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前科ありの男が幻想入り  作者: ハヌア
幻想入り編
1/55

刑務所から脱走。別の世界に

東方異幻録の代わりの新作でこざいます。

この小説をお読み続けてもらうと幸いです

「おめでとう、ヘンリー。今日から君も、犯罪者だ。」


クリスマスの日に降り積もった雪には、男が倒れ、血の温かみで、雪が溶けていった。

その傍らには、殺された男の血で濡れたナイフを右手に握りしめ、死体を見下ろす男がたっていた。

そして時は過ぎ、殺人犯 ヘンリー・カタルトフは両手首に拘束用のリストバンドを付けられ、重犯罪刑務所に他数名と共に、移送される。


「全犯罪者の搭乗を確認しました。」


「よし、移送を開始しろ。」 


移送バスは、だるそうに動きだした。



「・・・」


ヘンリー・カタルトフ

彼は物憂げに、窓の外を見ている。

一体自分はどんな日々を暮らすのだろうか。

物事を後ろ向きに取る彼にとって、刑務所は地獄だ。


そんな彼に神は、味方した。

目の前に、人が見えた。もちろん運転手の寝不足による幻覚である。

「っ!?」

運転手は慌てブレーキを踏むが、間に合わずバスは湖に転落していった。


そして、幸運にもヘンリーは自分の意志ではないのにも関わらず、幻想入りを果たしてしまった。


彼に未来はあるのか・・・ないか・・・

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