レディー・キラー
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
バーとは無縁な生き方をしてるので、食レポはお許し下さいな。
幻想奇譚です。
木製の戸田何並ぶ沢山の洋風酒瓶。テキーラ、ウォッカ、ジン……その他にも私が存じ得ないものが肩を並べております。つるりとした長机には疎らに置かれたキャンドルが、ゆらり、ゆらりと揺らめいて、私を夢へと誘いかけ、思わず目を閉ざしてしまいました。
――ボーン……ボーン……ボーン……。
そんな、とろとろと眠りに落ちるのを阻止して下さったのは、柱に置かれた巨大な振り子時計。低く、優しく鼓膜を譲り、私をこの世界へと引き留めて下さいます。
此処はとあるバーの一角。無口なマスターは延々と飾られた酒瓶を愛で、この静かな空気に華を添えて下さるのです。
元より酒精が苦手でお酒は嗜まず、故にバーとは無縁な筈……けれどもどうして此処に参ったのでしょう? 思い出そうとしても、記憶にモヤが掛かり、何一つ思い出せません。
「お決まりですか?」
マスターの切れ長の目が私を捉え、質問をお一つ投げかけて下さいました。思わず手元を拝見致しますとメニュー表。幾つかの鮮やかなカクテルが描かれております。
私は少し戸惑った後、その描かれた一つを指差して、お願いを申し上げます。
「あの……此方のオレンジ色の……」
夜の帳が落ちる前の夕焼け空の様な鮮やかなオレンジ。何時見ても美しいと感じてしまう、酔いの廻る色彩。其れを注文致しますと、マスターは静かに頷かれました。
「スクリュードライバー、承知致しました」
マスターはグラスをお一つ取り出しますと、縁ギリギリまで氷で満されます。其れをマドラーでくるり、くるりと掻き回します。そしてとろとろと英国産のグラスからお酒を注がれますと、オレンジジュースで杯に致しました。最後にまた、くるりくるりとマドラーで掻き回した後、私の胸元まで差し出されました。
差し出されるままに口を付けますと、炭酸が弾けた様なオレンジの酸味、そしてウォッカ特有の強烈なお味。『君にはまだ早い』とカクテル自身から仰られる通りの刺激的なお味が致します。
「貴方様はとてもお目が高い」
そう、マスターは仰られました。
スクリュードライバーは飲んだ事がないので、オレンジジュースを元に、めっちゃ度数の強いアルコールをイメージして書きました。苦ーんだ。
ちなみに渡は夕焼け色が大好きです。
夜の帳が落ちかけて、夕陽がどろどろに溶けたような、眠りを誘うカクテルの様な色合いが。
※前にもそんな話がありましたね。眠くなるって言ってた気が。
スクリュードライバーの別名は『レディー・キラー』なのだそうで。
度数の割に飲みやすく、酔いが廻りやすい為にこの異名なんだそうです。
カクテル言葉は『貴方に心を奪われました』です。
渡が心を奪われたのは味ではありません。
また酔いのせいでもありません。(お酒苦手ですけど)
この夕陽の様な鮮やかな色合いです。
其れでも『貴方に心を奪われました』、それ故の『レディー・キラー』。
そのことを見抜いて『貴方はお目が高い』つまり『あなたにピッタリだ』とマスターは言った訳です。
構成的に気に入ってるんですが、文章が硬い( '-' )
滑らかさが欲しいですね( ・᷄ὢ・᷅ )