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【7章開幕】“VR MMO RPGってなに?”〜ほのぼの理想を目指してプレイしていたら『死神』扱いされた?!〜  作者: ハンブンシタイ
1章 プラモ好きが妹と始める最初の町編 初級
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八話「平和が1番。」

前回のあらすじ


とてつもない速さで物語が進み、紅月はビームライフル(試作を完成)そして試し打ち。結果は失敗に終わってしまった、紅月は自分の限界を感じながらもルルカの激励でトライすることを決意し、二人はゲームをやめる。暁はルカと会う日までに設計図の完成を目指す。




 ──暁の家──




 「あ〜金曜日終了ょ〜。」


俺はベットに顔面からダイブし、ベットの柔らかみを感じ、少し落ち着いていた。


今日も今日とて学校に行き、授業を真面目に聞(かないで設計図を作っていた。)き、真面目に昼食を取り(真面目に昼食ってなんだ?)、俺はがんばった。

設計図作りをして、ゲームに登場する鉱石の特質を理解して、フレームに使えそうなものを集めたり現在解禁されているレシピを確認。


 そして研究今週で1番難しかったのはスラスター技術くらいだろうか、。まぁ、これに関しては実際の推進器をもとに設計を行えばかなり楽だ。推進力に必要なエネルギーもコアからの供給で間に合うことができるだろう。他にも近接戦を想定した物理装備、ビームライフルの完成するまでの間をつなぐ射撃武器としてレールガンの設計なども行ってきた。理屈としては電気を含んだ魔法石(前回出てきたのは結界石、結界石との違いは刻まれている魔法が結界式か、魔法式かの違い。正直俺もかなりあやふや)を電気を流しやすい素材で作ったレールに磁力と電流で弾を打ち出す、基本現実の仕組みと変わらない基本現実の仕組みと変わらないので簡単に設計できた。

他の設計図に関しては大型ガトリング砲でも持たせようと思ったのだが、取り回しの悪さ。近接戦闘の際に邪魔になる可能性があるため考え中だ、スラスターの検証後に考えようと思っている。


スラスター出力によって装備をオミットするか、どうかも鍵になる。俺はビーム兵器派の人間だが実戦投入し、爆発するだけなら流石に使いたくない、そんな不良品を使うくらいなら実弾で十分だ、。他にもマイクロミサイル、現実でもよくあるアサルトライフル、他実弾兵装。前回の設計で、俺は【ビーム】に実弾と魔法の両面性での性能があると確信できた。攻撃に回せるのなら逆に防御にも回せると考えている。なら、実質的な両面性を兼ね備えたシールドを作ることだってできる、っとこの理屈に辿り着いたのはちゃんとした理由がある。


まず、ゲーム内で(永久の結晶)というアイテムの存在からだ、この(永久の結晶)はなんと魔力の結晶でありながら植物のように成長するのだ。つまり周りの魔力を吸い続けながら自身を成長させる一種の生物のようなもの。俺はここで閃いたもしこの無限に成長する理屈を利用したらどうなるのか、無限に成長している部分を削るともちろん魔力を含んだ結晶になる。つまりここから→無限に採取可能な弾ができる。


それだけではなく、削った部分の魔力を魔法に変え、放出したら実質的にフィールドバリアが完成できる自分の周りに魔力のバリアを貼り、相手の魔法攻撃を無力化。普通のプレイヤーならば発狂しそうな技術だ、このゲームは物理よりも魔法の方が使い勝手も良く。魔法が使えない俺のようなオートマタ以外の天敵になるだろう。そしてその(永久の結晶)の入手方法は既に公開してある。それは[SAMONN]の第二公式大会で優勝すること。


俺は今後のためにもこの大会での優勝がほぼ絶対条件になった。つまり対プレイヤー戦を想定した装備の設計に今回はなっている、そのため魔法防御力が高いフレームの素材や、魔法石を使った一時的なバリアの設計図作りに勤しんでいた。ルカにも既にスマホで情報を送っており、素材集めを頼んである。(俺は機械がないのでルカに任せている)ルカが先週言っていたプロモデラーもどうやらコンタクトを取ることに成功し、是非協力してくれるそうだ心強い。ちなみにオートマタは魔法石、結界石の使用はできるため。腕に腕に嵌め込みビームシールド(仮)みたいなことができる。そのためこのゲームのオートマタはとにかく防御力が高いっといったイメージがある。だが俺が目指すのは高い防御性能、高い機動力、高い攻撃力だ。どれか一つ飛び抜けていたとしても相手の相性が悪い場合、負けることもある。

プレイヤー戦に置いては相手がこちらの弱点を見つける前に殺す。これが先決だ、逆に俺は相手が手の内を見せる前に殺す。これが勝率を上げる方法の一つだろう、ルルカはSSランク、しかし大会にはSSSランクも出てくるだろう。どんな奴かは検討がつかない以上フル装備で挑むことは変わりがない。大会のルールについてはバトルロイヤル式、大会の出場者の人数が一定数になると、休息時間が設けられるシステムだ、休息時間には自身の装備を変えることができるため、俺はタイプを変えることができるという利点がある。そのためかなりオートマタが有利な大会にはなっている。フル装備を使うなら決勝戦で使うのが吉だろう。ビーム兵器がもし使えないのであったら俺は基本物理で殴ることになる。そうなれば圧倒的にこっちが不利だ、相手は物理結界を張っていれば勝てるのだからコッチは死ぬ気で大会までにビーム兵器を作らなければいけないような感じだ。さて、今日はこのくらいにして、風呂入って寝るか。




 ──翌日──




 [ピンポーン。]


 「はぁ〜い、今出まーす。」

俺はプラモを作る手を止めて玄関のほうへ向かう。靴を適当に履いて扉を開ける。

そこにはいつものナミさんがいた。


 「若葉様。おはようございます。」


 「おぉ、おはようナミ。まだ約束の時間じゃないのに今回は早いな。」


 「お嬢様に『早く迎えに行って!』っと言われました。、」

ナミは苦笑いしながら言った。


 「あぁ、お疲れ様です。」

俺も同じく苦笑いで返した。


 「じゃあ、家の電気とか消してくるので15秒くらい待ったてください。」


 「お忙しいところ大変申し訳ありません、、。」

俺は次々に部屋を周り電気を消していく。


 「気にしないでください。プラモ作ってたくらいなので。」


 「そういえば、ルカお嬢様が若葉様が頼んでおいた素材を全部集め終わったと伝えて欲しいとの連絡が、。」


 「ルカ、ちゃんと休んでるのか?、俺が頼んだのって後から調べてみたけど結構時間がかかるやつばっかりだったはずだけど。」


 「まぁ、私も手伝わされましたから。」

俺は机の電気を消し、玄関にいるナミさんの元へ向かおうとした。


 「そりゃ大変だ、、ってええ?!ナミさんもゲームやってんの?!!。」


 「はい。お嬢様の影響で、前回は少々急用が続いたためお手伝い出来ずに申し訳ありません。ですが、今回からは私もお手伝いします。」

ナミさんは謝罪の礼をした後よろしくの礼もした。


 「そりゃ心強い。」

俺はそう言いながら靴を履き、ナミさんと一緒に部屋を出る、ちゃんと鍵も閉めて戸締り確認。


 「よし、じゃあ行きますか。」


 「ハイ、向かいましょう。」

アパートの階段を降り、俺たちは豪邸へと歩き出した。




 ──道中──




 「ところでナミさんはどんな種族を?」 


 「私は人間ですね。お嬢様と同じく。」


 「ところで、気になっていたんですけど、みんななぜ人間を選択するんでしょうか…?」


 「なぜ、、。っと言いますと?。」


 「いや、前ルカから聞いたんだけど魔法を扱いに長けているのはエルフで、でもルカは人間だなぁ〜と、思ってて。そしてナミさんも人間を選択している、なんか人間に大きな利点でもあるのかなぁ〜っと思っていまして。」


 「あ、そのことでしたか。それは人間は職業の選択の幅が大きくなおかつそんなに難易度が高くないという利点だと思います。エルフ、獣人、ドワーフなどの種族は職業の選択幅が狭いため。汎用性に大きく欠ける点があること、しかし、人間は職業が豊富にあり、なおかつ転職して他の職業になれば依頼にあった職業で挑むことができるため他の種族より汎用性が大きいという利点を持っております。」


 「なるほど。だから殆どが人間を選択してるってわけか。ちなみにナミさん職業は?」


 「メイドです!」


ナミさんは堂々と言った。俺はその発言で一瞬脳がフリーズした。


 「いや、ナミさん。現実じゃなくてゲームの話で。」


 「?、メイドですよ。」


 「…えっ、と、、。もしかしなくもないんですけど。メイドっていう、職業が。あるんですか?。」


俺は少し頭を抱えて言った。、いや、まさかな、流石にそんな職業あるわけ…


 「ありますよ。」


 (あるんかぁぁぁい!!!)


ナミさんはニッコリと微笑みながら言った。


 「他にも、ウィザード、ネクロマンサー、魔物使い、聖職者、聖女、執事、ニート、芸人、主婦、社畜、など、色々ありますよ。」


 「ハハハ、ソ、ソウナンデスカ。(後半ろくなのねぇ。てか現実味ありすぎだろ、特に社畜とニート。ニートって無職だろ、なんで職業になったんだ)」


俺は遠い目をしてナミさんに言った。


 「はい。マジです。なので多くのプレイヤーがいるのも納得ですね。」


 「そ、そうですね。」(いや、納得できないです。)


 「ちなみに!最近マスターメイドっていうのになったんですよ!!」


胸を張り、そう言うナミさん。あ、うん。。


 「そ、そうなんですか、。(そんなどっかで聞いたことあるニュアンスで言わないで、、)」


 「若葉様は今日、どういったことを?」


ナミが首を傾げて聞いてきた。


 「今日はルカが言っていた人と会ってこれからの予定を確認することかな、それと時間があったら装備作りって感じで、まぁ結構地味な作業ですかね。」


 「なるほど、力になれるかどうかわかりませんが。協力します!。」


 「本当に助かる。人では多い方がいいからなぁ〜、前回二人で作った時はかなり大変だったし。」


 「お嬢様も、若葉様の力になりたいと最近は頑張っていらっしゃいましたよ。主に素材集めなどですが。」


 「こっちの時間があまり取れなくてスマン。最近はテレビのオファーとか少ない方なんだけど。」


 「最近はゲームのことでテレビが持ちきりですからね。」

そう、最近は殆どの番組が【SAMONN】を取り上げている。理由は様々だ、神ゲーだから、売上がすごいから、プレイヤー数、内部設定、そして公式大会。今や、【SAMONN】を知らないプレイヤーはいないレベルだ、実際に大学でも何人かはゲームをやっていると思う、そして講義中に寝ている。メリハリは大切だ、もっと俺が言える立場ではないと思うが。


 「そうですね、俺的にはもっとプラモデルを取り上げて欲しいのが本音ですけど。」


 「ブレないですね。」


 「そういう、ナミさんこそガーデニング続けているんでしょう?」


 「もちろんです!」

ナミはムフーっといった感じでドヤって言った。


 (なんかナミさんもルカに影響されてきている気がする。にしてもルカが今日連れてくる人ってどんな人なんだ?もしすごく気があったら。久しぶりにプラモの話で盛り上がりたいものだ。)

っとそうこうしているうちに到着。ナミさんがインターホンを押した。


 「若葉様をお連れしました。」

ナミさんはさっきまで、穏やかだった表情はなく、真剣な表情へと変わった。仕事中はいつもこうなのだろうか、、。そして程なくして門が開き。親の顔よりも見た風景が広がっていく。


 「、、。最近平和だなぁ〜。」

俺は綺麗な庭を見渡しながら言った。


 「最近は若葉様のおかげで、裏庭の手入れ捗っておりますから。あ、もちろん表も。」


 「それはよかった。それにしても最近寒くなってきましたね。」


 「もうすぐ冬ですから。ルカお嬢様は最近こたつから出ていませんし、」


 「あれ?、コタツなんかありましたっけ?」


 「ルカお嬢様がご当主様にお願いしまして『お兄様とぬくぬくしたいから』が理由だそうで」


 「なんかすみません。それにしたってコタツは早くないですか?」

 「お嬢様は寒がりでしたので、」


 「あぁ〜、そんなこと言っていましたね。…、、。」

俺はしばらく黙った。


 「どうしました?。」


 「いや、昔、ナミさんがいなかった頃。ルカが『お兄様をカイロにして寝たい』ってご当主に言って、俺が招集された事があったんですよ。あの時はナミさんがいなかったから今以上に屋敷がやばかった。」


 「その、どのくらい酷かったんですか?」


ナミは唾を飲み込み聞いてきた。


 「えっと確か、、。庭は原型をとどめないほどに荒れていて、屋敷の中は常に世紀末状態、荒れ狂う使用人、今では考えられないくらい落ち着きがないご当主様、受験生だったのに招集された俺。全てがめちゃくちゃでって。いつの間にか着きましたね。」


 (え!?すごい気になるんですが、、。)


俺はいつものようにドアノブに手をかけようとしたしかし、俺の中に眠る(別に眠ってるわけじゃないが、)勘が何かを感じとった。


 「ナミさん頼みます。」


俺は振り返りナミさんにそう言い、場所を譲った。ナミさんは俺が警戒していることを察し、ドアノブを開け、中に入っていった。その直後「ぎゃあアア」と言う叫び声と共にナミさんはどうぞ。っと扉の向こう側から言った。


 [ガチャ]


そしてそこにあった光景は、ルカを荷物のように持ったナミの姿であった。


 「…。ナミさん今度はどんな奇襲でした?。」

俺はナミに荷物のように持たれて不服そうな顔をしているルカを1秒くらい見た後何事もなかったかのようにナミさんに聞いた。


 「上から来ました。」


 「…、、。ありがとうございます。(ついにそこまで来たか。)」


俺は頭に手を当てて言った。これは流石にご当主様案件だ、俺はそう思った。もしこれがナミではなく俺であり、うまくキャッチできなかったらルカは最悪命を落としていた可能性だってある。ナミも少しやれやれって感じだ。


 「えっと、、。お兄様こんにち、、ハッ!」


ルカは俺の顔を見た瞬間口を開け、青ざめた表情になった。


 「おい、ルカ。自分が、何を、したのか、わかって?いるのか?」


俺は未だかつてないほど怒っている。それは突撃してくる鬱陶しさからもそうだ、しかしそれは半分。もう半分は自分の命を粗末にしたことだ。(ルカがそう思ってなくても俺はそう読み取れる。)そしてそこからは言わずもがな、俺とご当主のダブル説教だ。


 「えっ…。と、許して、ください。」


俺とナミさんはルカを連れてご当主様の執務室へ向かう普段敬語を使わないルカがけいごを使うのには訳がある。それは。


 「ひぃぃぃぃぃ!!!」


 [ガチャ。バタン。]


俺とご当主のダブル説教は基本的に5時間は拘束されるからだ。


 「ごめんなあぁさぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!」

その声はきっと門まで届いただろう。しかしそこまで届いても誰も助けはしてくれない、少なくとも俺とご当主の気が済むまでは。




 ──一方、【SAMONN】では──




「う〜ん、ルルカ遅いわね。、どうしたのかしら今日はせっかくいい日になりそうなのに。」


一人の女性がゲームのベンチでフレンドのログイン履歴を確認している。


「にしても、どんな人なんだろう。私と気が合うといいなぁ。」

『topic』


ナミは実は2年ほど前にルカの世話係になったため、付き合いの長さでいえば暁のほうが上である。しかし毎日暁とあっているわけではないのでルカのことをよく知っているのはどちらかといえばナミである。

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