなー」
青娥達は本当に行ってしまった。血も涙もないのだろう。
今はそんな事はどうでもいい、とりあえずなんとか立ち上がる。
「ああ・・・クソ!・・・はあ。」
視界がぼやけ、再び座りこむ。
まるで貧血のようだ・・・
それで済めばよかったが生憎、気を失いつつあった。
意識が途切れる前、「驚け」という声と私を心配する声が聞こえてきた。
暫くして目が覚めた。
荒れた荒野に倒れていたようだ。
「酷い目に遭った・・・しかしここは?」
数m先に建物が見える。
それには見覚えがある・・・
「メイソン家?・・・私が燃やした筈。」
私にとって最初の殺人を犯した場所だった。
ミラー・メイソンとその恋人のターニャ・K・ラリアットを拘束し、四股を切断した後、放火した。
あの時のまま、家は残っていた。
「・・・」
なんとなく家を後にした。




