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生徒番長2  作者:
9/14

episode9 私の答え

「お前が……好きだ……」


 そう言われて、自然と涙が流れてきた。


 私は、涙を腕で拭きながら、


「ごめんなさい。私には、待たなきゃいけない人がいるから……」


 しかし奥山の顔も、涙と、強い風によって靡く私の長い髪の毛であまり良く見えなかった。


「……そっか。分かった」


 風がやみ、奥山の顔を見ると、彼は泣きそうな顔で笑顔を作っていた。


「じゃあね……」


 とだけ言い残し、私は家へと走った。


 ―――


 次の日。


 私は、いつものように、生徒会メンバーと一緒にいた。


 その中には奥山も(当然)いたが、昨日の今日で話ずらい。


 そのせいか、顔が合うたびに、目をそらす。


 その様子を見ていた里緒菜が突然、


「ヒューヒュー!!

 もしかして、アレですか?

 アレな感じですか?」


 そう言われて、私と奥山は顔を赤らめる。


「そんなわけないでしょ!?」


 私たちはハモり、2人で里緒菜の頬に蹴りを一発。


 ―――


 放課後。


 私は里緒菜に呼ばれたので、屋上に行った。


 屋上に着くと、里緒菜がいた。


「あれ? ……田所さんは?」


「用があるから、先に帰るってさ」


「……そうなんだ。実は、三日前、二人が話してる内容、聞いちゃったんだ」


 ……あの時、走って行った人って、里緒菜だったんだ…。


「……で? それがなに?」


「……その……っ、調べちゃったんだ。二人の事……」


 …………。


 そう言われた時、恐怖に襲われた。


 ……また、友達が居なくなる……


「……この事は、誰にも言わないで……?」


 私は涙を流しながら里緒菜に頼み込んだ。


「……分かった。言わないよ。言わないから、そんなに泣かないで……?」


 里緒菜は私を抱きしめてくれた。


 その手の温もりは、とても温かかった。


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