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過去①虚ろな出会い

執筆リハビリ中なので、少しだけ更新しておきます。プロットのような状態とも言えなくもない…。ふたりが出会ったころの話です。

 あの日、どのテレビ局でも取り上げられるほどの雨が降っていた。早朝の街はすでに傘で溢れ、足元は水たまりに溢れていた。そして、通報を受けた家の床には紅い水たまりができていた。それに転がる銀は否が応でも最悪の状況を表していた。

 リビングにはひとり、ふたり。もちろん息を引き取った状態で、もやは一体二体と数えるべきだろうか。そして、廊下には紅い水たまりを作っているひとりの男。その近くに、うつろな目で座っているのはまだ小学生だと思われる幼い少女。少し茶色に近い髪は肩の上で揃っている程度。右手には電話の受話器があった。服装はピンクのチェック柄のパジャマのようだが、紅い染みに心がざわついた。服も手も顔も血に濡れた少女に傷の確認をしようと慌てて近づけば、少女はゆっくりと首を振りただひとつの言葉を繰り返した。


『アタシヲコロシテ』


 抑揚のないまるで機械のような声。目はこちらを向いているはずなのに何も映していない。泣きも喚きもしないその少女の姿にこみ上げたのはなんだったのか、そのときは分からなかった。ただ、自分が汚れるのも構わず圭は少女を抱きしめた。初対面なのに、そんな気がしなかった。世間ではこれを同情と呼ぶのだろう。でもそう言われてもいいから、どうにか自分のところに繋ぎとめていたかった。どうか、消えるな、どうか、生きてほしい、そう心が叫ぶから。


 その後、この事件の解明をするのは早かった。

 廊下に転がってたあの男は深夜に金目当てで盗みに入った。そして、男はリビングにいた夫妻を殺した。そう、少女の両親を。2階へあがった形跡がないことから男は1階のみ荒らしたことが分かった。だが、2階ですでに寝ていた少女は物音に気付き、リビングの惨劇を見てしまった。そして――、台所の包丁を掴んだ少女は玄関に向かっていた男の背中に何度も何度も突き刺した。通報したのは少女自身だった。

 少女は、長い間入院した。身体的な問題はなかった。ただ、心が死んでいた。両親を亡くしたのに泣くこともなかった。ただ、あの言葉を繰り返した。少女には親族はいたが、その境遇に嫌悪感を抱きだれも引き取ろうともしなかった。

 だがそんなことに構わず圭は、決めていた。今ならはっきりと言えること。


「里沙、俺がお前を守るよ」


――それが圭と里沙の出会い。






読んでいただきありがとうございます。あらかたの出会いを書きました。ちょっとずつでも投稿していかないと感覚が鈍るので中途半端ですがとりあえず。今後時間があるときに加筆していきます。

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