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生徒番長2  作者:
6/14

episode6 解決へーー

 柏木さんと一緒に奥に進んだ。


 進んだ先は、不良集団が捨てたゴミの山であった。


「なっ……、なんで来んだよ! 用があるのは、アイツらじゃねーのかよ!?」


 怯えるような口調で飯田が言う。


「ふざけるな! 元々、あんたがこんな所に入らなければ、柏木さんがあんな目に合わなかったんだ!!」


 ―――


 正直、頭に血が登っていたので、ここからの記憶は、覚えていない。


 ここから先は、柏木さんたちが話したことだ。


 ―――


「あんたはなんでこんなクソみたいな所に入った!? あんたはなんで柏木さんと付き合った!? あんたはなんでその彼女をいじめるんだ!?」


 私は怒鳴るように言ったらしい。そして彼は、泣き始めたそうだ。


「俺は……、強くなりたかったんだ」


「……えっ……?」


 私と柏木さんは驚いたようだ。


「俺ん家は、親が大企業を経営してて……。しかも両親共にエリートで……。俺はそんな二人に比べたら全然駄目で……」


 彼は、涙を拭い、強い口調でこう言ったそうだ。


「でも俺は一度も二人みたいになりたいとは思ったことない。でも、周りがプレッシャーをかけるんだ。そのプレッシャーに勝てる程の強さを手に入れたかったんだ。

 だから……」


「だから!? ……だからって、人を傷つけちゃ、駄目でしょ!?」


「……!!」


「元々、苦しんでいたあんたが、苦しんでる人の気持ちが分かるあんたが、人を苦しめたら、駄目じゃない……。この、バカ!!」


 その言葉と共に、彼は私の右手により大きな衝撃を与えられたらしい。


「……ごめん……なさい……。柏木……、……ごめん」


 飯田の身体が地面へと崩れて、やがて土下座したようだ。そこに彼女がしゃがみ込んだらしい。


「いいよ。……もういい。……また、付き合ってくれる?」


 彼女は泣きながら笑顔で聞いたらしい。


「あぁ。ありがとう、ありがとう!!」


 彼は涙を流しながら二人は抱きしめ合ったらしい。


 その後、(私を含む)生徒会メンバーは、不良集団のリーダーに飯田の解雇を要求したらしい。


 結果はOKだったらしい。


 そして、柏木さんによると、もう一つ質問をして、最後に私はこう言ったらしい。


「――この質問をした事は内密に――」


 ―――


 次の日の放課後。


 私は屋上の網の前で風景を眺めていた。


「……会長、呼びました?」


 田所さんが来た。


「うん。ごめんね、急に呼び出して」


「……それで? 何ですか? ……話って」


「二年前って言って、分からない訳ないよね……?」


「……。会長、今日の生徒会の会議の時、記憶がないって、あれ、嘘ですよね?」


「……やっぱり見抜かれてた?」


「見抜いてました」


「……やっぱり、田所さんだけは、嘘はつけないな〜」


「……で? その二年前のことについて、何か分かったんですか?」


「……うん。ちょこっとね」


 そう呟くと、後ろから走っていく足音が聞こえた。


 誰かがいたのだろうか?


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