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前科ありの男が幻想入り  作者: ハヌア
幻想入り編
11/55

過去は取り消せない

前回はテンションが高かったため、今回は暗いです

墓の出入り口付近からこちらに向かって歩いて来たのは、青を基調とした女性だった。恐らく芳香が言っていたせーがなんだろう。


「ごめんなさいね、芳香。ちょっと遅くなっちゃった。」


「待ち過ぎて足が折れそうだったぞ。」


「このお方は?」


「ああ、私はヘンリー・カタルトフという。あんたがこの子の家族?」


「家族とはちょっと違うかも?私は霍青娥と申します。それで芳香と何をされていらっしゃったの?」


「ただの世間話だぞ。そんなことより青娥、早く帰らないか?」


「そうね、じゃあ美味しい昼食にしましょうか・・・ってヘンリーさん?どうかしたのですか?」


「・・・何もない、放っておいてくれ。」


本当は何もないどころじゃなかった。

しかし初対面の人に迷惑をかけるのは失礼と思い、何もないようなフリをしていただけだ。


「そう。それでは私たちはこれで。」


「大丈夫じゃなさそうだったけどなー」


青娥達は本当に行ってしまった。血も涙もないのだろう。

今はそんな事はどうでもいい、とりあえずなんとか立ち上がる。


「ああ・・・クソ!・・・はあ。」


視界がぼやけ、再び座りこむ。

まるで貧血のようだ・・・

それで済めばよかったが生憎、気を失いつつあった。

意識が途切れる前、「驚け」という声と私を心配する声が聞こえてきた。



暫くして目が覚めた。

荒れた荒野に倒れていたようだ。


「酷い目に遭った・・・しかしここは?」


数m先に建物が見える。

それには見覚えがある・・・


「メイソン家?・・・私が燃やした筈。」


私にとって最初の殺人を犯した場所だった。

ミラー・メイソンとその恋人のターニャ・K・ラリアットを拘束し、四股を切断した後、放火した。

あの時のまま、家は残っていた。


「・・・」


なんとなく家を後にした。


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