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七十一話「紅月様ぁ」

前回のあらすじ


負傷した二人を助けるため紅月に連れられウミはプロイシーへついに入国する。独特な世界観に興味と違和感を感じつつも、紅月とプロイシーに対して疑問は積もりつつあった。

無事ルルカとレナが復活し、一安心したところ一人の魚女子が紅月を訪れる。





 「あ、メビア。」


 「あ、どうも紅月お兄様。」


 『──え?。』


 「え?。」


 「え。、、」


突然出てきた魚女子の一言に場は凍りついた。そして私の頭の中には三つの疑問が浮かんだ、 


一つ目「この魚女子は誰だ?」。

服で隠れている部分はわからないが、肉体の至る所に鱗のようなものがある、一目で鱗と認知できるほどの大きさで地上人の私からしたら些か異様と見てとれた、足にヒレがあるタイプではなく尻尾があるタイプ。ここプロイシーにきて尻尾があるタイプを見たのはおそらく初めてだった、そのせいで彼女が放った言葉以外にも見た目にも余計に意識が割かれた。


二つ目「紅月様とのご関係は?」

私の中でいちばん重要、紅月様は彼女と目が合うなり「メビア」と言ったおそらくこれが彼女の名前と認識して間違いないだろう、そして次にその「メビア」さんは紅月様のことを呼んだ、二人とも顔見知りのように言ったことが異様に引っかかる。

先ほどの魚貴婦人達はまるでアイドルに群がるファンのような感じで紅月様も「顔見知り」という態度は見せなかった、しかし今回は違う。

この差に何があるのか、彼の口から直接説明してもらわなければならなさそうだ。


そして三つ目「紅月お兄様。」

…紅月お兄様?、初めて聞く言葉ですね。詳しく、教えてください、私は今冷静さを欠こうとしています。


 「紅月様、。」


私はゆっくり落ち着き(?)紅月様の方を振り返りそして微笑む、メイドはいつだって笑顔を絶やさないものですから、、。


 「─はい?。」


 「あ、これ絶対ヤバいやつだよレナ。」


 「いちいち言わなくてもわかるわ、。」


二人が私の方を向きながらゆっくり後退あとずさりりをする、まるで熊を前にして目を見ながら静かぁ〜にその場を離れる人のようだ。まぁ今の私にはそんなこと脳頭になく、目の前の紅月様に対して進行を始める。

紅月様の前だ、礼儀正しく、落ち着いて(?)、ゆっくりと、本人を怖がらせないように。


 「ぇぇっと、ウミさん怒ってる?。」


 「いえいえそんなまさか、ただ少し気になることがあるだけですよ。」


 「き、気になることって?。」


紅月様は唾を飲んだような顔で私を見る、そしてゆっくり後退りをして私から距離を置こうとしている、、。


 「あのメビア?さんで良いんでしょうか、彼女と、」


 「メビアと、、」


私は紅月様の後退りより1テンポ早く足を動かせ、彼との距離を着実に詰める。


 「彼女の言う、『紅月お兄様に』ついて、詳しく。教えてくださりますよね。」


私は彼の目の前に立ち、そう言い放った。そこに含む感情はとても特殊で自ら分解するのは難しかった、ただ単純に怒りを3割に、、その他大勢が私の心の中を渦巻いていた。


 「─っはい。」


紅月様は気圧されたような顔で私から目を背けながら、静かにそう言った。


 「─とりあえず、みんな座ろっか。メビア〜?もどうぞ。」


 「、ど。どどどうも?。」


 「、二人とも一旦座りましょう。立っていたって─ウミさんはとりあえずその顔やめてください。ちょっと怖いです、。」


 「ぇ、すみません?。」


私はレナ様からの言葉でふと我位帰ったような感じがした。心の中にあるモヤモヤが一時的に収まり、言及された顔について少し手で触りさっきまでどんな表情だったのかと気になった。


 「あぁうん、とりあえず座るよ。」


紅月様は頭を切り替えるような素振りを見せ、椅子に座った。この部屋にいる人たちが次々に座る中、私は最後に座った。メイドは主人が座った後に座るという礼儀作法をここでも私は魅せる。


 「、それじゃあ話してくれるかしら?紅月お兄様?。」


レナ様はため息を一つ、そして皮肉を込めた様な言葉で紅月様にそう言った。

目覚めたばかりだというのにまるで状況を全て把握しているかのように見える、、流石と言わんばかりの観察眼だ。


 「─メビアも聞いてくれ、俺が今ここにいるまでにどんなことが起きたのかそして、3人と離れてどうなっていたかを、」


そして紅月様は話し始めた。



『topic』

プロイシーに住む人々は分けて二種族、魚人族と人魚族、基本的な魚人属は人型に魚を足したような姿であり、人魚属は上半身が人下半身には魚の尾鰭のようなものが繋がっている。

よく勘違いされやすいが双方の種族にはしっかりと男女というものがある、決して人魚族は女性、魚人族は男性、みたいな形ではない。


また王家の血を引くものは同族と明確に違う部分があったりする。

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