表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/172

六十八話「禁句」

前回のあらすじ


ウミは夢でルルカとの会話を思い出す。そして現実でルルカが【自然界魔力】を操れる様になったことを心から祝福し、先行していったレナを少し気がかりにする。

同時刻レナは再度不思議となっていた『アラハバキ』とネルの二人組の依頼主について考えを巡らせていた、


レナが考えている中ネルが突然訪れる。レナは武器を自然と構え殺気立つがその時、ネルから衝撃の言葉が飛んでくる。



 「───お姉ちゃん、。」


ネルの嘲笑うかのような態度は私の怒りを刺激するには十分だった。ただ一言心から思いっきりこう言いた、その生意気な面に


 「何を、今更──。」


私は戦闘体制を取らない。ここでどっちが不利なのかは一目瞭然、それでも今目の前で許されざる行為を揉み消したような言葉を私の前で放ったコイツを心の底から決して許すことはできない私の体はまるで怒りに身を任せた獣かのように奮い立っており、いつでも相手の喉元を食いちぎりに向かってもおかしくない状態だった。


 「何って、別に呼んでいいでしょ。ほら久しぶりの姉妹揃ってなんだから、、」


 「─黙れ。」


何が姉妹揃ってだ、アンタがしたことを考えれば世の中の姉妹が常に仲良しという甘い現実を見ている腐った脳みその持ち主に大打撃を与えることが容易にできるだろう。

それほどまで私は決して彼女をネルという人間を許さない、


 「まだ、あのこと怒ってるのぉ?いい加減過去は水に流したら?。」


私はその言葉を聞いた瞬間、いらない記憶と共にネルに対する明確な殺意が身に宿ったことを感じた。落ち着けと自分を宥めている声が遠くなっていき、拳にはこれでもかと力が入る。


 「随分な、、物言いじゃない。そもそもアンタみたいな人間をただそこら辺に生えている草としか見ていない奴と、、姉妹になった覚えはないわ。」


 「フ─。人間が草?、それは違うよお姉ちゃん。」


チリっと辺な感覚が脳内に走る。この電気のような直感は常に私へ最悪の情報を伝える例えば今目の前で次のセリフを喋ろうとしているあのネルがどんなことを言うとか、、そしてそれに対して私がどんな気持ちになるか、嫌な絆的にそんなものがわかる。心底気持ち悪くて憎悪しか湧いてこない。


 「人間はね、虫だよ。」


 [─バババババッ!!]



私はその言葉を聞いた瞬間にはライフルを片手に射撃を始めていた。目標はネル、人という存在を心の底からふざけた偏見で塗り潰している、クズだ。


 「うわぁはっゃ。w、」


ネルはそう言いながら私の攻撃をお決まりのバリアで弾く。ライフルを全く受け付けないとわかると私は背部のスラスターに火を吹かし、近接戦に持っていく。

腕部に搭載されていたビームサーベルを空中へ射出し柄の部分を取る、そして空振りをするように刀身を形成する。


 「安直だよねぇw、」


 [バゴォーン!!]


携帯端末で口を隠すようにそう言ったネルらはあらかじめ仕掛けてあった地雷を展開した。

地面に作用するものではなく空中に設置するタイプ、一体いつ仕掛けてあったのか検討つかないが今私の進行を邪魔していることに変わりはない、、


 「っ!邪魔。」


両翼部を前身に向けフレアを射出する。フレアは速度はゆっくりであったが地雷を炙り出すには十分だった


 [バゴォバゴォォバゴゴゴォーン!]


フレアが火種となり空中にあるであろう爆弾は連鎖反応を起こすように爆発した。


 「─っ、悪あがき好きだね!お姉ちゃんッ!!」


 「ったり前よォーッ!!」


連鎖爆発の煙を掻き切りながら、ネルへ向かって直進して行く。そしてすかさず手に握りしめていたビームサーベルを容赦なく突き刺す、しかし──


 [ジジジジジジ!!!!!!]


ビームサーベルが後数センチのところでビームの刃が半透明な壁によって遮られた。


 (ネルのシールドもどき─!)


失念していたわけではない、ただ今私が打てる有効打を決めようとただ思っただけ、、。そう決めて突っ込んだこの行動はあながち悪かったかもしれない。


 「こんなのもできるけど、w」


ネルは不適な笑いと共に、携帯端末を上にスライドしたようにわざわざ見せる。

そしてその動きをシールドもどきが真似するように私のビームの刃は不可解な強制力に押され、私の足はスラスターの追い風を受けているというのに一歩後ろに下がった。


 (まずい──!)


ネルの展開するシールドもどきによって私の攻撃は一ミリたりとも届かない、ビームサーベルの威力ではこの壁は突破できないと、さとると私は攻撃を予測してシールドもどきを蹴るようにして至近距離を離脱する。


 「フフッ!」


 [ボ!ボ!ボ!ボ!ボッバコォ───ン!!!。]


私の後を追うように無数の爆発がネルと私の間で起こる。私はスラスターに火をつけ、距離をさらに引き離そうとするが、、


 [ボゴォッッーン!!]


それすらを読まれていたように私の背後は突如として爆発に巻き込まれる、ネルの方を前に向いていた私は背後の守備を疎かにしていたのだ。


そしてその瞬間ネルは全てが決まったかのような腹黒い薄笑いをし、携帯端末を何度かタップした。

背後の爆発によってスラスターが途切れ、再点火にしろここからの離脱にしろ時間が足りなかった私にとって今すべきことはたった一つだけだった、、


 「っ!こんのぉぉぉぉ!!」


 [バババババッ!!ドド、ババ──ボボボン!!]


今あるすべてを使って自分への直撃を限りなく0に抑えること、ネルとの戦いは基本消耗戦だ。それこそ弾薬などで強力な一撃を相手に浴びせるこちら側は長期戦になる程不利になる。

ネルは携帯端末一つだけでテクニカルで尚且つ

強力な技をいくつも扱うことができる、、


 ネルは私の攻撃を相殺、もしくは私を確実に殺すためなのか、携帯端末のタップをやめる気配を見せない、。


 (紅月っていう例外を除けばタイマン最強ね、──ッ!)


私はネルが攻撃するであろう地点を頭の中で考えながら、ありったけの鉛玉を虚空へ発射する。


 [ボゴォッッーンボボボゴォッッーン!!]


確実に当たっていることはわかっていても不安になるものだ、ネルの攻撃は無尽蔵で無いにしろ正直底を測ること自体が難しい、私の今持っている弾薬等で押し返す、もしくは相殺できるかどうか、、。


 「フフ、私でもわかるよお姉ちゃん。ソレいつまで持つのかな?。」


 「うっさい!!、」


 「それと、なんで私がここにいるかわかる?。」


 「──、まさか!!」



・・・


 [ドドドドドガガァァァーン!!!]


 「く、」


赤い閃光がヤツを中心に地面へ広がっていく、幻想的だった世界観は一気に赤く塗りつぶされ、ある種終末を語っているようだった。


 「へ、仕事はしっかりするのが肝でなァ。」


 「『アラハバキ』」


私はお嬢様の前に立ち、『アラハバキ』を最大限警戒する。きっとこれから戦闘になるだろう、しかし今の状態は明らかに部が悪すぎる。


 (なぜやつがここに。)


という疑問は正直浮かばない、というより浮かばせたく無い。余裕がないのだ、そんなこと考えられるほどの余裕が…


 「帰還の聖杯まで使ったのに、諦めが悪いんだね。」


お嬢様は『アラハバキ』を煽るようにそう言った。こちらには勝算があるという見せかけなのかはたまた相手からかぎりある情報を引き出そうとしているのか、


 「、まぁ一つ俺に逃げるという選択肢を使わせた全知の魔女様にはヒントを与えようじゃ無いか。」


そう言いながら『アラハバキ』は「一旦戦いをやめる。」を体現するように斧を地面に軽く置き、体から出る殺気を引っ込ませた。

私はその一連の動作がとても安心したものとは思えなかった。殺気を簡単に引っ込ませられるという事実はまるでコチラを「殺す気になったら殺せる」っと遠回しに表現しているようだったからだ。


 「普通は依頼主のことなんざ、話す気にもならないし気になる気にもならない。」


そこから始める『アラハバキ』の言葉は普通の一般男性が話しているような会話の初動だった。正直信じられない(アナタもう少しその、胡散臭い喋り方する人間でしょ)っとさっき感じた自分の感想とは相反する文章が一瞬で生まれた。


 「が、今回は特別だ。正直あんな奴見たことない、色んな依頼主を見てきたがその中でも一際大物、心の底から敵対したくないって思ったな。」


『アラハバキ』の言葉は嘘をついているように見えなかった。初めて会った時の妙にキャラを作っているような胡散臭さとは裏腹のれっきとした一人の殺人者的真面目さを持つ『アラハバキ』、今回は後者の顔がよく出ている。

狂気じみた顔の裏に感じた変な違和感と同じ、それを直感で感じた。


 「帰還の聖杯。アレもしかしなくても模造品?。」


お嬢様は『アラハバキ』に対して再度質問を呼びかける。『アラハバキ』は肩を同時に動かしてまるで知らないみたいな態度をわかりやすく示した後、


 「俺もお初にお目にかかるからわからないが、そうだな。依頼主ならもしかしなくても複製くらいできると思うぜ、」


 「─、そうなんだ。」


 「なんだ、あんまり驚かないのか、、?。」


 「さぁ、私もアレが模造品ってわからないから、?。」


お嬢様は『アラハバキ』相手に強気な言葉をかける。『アラハバキ』は口元がニヤけながら舌打ちをし、


 「なんだ、探れるくらい余裕なのかよ。」


っと言い、斧を片手で軽々しく持ち上げ、二、三回空振りをした。


 「お嬢様、」


私はお嬢様に問いかける、彼女も今の状況をよくわかっている、『アラハバキ』が斧を上げたということは何が始まるということを、、


 「、、早くて3分に一回くらい、。」


お嬢様は自分の手の平をグッパッ、グッパッして確かめるように言った。おそらく魔法を使える頻度のことだろう、先ほどの戦闘で魔力を酷使し過ぎたお嬢様はクールタイムというものが存在しているはずだ。

お嬢様が【自然界魔力】を行使した反動が完全に収まりきっていないということだろう、


お嬢様の心配をしている私もかなりボロボロだ、装備も肉体も、、。

本来なら戦闘は極力避けるのが普通だ。しかし現状そんなこと言っていられる状況ではない、、


 (本来なら医療ベットの上でもおかしくないのですが。)


愚痴を浮かべたところで変わりはない。

状況を見るに『アラハバキ』の動きも前より読みやすくなっている、──ハズ。


ならば今回の目的はただ一つ。


 「──お嬢様、撤退を目的にしましょう。」


私は『アラハバキ』を前に小声でお嬢様へ耳うちをする、お嬢様は『アラハバキ』から決して目を逸らさず私の言葉を受け止め。


 「だね、私も魔道具なんかでできる限り時間を稼ぐよ。」


と私に言った。魔道具ならスイッチ一つで魔法を行使することができる。今のお嬢様にとってはちょうどいいのかもしれない、しかし


 「いいんですか?、作るのも買うのもおそらく相当値が張るでしょう。」


そう高いのだ、魔道具は魔法だけではなくそれこそ魔術をも織り込むことができる、魔式再現道具だ。そんなものがそこらへんの市場に売っているわけもなく、魔道具職人や魔道具の仕入れ先を持っている人はこの【SAMONN】において絶対的な富を築ける。それこそお嬢様の財布の3分の1〜2を握っていてもおかしくはない、。お嬢様が仮に大丈夫だとしても私としては雲の上の話、少々心配になるものだ。


 (たとえそれが決死の戦いであっても)


私の目的はお嬢様を守ることだ、本人が聞いたらきっと激怒するが私を犠牲にすることだって考えられる方法の一つだ、、


 「このくらいならまた作ればいいから、それに。」


 「それに?。」


 「ウミもしっかり連れて帰るよ。」


お嬢様のその言葉を間に受けた私に正直自分を犠牲にするなどという考えは毛頭浮かばなくなった。なんならそれこそ失礼に値すると考えそのもの自体が一変した。


 「合図を出したら一気に離脱するよ、魔法はこっちで仕掛けとくから。」


お嬢様は一通り魔道具を懐に忍ばせた後、一つの瓶を手元に持ち、投げる前座のような構えをした。


 「はい、死力を尽くしていきます。」


 「無理しないでね。それに、もしかしたら──、」


お嬢様は言葉を詰まらせ、あさっての方向を見る。私はお嬢様の目線の先を見てみるが先には何もいない。ただ泡の膜をのぞいているような気がした、、


 「───そんなに時間はかからないと思うから。」


 「?、というと?。」


 「うぅん、なんでもない!、行こう。」


 「、、はい!!。」


私はこのお嬢様の言葉が一体何を示唆しているか考えなかった。いや考えている暇はこれから先なかった少なくとも『アラハバキ』との戦闘中にはちっとも考えなかった。


・・・


 [ボガァァァン!!!ボガァァン!!]


 「ちっ!しつこい!!。」


ネルは私の回避先を正しく読んでいるようで、コチラがいかにもイラつきそうな配置で爆発を仕掛けてくる。


 [ダダダダ!!]


 「むっだぁw」


 [キンキンキンキン!]


牽制に撃ったライフルもこの通り、ネルの不思議シールドもどきによってあっけなく防がれる。防戦一方ないし避戦一方、今の私はまるであいつの掌の上で踊らせれているマリオネットだ。


 「ねぇ、いい加減諦めたら?私には勝てないんだよ、お姉ちゃん??w。」


 「うっさい!!。アンタに私の何がわかる?!」


 「ほら、だってあの時だって、お姉ちゃんがしっかりしてなかったから───。」


また嫌な直感が頭をよぎる。、やめろ言うなその言葉を言ってみろ、私は本当の意味でお前を殺す、だから言うな言って見せるな私にその愚かしいお前の所業を、、



 「パパもママも死んだんじゃんww」


 「言うナァッッッッ────ッ!!」


私は溢れ出た怒りを前に、ネルに向かって突貫しだす。もはや己の身などほとんど考えていない、手に持っていたライフルを無駄だとわかっていてもネルに向かって殺意をむき出しながら掃射する。


 「ダサっ!w」


ネルは相も変わらず携帯端末を数回連打、その直後私の直感と感覚を伝ってくる爆発音と衝撃は、確実に私の外部装甲のいくつかを持っていった。


 しかし止まらず進み続け、奴の胸ぐらを突き刺せる距離まで詰め寄った。


 (ビームサーベル出力200%ッ!!)


バチバチと一つの器にはとても耐えきれないほどのエネルギー量を片手に私は余りあるスラスターを全て前面方向に回し、ネルのシールドを真っ向から突き刺す。


 [ヒュィィンバヒュュゥゥゥゥン!!!]


スラスターの追い風が私の体を一歩前に出し高出力サーベルは火花を散らしながらネルのシールドをゆっくりだが、少しずつ削っていく。

ネルの攻撃は爆発、この距離で攻撃しようものならサーベルに内蔵されたエネルギーパック、もしくは私のスラスターごと起爆剤となり、ある種の自爆ができる。


本来はこんな方法に頼るべきではないとわかっている、だが。


 (コイツを殺すのは今ここで!!)


すでにその時の私は自分の身すら案じてなかった。ただこの平気で人の命を奪う根っからの狂信者を殺す、ただそれだけが私の中にあり、私の苦しみを突き進む原動力だった。


 [バチバチバチ──ジィィィ!!]


シールドはキャパシティをついに超えたのか、それとも私の気迫に完全に押され切ったのかサーベルがついに鉄壁の防御に少しのあのを作った。


 「っ!!」


 「貫けぇぇぇ!!!!!!」


 [バチィィ!!バチバチバチブチイッ!!]


私は突き抜いたサーベルを大振りに上へ引き上げ、穴が空いたシールドを真正面から引き裂いた。引き裂かれたシールドは役目を終えたように消え、残ったのはただ驚きの顔を残したネルだけであった。


 (たとえゲームでも!!)


 「死ねェェ!!」


私は勝利を確信した。ネルの表情、シールドの消失、未だ続く高出力ビームサーベル、ネルとの距離、何もかもが確実に殺せる距離だった。私のこの終わらない気持ちにピリオドを打てそうな、そんな気持ちが溢れ返った瞬間だった。


 「フ───。」


コイツが笑うまではそうだったハズだ。



 [ジジ──、バチバチバチバチバチ!!!!]


 「ッ!!あぁぁァァァァァ?ぁアっっァーー!!!!」


私の体を知らない稲妻が走る。体全体の細胞をぐちゃぐちゃにして私の体を四方八方から引き裂きにきているような鋭さと、これが本当の肉体ならとっくに上半身が破裂してもおかしくないような、一切の恐怖と驚きとただただ叫びたくなるような痛みが、全身を襲った。


 [シュゥゥン────]


電気椅子、そう捉えても差し支えなかった。電流は私の中に潜みながら一旦落ち着く、、思わず心臓の部分に手をつけ、息を荒くしながら生きていることを確認する。


 「フフッ!アハハハハ!!」


そんな苦しさを前に私の悲鳴を聞いたネルは心の底から愉快な顔をして、空を見て大笑いをしていた。その時、私は理解した。


 (また、嵌められた。)


 「ッハァ〜!気持ちよかった──!!。」


まるで最高の快感を得たような心の底から恐怖心が勝るような顔をし、こちらに見せつけてくる。全身が痺れまともに動くことができなかった私はただ空っぽになった心と、ネルの狂信的な態度の前に手を地面につけ続けるしかなかった。


 「ッふ、。、、」


 [ガシっ!!]


私の顔に何か思いつきを感じたのか、ネルは私の頭部を思いっきり掴み。


 「ハ・ゼ・ロww。」


 [ピュィン───ボガァン!!!]


 「ッッッッ!ァァァアアアッ─────!!!」


私の頭部装甲丸ごと小爆発に飲み込み、焼き飛ばした。私からしたら脳みそを爆弾で爆発させられた気分だ、脳に入っている追加型インターフェイスが半壊どころか半溶解状態にされ、痛みと失われていく頭の機能を前に私はネルの前に痛みを曝け出した患者になるしかなかった。


地面に痛みを逃すように転がり、頭を必死に抑えて、悶え苦しむ。先ほどまであった怒りは全て恐怖に変わり、まるで『あの時』に戻ったかのようだった。


 「アハハッ!!やっぱりお姉ちゃんいい反応するぅ!!」


 「っ、ァァ。イ、ダァ─ィ!。」


言語機能が少しやられたのか、それとも一時的なオーバーフローなのか私の言葉は電子音が含んだ複製的な言葉に変わっていった。

正直自分が真に機械だという現実を押し付けられながら、この殺人鬼のおもちゃにされる未来が容易に浮かんだ。


 「フフー、さぁて次はぁ!!」


 「ァ、ァァ!!」


私はその場から少しでも逃げようとネルからあがいた、しかし無駄だった。私の肉体のほとんどは先ほどの電撃トラップによってショートしており、かろうじて動く部位も機械特有の気持ち悪い挙動をとりながら、ガチャガチャと砂嵐混じりの私の耳に聞こえるだけ、


 「左腕ェッ!!」


 [ボガァン!!]


 「ァァァァァアアアッ!!!」


動かなくなった左腕には確かに神経のようなものがあった。本来なら戦闘時にシャットダウンされるはずの痛覚無効化システムでさえ、この時は機能してなかった。

普段ならちぎれてもそのままくっつけられる程度の損傷が、まるで本当に腕を引きちぎらされ、腕の一部肉体の膨張によって、潰しとったような痛みが私の半壊した脳や、意識ある感情をまるで槍のように突き刺し、伝えてきた。


 「ヘェ!!オートマタはこんなのもあるんだ、きっもちワルゥ!」


 「ィ、ァッァァ」


再度私は生存本能を手に、ネルの前から動こうとした。少しずつ戻ってきた体の感覚に淡い希望を抱きながら、動かし彼女から少しでも距離を、


 「逃げないでね?。」


 [バチバチバチバチバチジジジィィィィ!!!]


 「ァァ!!アッ!ァアア!ッッ!!アアアアァァアアアアッッッ!!!」


 「フフ!アハハハ!ねぇ?!次は翼をもぎ取っていいよね、いいよね!!さっき死ぬほど鬱陶しかったもん!!」


 (やだ!!こないで!、)


私の思いは決して届かない、そんなことはわかり切っていた。私が彼女を否定したように彼女もまた私を否定することは当たり前であり、これは普通のことなのだ。


 [ボガァン!!]


 「ァァっ!ぁ、、ァァア!」


 「んー、こんなんで飛べるんだ?もう少し鳥っぽい感じかと思ってたのに、変なの。やっぱりいらないや、えーと、、。ま!適当にここら辺に、」


 [ガンッ!ガンッ!ガジャァバヂン!!]


 「ァーッ!!、ぁ、ああぁ!!」


翼をもぎ取られ、そして背中を裂かれ、翼だったものをねじ込まれる。一度失った翼はもう元には戻らないことの暗示なのか、それとも私の罪の制裁なのか。

どちらにせよ先ほどまでかろうじて人の形を保っていた私の背中はねじ込まれた翼によってバチバチと火花を散らしながら、逃げる体の足枷として私を邪魔した。


二回目の電撃が反転したのか思った以上に動けたはずの体は動くたびに翼だったものが背中からお腹の中にある腑を掻き混ぜ潰し、結果として最悪の気分と永続する痛みわの中で逃げることしかできない、地獄のようなものだった。

逃げても逃げても、痛みが襲っていき、自分のお腹がぐちゃぐちゃに引き裂かれ、もはや人間の形として体内が成立しているのかすら思えてくるほどだ、

 体内を駆け巡るはずの少量のオイルが内部の配線と混ざり合って血のような真っ赤な色へと変わり、自分の存在自体が頭を壊しかけてくる。


 「ネェ…、、ぁ。」


 「そうだ!、お姉ちゃん。オートマタの目玉ってどうなってるんだろうね?フフフ!」



その言葉を聞いた瞬間、これ以上の痛みを覚悟した。彼女がいかように私の目玉を取り出すのか考えるだけで吐き気が私を襲い続ける、オートマタに本来ないはずの唾液さえが配線とその他大勢の科学物質の融合によって擬似的に液体状の何かが作り出される。


私は口からそれを垂れ流しながら、考えた。









 (私は、間違ってたのかな?。)


恐怖心から?、懺悔から?、いいや、これは後悔からだ。私は今の今まで行動を振り返った、、特に人間関係。



暁。私が散々嫌い嫌い嫌いと言ってきた人間、仮に辛い過去を持っていたとしても私はあいつを許さないと思ってた、やっと嫌なことから解放された気分に浸っていた自分に初めて大きな障害として立ちはだかった貴方を私は真っ向から否定した。私のビギニングロードを初めて汚した値段は高くつかせてやる!っと私は彼のことに余計に執着するようになった、仮にそれが彼との勝負に勝てないという事実の証明を重ねるだけだとしても、、私はそれが決して無意義だったとは思わない。


ルカ。自称紅月の妹ってことを知るのはかなり後の話だった。私と彼女との出会いはまさしくのこの【SAMONN】の世界だった。現実でアイツに負けていたとしてもかなりの実力や技術を得ていた私にとって、この世界での開発はある種の楽しみの一つでもあった。

採掘者となって、鉱石を仕入れて、いつしか自分で小さな店を開き、オートマタ専門の店となった。自らそう臨んだわけじゃないけど、あの世界はとても充実してた、そしてそんな中オートマタとは無縁そうなSSランク冒険者が一人来た。


大きな魔女帽を被ったその小さい青髪の女の子は店の中を見て回った。そしてめぼしいものを一つだけ、取り出し私に


 「これはどうやって作ったの?」


っと聞いてきた。初めは適当に選んだ品を持ってきて作り方を教えてくれとずいぶん図々しい奴だなっと思っていた、でも魔女帽の下に隠れたその瞳にはまるで全てを見透かされているような気がして、私は思わず自分が作った品であっても持ってこられたそれをよく観察した。

結果それは私が作った中で我ながら最高傑作の品だった、特に大っぴらに飾ってあったわけではなく、適当にその辺のただただ平凡にできた品と並べていただけだ、。

そしてこの少女の目はまるでそれを狙ってきたかのような、色々端折るが相当特殊な客だと勘付いた。


なので私は本来気が向かない、他者への伝授というものを初めてやってみた。

少女の飲み込みは早く、なんなら私が考えていたものよりもさらに10、100も上のものを構想として編み出していた。

私はその少女をいたく気に入り、彼女が帰る際に「また来てくれ」と言った。


彼女はその言葉を聞いた途端、フレンド申請を送って、「またくるね。」という言葉だけ残して去っていった。

そして私はなぜ少女の見た目であれだけの目を持っていたのか、申請の裏に書かれたプロフィール画像で全てを察した。



ナミ。ルルカが次に店を訪れた時に連れてきたメイドの服装をした、、召使?。、ともかくメイドだった。(本人曰く、)

ルルカは相も変わらず店の中を見て周り、新しくできた品を興味津々に観察していた。


一方メイドさんはとても無口で注意の言葉はかけるが特に私に何かを気にしている様子なく、ただただ店の中を少しキョロキョロする程度だった。

ある種の不可侵条約的なやつかな?っと思い私もルルカの気が済むまで、私もルルカの話を適当にあしらって、メイドさんには一言も話しかけないつもりだった。


 「いいお店ですね。」


拍子抜けだ、どうやら勘違いをしていたのは私の方だったらしい。無口のメイドさんは私に一言そう言って、、まるで話の切り出しのような感じの声をしていた、

私は褒め慣れていなかったせいか、


 「どう、も。」


というすごく不慣れな感じに返してしまった。今考えてももう少しいい言葉あっただろっと思う。


 「お嬢様とお友達になってくださりありがとうございます。」


次にメイドさんの口から出たのはその言葉だった。間違いなくこの言葉であり何度思い出したって脳裏に確実に残っている。私が?あのSSランクと友達?。


 「そうですかね?、私はただのしがない採掘者なので。」


まるで貴族を相手にしているような非常にぎこちない態度で私は返した。いや本当にこの時の自分はコミュ障か?っと思うくらい話せなかったと思う。


 「お嬢様が、貴方様の作った品にとても興味を示しておられました。『お友達ができた!』とはしゃいでもいらっしゃいましたし、」


私はメイドさんが嘘を言っているようには見えなかった。彼女がいかにもいいそうな言葉であり、彼女のことをよく観察しているなっと同時にわかるほど、メイドさんは私からみてもある種完璧のような人だった、

そしてそんな人に私は少し憧れて、


 フレンド申請を送った。


ルルカがしたように彼女の帰り際に。こっそりと





 「─────。」


 「あーあついに壊れちゃったかな?。」


夢を見ているような気分だった、なぜ今更あの3人のことを思い出したんだろうっと、堕ちた心で考える。

そしてすぐに答えは見つかった、まるで全ての工程を修了したことを、記念するようにその言葉は出てきた。


 (私はもっと、頼ればよかったんだ。)


どこまでも人を信用しなかった、信用という単語を極度に嫌っていた、この人間が周りを信用していないように、私も周りを信用してなかった。


 (なんだ、私もこいつと同じじゃない。)


それがわかると吹っ切れる。まるで思い残すことがないような澄んだ心が私の中で広がっていく…。


 (でも、やらないと。)


どんなにふざけた形でも、私は昔から変わっていない部分がある、こいつがいなくてもいても決して変わらない絶対的な部分が。


 (…一発。)


残りの残量エネルギー的にビーム兵装を撃てる回数。いわばラストチャンス…

体のパーツはほとんど引きちぎられたが、ただ一つだけライフルケースだけは破損していなかった。私本体と離された少し先に場所にある、そこまで行けばっという感じだ…


 「ねぇぇえね!動いてよ!」


ネルが私の頭を潰す勢いで蹴ってくる。頭にガンガン響くと同時に私の彼女に対する熱は再燃する。


 (チャンスは一回だけ、こいつがバリアを張る前に撃ち抜く。)


メインカメラは片方もぎ取られた状態、でもできるスナイパーは片目でも殺すという。

私にできないはずがない、っという絶対的な信頼感を胸に秘める。


 (片腕は使える。、そしてもしネルが私を殺すなら)


 「──殺そっか。」


ネルは私の頭に再度手を置く、そして先ほど私の頭を半壊させた時のように、口を動かし始めめた。


 「ハ・ゼ・───」


 (ッ!そこ!!!!!!)


私は感じ取れる情報の全てを頭の中で想定して、ネルの腕から顔面の位置を割り出し、そして奇跡的に裏拳を顔面に直撃させた。


 「ウナッ!」


 「ッ!──」


私は動いた。かろうじて動く腕の力と、ちぎれていてもなお私の言葉に答える部品たちと共に、ライフルケースへと一直線に、


 (破損した貴金属での裏拳なら3秒は!)


顔面にクリーンヒットしたなら、目を使うのも下手したら難しくなる、急げ急げ、ネルが私を確実に狙う前に、、


そうして私は死力を尽くし地面を這った。ライフルケースとの距離が、あと少しあと少しと近くなるその時、


 「っ!死に損ないっ!!」


ネルの明らかに私の場所をわかっていった声が背後から聞こえた。でも今ここで止まるわけにはいかない、ネルが攻撃タイミングを出すまで2秒!、ライフルケースはもう手元。


 「とった────。」


そう思って最後の一絞りの手を前に出す、しかしそこにあるのはライフルケースとの少しの距離、私は一つ重要なことを見落としていた。

いくら目がいいスナイパーでも距離感を見失ってはならない。

なぜ人に、生物に、二つの目があるか、それは正しく距離を測るためにある。仮にそれが片目だけで撃つスナイパーライフルだとしても、やはり両目があって越したことはない、

もし両目があったなら、こんなミスはしなかっただろうから。


 「─。」


 「死ねっ!死ね死ね死ねっ!お姉ちゃん!!」


 「─ッ!。」


その時私は初めてネルの方向へ振り返った。最後のひとときだからアイツの顔でも拝んで死のうと考えたのか、それとも今ある現実を切実に受け止め、そして死のうと諦めていたのか?。


いや私の心に諦めの文字はまだ浮かんでいない、それこそ予想の範疇での話だ。

ではなぜ向いたのか?、


 (一際気になる、電気を肌で感じたから。)


 [───ガギィィィン!!!!]


 「っ!?」


私は見た。とても見覚えがあってまるで何十日も前のことのように感じるその槍を、、四枚のプレートの表面はオレンジ色に熱されており、どんな速度で投げたのかは知らないが一撃でネルのシールドにヒビを入れた。


 そして、


 [ジィ──バゴォォォォッッッッン!!]


ネルのシールドは一つの鋼鉄の槍の電磁砲レールガンよって跡形もなく崩れ去ったのだ。

ネルはただ驚いた表情のまま変わらない、私ももちろんこの状況に驚いている、だが。


その前に言葉が飛んできた──


 「行けっ!レナぁ!!!!!!!」


 「っ!!」

足りなかったもう一踏ん張りを入れて私はライフルケースを、手にする。

間違えのないように頭の中で考えてある通りにライフルケースの箱を開けライフルに標準装備されてあるコードを剥き出しだったコアに無理やり突き刺し、激痛を走らせる。


 「ッ!ァ。」


また悲鳴が上がりそうだった、でもそれを歯を食いしばることで必死に我慢し私は存在する肩にライフルを乗せ、ネルに標準構える。


 「っ!お姉ちゃァァァァん!」


ネルもこちらに気づいていた。携帯端末をすぐさまこちらに向け、今にもボタンを押しそうな時だった。


 [ピピッ!。]


もっとも押していれば危なかったのだが。

それより先に私のロックオン画面がネル、貴方を捉えていた。


 「あぁーーーーッ!!」


 [バァァン───!!]


私の一撃はネルのタップより早く、彼女の重要な部分を撃ち抜いた。


 [パァン!───カタン。]


彼女の携帯端末を…。


 「ッ!紅月ぃ─────!!!」


 「っ!!その前に死ねぇ!!。」


ネルは足に付けてあったナイフを素早く取り出し、こちらに殺意をむき出したまま襲いかかってきた。私と彼女の近さが縮まろうとした時。


 [ガギィン!]


一人の機人が目の前に立ち、シールドで彼女の刃に合わせるように私への攻撃をガードした。


 「っ!!」


 「吹っ飛べッッッッ!!!」


 [ジィィ─ バゴォォォォッッッッン!!!]


目の前を爆発色で染め上げるその機人はネルを遠く彼方へ吹っ飛ばした。彼女には自分を守る最強クラスの盾も目には見えない不可視の攻撃も、もはや持ち合わせていないのだから…


 「───ぁ。」


私は全ての気が抜けたように、もしくは電源が落ちように、、意識が飛びかけた。

だが頭が地面に当たる直前、私の首をそっと支える手が置かれていることに気がつき、ゆっくりと目を開けた。


 「レナ、大丈夫か?。」


そこにいるのは紅月だった。紅月、あの紅月だ。見た目は少し変わったのかもだけどぼやけてあんまり見えない、でもわかる紅月だ。


 (あぁ、)


安心した。もしかしたらもしかしたらと淡い気持ちを胸にしてよかったと心から思った。

こいつがまだ生きていると最後まで信じていたのかもしれない、いや正確には信じた。

私はネルと違う道を歩む、ならアンタのことも信じないといけない。


でも、そんな急には無理だから消える意識の前にこう告げる。


 「遅いじゃない。バカぁ。」


私は紅月を見て心の底からホッとした。それはついに私の痛みや苦労は報われたという救いに対する心ではなく。

紅月が生きていた紅月が私を救ってくれたという事実に嬉しかった、誰も信用していないと思っていた私でも、どうやら誰かに信頼されたいと思っていたらしい。


 そのことがわかると一気に意識が暗転する。私は私の役目を果たした。



 あとは、、紅月の番だ。



『ステータス』 


        紅月(水陸両用型装備)−リペアード

 

   種族 オートマタ


  [HP]90000(体力)

  [E]160000(小型エネルギーパック)

  [A]30000(障壁耐久値)


[STR]10000(駆動力)

[VIT]30000(対海仕様+装甲)

[AGI]250(通常歩行) 

[LUK] 105(運)      

[DEX]7500(器用さ)

 

  [スキル]           [称号]

・魔力放衣           ・無限のエネルギー

                ・第二公式大会優勝

                ・鉄血の死神

                ・受け継ぎ

                ・イレギュラー

                

               

 [身体構造(内)] 

 

 [頭]パララス(修)  [胴体] パララス(改)


 [左腕]イーズ(改) [右腕]アズズ 


 [左脚]イーズ(改) [右脚]イーズ(改) 


 [身体]ケイレイム(改) [内部]ケイレイム(改) 


 [劣化部位] 全駆動系に30%の金属劣化 

 [修復部位] 主に頭部左目

 結果 行動可能レベル


  コア:ガジュラスメナス-マイナス




 [身体構造(外)]

 

 [頭]アンチグラス(修) [胴体]アンチグラス(改) 


 [左腕]アンチグラス(改)[右腕]プレイクト 


 [左脚]アンチグラス(改)[右脚]アンチグラス(改) 


 表面状態 対水圧特殊障壁(高出力展開)  



 [装備]


 ・追加装甲(海)

【詳細】紅月がエズから渡された予備装備をもとに環境下の行動を十分にするために改修もとい改造を施した装甲、装甲劣化が発生している状態でも十分なポテンシャルを発揮することはできるが、防御性能は低下しているため、被弾によっては通常よりも早くレッドラインに到達することがある。



 ・レールクローガン(改)

【詳細】四本の四角いプレートが合わさり発射口になっているのが特徴的な槍。電磁砲を発射することが可能で遠距離にも攻撃対応可能な兵装、近距離ではプレートにヒート加工がされてありエネルギーを流し込むと発熱、高い貫通性、打撃性を誇る。ちなみにプレートの素材はロスアダマンタイトとという上位の素材を使用している。

紅月が独自の改造を施したことによってプレート部位に追加装甲と高出力の放電システムが設けられた。



 ・小型シールド(L)

【詳細】左腕部に装着された小型シールド。先端にはクローアンカーが装着されてあり、水陸において高い汎用性を持つとともにワイヤー部位に電磁効果をもたせ鞭としても使えなくない。(本来は拘束用として使う)

高度な水圧にも耐えられる仕様になっているため、水中で性能を落とすことはない。

追加装甲によって防御範囲が広くなり、レーザーコンバットナイフの充電システムが上昇している。


 

 ・レーザーコンバットナイフ(改)

【詳細】シールドに格納されてあるレーザー式のコンバットナイフ。ビーム兵装と違い、魔力の攻撃性を浴びていないため魔法に対する汎用性に欠けるが、その分物理に対して無類の貫通性を誇り、水中で使用が不可能なビーム兵装と違い水中でも十分なポテンシャルを発揮できる。

十分な充電システムが確立されたことによって長時間の刃形成や、出力調整、刃形成時の安定化も可能になった。


 ・増加水中用スラスター

追加装甲の内側に隠された小型スラスター咄嗟の方向転換にも使え、追加装甲の重量増加も軽減しているため小型でありながらかなりエネルギーを消費する。


 ・フレキシブルメインプレート

【詳細】装備者の全面を覆う様に展開される特殊装甲の一種、変形可能な特性を持っているにも関わらず強度は追加装甲の1.5倍を誇る破格級の装備、内側に小型スラスターと分離合体型のライフル(マガジンも搭載)を搭載しており、本装備の弱点である遠距離での戦闘を対策した形が取られている。

プレートは基本近距離の時に邪魔になるが、前述した通り可変することで面積を少なくしつつ自身の駆動の邪魔にもならない様になっている。


 ・分離合体型ライフル

【詳細】フレキシブルメインプレートの裏に搭載されてあるライフル、プレート裏についている部品を組み立てることによって最大二つのライフルにできる。

長距離単発型のライフルと短距離連射型のライフルの二つに分かれるが、合体することによって、長距離狙撃型ライフルとも使える。


 ・ダンクルオステウス

【詳細】損失した右腕の代わりに取り付けられた大型アーム。蛇の骨の様な腕に、手にあたる部分には魚類系の口の様な造形になっており、本当に予備パーツで作れたのか怪しいほどである。

伸縮可能な形をとっており、思ったよりよく伸びるため不意をつくことができる。

また、腕に使われている駆動系はかなり高性能なものであり、大型であるのにも関わらずスラスターを吹かしながら自由自在に動くことができるほどパワーが高い。


右腕のゲテモノ感と左腕の人間感は異質に見えつつどこか人間味がある。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ