episode3 いじめの原因
放課後。
柏木さんの話題になった時、國井が、
「そう言えば昨日さ、とんでもない情報を入手したんだよね」
……とんでもない情報……?
まぁ、いつもなら、たわいのない話だが、今回は、めちゃめちゃ顔が(國井の割には)真面目だった。
「実は、俺に弟がいるんだけど」
「うん。知ってる」
「その弟が、二年の情報屋なんだよ」
「うん。知ってる」
「で、その弟から聞いた話なんだけど……」
―――
(ここからは國井の目線)
柏木さんは、以前に、二年の中ではとてもいい男として、女子にモテモテだったヤツがいて、そいつの名前は飯田蓮っていうんだけど、そいつと付き合ってたんだよ。
で、ある日、柏木さんが、夜に友達と歩いてたら、飯田が不良とつるんでるのを見たらしいんだよ。
で、翌朝、それを問いただしたところ、そうだったみたいで、別れたみたいなんだが、それを口外させないために、いじめてるんだとさ。
―――
(ここからは藤咲の目線)
「……以上、弟情報でした!」
國井の目がキラキラと輝いている。まるで、褒めてくださいと言っているようだ。
「そんなことがあったんだ……」
「柏木さん可哀そう」
「言ってる場合じゃないでしょ‼ 早くどうにかしないと……」
みんなで話し合って、そんな國井を無視するので、彼は、
「……みんな、俺を褒めてくれよ〜!!」
泣き顔をしてきたので、
「すごいね、國井……」
里緒菜が言うと、國井の顔が明るくなるが……、
「……の弟」
と言い、一人で大爆笑。
つられて二人が笑った。
里緒菜……、からかい過ぎだ。
そう思いながら、苦笑いで顔が赤い國井を見ていた。