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【7章開幕】“VR MMO RPGってなに?”〜ほのぼの理想を目指してプレイしていたら『死神』扱いされた?!〜  作者: ハンブンシタイ
1章 プラモ好きが妹と始める最初の町編 初級
7/161

七話「ビームライフルを作ろう。もちろん試し打ちも。」

前回のあらすじ


 現在紅月はルルカがいつも個人で使っている工房を貸してもらい、オートマタの心臓であるコアを永久コアに強化しました。これによりオートマタのコアエネルギーを他のに大幅に回せることができるようになりました。わかりやすくいうと

例 ノーマルコア→腕がしか動かない 永久コア→体がめっちゃ動く

と言った感じです。(壊れアイテムではありません)そして紅月のアイディアで魔鉱石という魔力を含んだ鉱石をコアからのエネルギーで分解し、ビーム状にした「EM弾」というものを理論的に開発した。そして今回はルルカの協力のもと、ビームライフルを作っていこうという回です。これでも理解が難しい方なので、前回をいっそのこと読んでしまった方が楽です。




 ──東京技術化学工業自由研究大学・食堂──




 「若葉先輩っ!あの……これ!」


一人の女子学生が綺麗なリボン付きの包み箱を俺に送ってきた。口に含んでいた水を飲み込み、後輩の箱をゆっくりと受け取る。


 「ありがとう、これ中身は………」


 「失礼します──!!」


俺が箱の中身を聞こうとしたら女子学生は奥にいる友達らしき輪の中へ戻っていった。そして何かの話題で盛り上がっているのが確認できる。


 「お前本当にモテるよなぁ〜。」


 「?、そうか?。」


俺は目の前にあった生姜焼きの豚肉と玉ねぎを箸でつまみ、ご飯と一緒口の中に入れる。

やはり学食の生姜焼きはいつ食べても美味しい、特にいいのが玉ねぎの量が多いことだ。俺はこういう系の玉ねぎが好きだ。


 「そうかって、。お前、今日プレゼント幾つもらったよ?」


 「1(ひい)2(ふぅ)3(みぃ)………全部で5くらいか?」


 「まだ午前中だってのによくもらうよ、。ハァ〜、俺も牛丼食べよ。」


鷹橋は自分の盆にある大盛の牛丼を箸で大きく取り口に放り込む。


 「んー、うまい…!!」


 「ここの学食のうまいよなぁ、こだわりを感じる。」


俺たちは目の前にある学食を食べていった。



[学食紹介]

暁が食べているのは学食の中で原価割れとも名高い『生姜焼き』、鷹橋が食べているのは盛り付ける量を間違えたんじゃないかと言われる「ノーマル牛丼」二人の学食は基本、ほぼ毎日これである、しかし本人達曰く飽きないらしい。

俺は口の中いっぱいにご飯と生姜焼きを一緒に入れておいしさを噛み締めながら食べる。これが1番だと彼は思っている。


鷹橋は牛丼をごっちゃごちゃにして食べるのがあまり良く思わないらしく、そのままの状態を出来るだけ崩さないように食べている。一口は小さいが速度がある。鷹橋はこれを自身の英才教育の一環で身についてしまっていると思っているらしい(英才教育で身につかないと思うが)




 『ご馳走様!。』


 「あぁ〜、美味かった」


 「いや、どういうこっちゃ。、で、話の続きは?」


 「あぁ、それで塗装の時に少し失敗しちゃったわけよ。」


俺は食べ終わった、盆を両手で持ち。返却だなの方へ運んでいく、鷹橋も後から続く。


 「いや、なんの話だよ俺が聞きたいのはルカお嬢様とのゲームの続きの話よ。」


 「あぁ、そっちか。」


 「ソッチって──続きはよ。」


 「それでそこからビーライ(ビームライフルの略)作ることになった訳よ、」




 ──話は少し遡り。【SAMONN】──




 「良し、ルルカくん。今からビームライフルを作っていこうと思う、準備はいいかね?」


 「はい!おにぃ……・先生!」

ルルカは右手を上げて元気よく言った。


 「良し、ではイカれた材料を紹介する!

・魔鉱石の結晶、(ルルカ曰く徒歩10分で200個集まるらしい)

・上位魔鉱石の結晶(ルルカ曰く徒歩10分で100個集まるらしい)

・ライフル(型)

・結界用の石(オートマタは魔法が使えない。そのため※魔法石※を使う今回は結界verの通称結界石)

・エネルギー(コア)

※その名の通り魔法を封じ込めた石

                    以上だ!」


 「これでお兄ちゃんが言ってたビームライフルが作れるの?」


 「わからん!でも机上の空論では成功するはずだ。まずは制作!

1 結界石をビームライフルの発射口付近に付ける。これにより『EM弾』が銃内で暴発して俺に風穴が開くのを防げる、

2 その他諸々の配線やら、なんやらを付ける。安全装置、ロックオンシステム、予備の小型コア。(万が一、外付け配線での接続が切れた時の対策)エネルギー圧縮装置、。

3 プラモデルを組み立てるみたいにくっつける(分解、組み立てが楽なようにプラモデルの凸凹のようなものをつけた。)

4 ビームライフルの配線口に自身の配線を付ける。

5 外で試し撃ち!」

※ここまでの作業工程(素材作り、集め、等)で5時間以上。


 「もう、私途中からわからないよぉ〜。」


 (特に圧縮装置が難しかったからなぁ〜。でも、歯車とかのレシピがあったりとかしてて本当によかった、久しぶりに大学生したって気分だ。にしても関連レシピがなかったらもっと時間が掛かってた、それに結晶石の形を整えるのも辛かった。ピンポイントで銃の中だけに結界を展開させるの大変だなぁ〜、これを次から一人や、ルルカと一緒にやったってやっぱり限度がある。やっぱ、現実からメカニックくらい持ってくるか……。最悪金で…・。ルカに聞いてみるか。)


 「なぁ、ルルカ頼み事ばかりでスマナイんだが、このゲームで俺と波長が合いそうなのプレイヤーっていないか?」


 「う〜ん…あ!一人いた!!」


 「いるんだ!?」


意外だな…。でもオートマタを選択したやつの中にも俺みたいな考えで選択する奴もいるかもしれないし、なくわないか…。いやRPGやんのにそれはないか…。

※ルルカからRPGがどんなものか教えられた↑


 「お兄様ほどじゃないけど、改造が好きな子がいたよ。プラモデラーって言ってたよ。」


 「マジか…協力を求められないかなぁ〜(俺と同じタイプだといいな、にしてもプロモデラーでこういう系多いのかな?)」


俺はあえて残念そうに言った。さて、これでルルカが動いてくれればいいんだけど…。


 「!。私に任せて!必ずお兄様の役に立ってみせるよ!!」


ルルカは、自信満々に言った。やった自分が言うのもなんだが、このルルカのチョロさというかなんというか…・。不安だ。


 「すまないなぁ、ルルカ。お詫びに試作品の試し打ちを見てくれないか?」


 「お兄ちゃん気にしないで。私が勝手にやってるんだから。それに兄妹なんだから。」


 「。そうだったな(兄妹か……)」


俺はルルカに落ち着いた笑顔を見せた、ルルカもそれに応じるように満面の笑みを俺に見せた。…いつか、この笑みでトラウマも消えるのだろうか。俺の脳裏には一瞬だがこの考えがあったしかし心はそれを拒む、消したい記憶のジレンマ、一体いつまで付き纏うのだろうか。一生かもしれない。なんなら来世…間で付き纏うかもしれない。っとそんなくだらない妄想をしながら、俺はルルカと共に街外の人気のないエリアに移動した。道中の敵はルルカが処理してくれた。本当に頼もしい妹だ。


 「お兄様、ここなら自由に試し打ちができると思うよ。私も新作魔法を試し打ちするときに使ってるし。」


 「そうかありがとうなルルカ。さて準備をするか」

俺は試作ライフルをアイテム欄から取り出して。点検、準備をする。


 「……」

ルルカはじっと俺の作業を見ている背中越しにも視線が伝わってくる。


 「どうしたルルカ?。」


 「ねぇ、お兄ちゃんはルルカのこと嫌い?」


 「え?」

俺はルルカの思いもよらない発言に反射的に振り向いただけではなく、脳も同時にフリーズした。


 「……兄ちゃんはルルカのこと信用してないの。?」


 「俺がいつそんなこと…」


 「じゃあ話してよ!お兄ちゃん今日ずっと変だもん!!私が気づかないと思った?!」


 「…………(えっ!?気づいたのか?!、、とは言えない雰囲気だな)」

俺はあえて黙り顔を背けた。もちろん言いたくないからだ、特にルルカ…ルカには。


 「…。話したくないなら、話したくないって言ってよ…どうして黙るの!?」


 「思い出したくないからだ。だから…話したくない。わかってくれ。」


俺はルルカに背を向けて、作業を再開した。


 「いつか……・。いつか、話してくれる。」


 「……。いつか、な。」

いつか…・か。あいつにもそう言って結局話せないまま終わったな。


 「もー、。わかった。いつか話してくれるなら。」


 「すまないな。」

そこからはお互い黙りながらの作業だった。




 ──数分後──




 「良し!準備完了!どこの的がいいかなルルカ?」


 「うーん、あそこのちょうどいい岩とかは?」

ルルカは近くにあった岩に指を指して俺に言った。


 「あれか…。オッケ、」

俺は銃口をルルカが指していた岩に向けた。


 [キィィィン!!]


体からライフルへ繋がれている配線が電子色に光り出した。


 「お、おぉ!!こいつ、動くぞ!!」


 「え!?動かないかと思っていたの?」


 「いや実際、動くかどうかも怪しい仮説だったからさ、。っと身構えないと」

俺は再度岩の方を向き引き金を引く


 「撃ちます!!(さてまずは魔鉱石で試し打ちだ。まぁ大した威力にはならn)」


 [ピュウゥゥゥン……フィ、ドカァーーーーーーン!!!!!!!!]


とんでもない爆風と爆音が体に伝わる。周りにある木が今にも吹き飛ばされそうなくらおかしな方向に向いている。5〜6秒後俺は治った状況を確認しようと岩があった場所に向かう。しかしそこにあったのは高熱を発する跡地だけだった。


 「うっっっっっわ、。(クレーターというか、なんかドロドロ溶けてる。)」

岩があった場所の周りは溶解したように削れている。すぐ近くにあった木などは全て葉の部分が消し飛び、幹と根のみになっていた。


 「お兄様!!配線を外して!!」

後ろからルルカの声が聞こえた。ビームライフルを確認するとジッジ!!と電気オンのような音を立てていた俺は、すぐさま状況を理解し、ビームライフルと俺に繋がっている配線を外し、ビームライフルを空中に放り投げた。


 [ドーーーン!!]


不恰好であったが、俺が労力を注ぎ込んだビームライフルは爆発四散した。


 「マジか…。」


 「す、すごい威力…。」


俺たちはその後、爆音を聞きつけた他のプレイヤーが来る前に退散した。


『ルルカの工房』


 「…・・、。なあぁ、あれって威力おかしくない?いや!おかしいよね!?」

俺はルルカが入れてくれたお茶を震える手で飲みながら言った。


 「う、うん。」


 「しかも!使った弾は魔鉱石の結晶!!ルルカが言っていた結晶クラスの中で最低ランクの素材で作った弾だぞ!?もうなんか!ビームマグナム打ったかと思ったぞ?!しかもライフルはもれなく耐えられなかったし!?…・・はあぁぁ〜。やっぱ学生の技術力には限界かぁ?」


 「う〜ん、お兄ちゃん。こうなったら手探りでやるしかないよ!!私も全面的にサポートするから!それに、一度やり始めたことから逃げるなんてお兄ちゃんらしくないよ!」


 「…。それもそうだな。、俺らしくなかった。ありがとなルルカ。」

俺はルルカの頭を撫でた。ルルカは何も言わず「えへへ」と言い嬉しそうな顔をした。にしてもどうするか、ビームライフルが耐えられないとか洒落にならんからなぁ〜ここら辺はルルカと要相談って感じだな。それと装甲の件。ありゃもうちょっと強化した方が良さそうかなビームライフルが万が一暴発または爆発して俺が巻き込まれたら全身ビームの風穴が開くことになる。それと…。ビームライフルが完成したらビームサーベルも…っと考えていた時期が俺にもありましったって感じだ。ビーム技術が安定しない以上作るのはやめておくか…。そしてスラスター技術…これは最低限完成させないとな、重装甲にした時ただのカカシになりかねん。今日はやめとくか…。


 「ルルカ、今日はもう休んでいいか?。ゲームなのになんかとてつもなく疲れた感じが。」


 「私ももう限界だよぉ〜」

ルルカは机に上半身をベターっとつけ、とても疲れているようだ。


 「続きはまた今度に。」


 「サンセー」

その後俺は家に帰り、設計図作りと、プラモデル作りに勤しんだ。どちらの時間が長かったかは一目瞭然プラモデルだ。今日は3体作ることができた、普通の人からしたら物理的に不可能と言うに違いないだろう。だが約1日プラモに触れていないとおかしなテンションで作ってしまうことがあり、いつもより3倍早く組み上げから塗装まで済ました。少しの時間も有効活用しようと設計図も着々と書いている、もちろんアニメを見ながらで、。そして食事は簡易的なもので済ました、いつもの俺ならば食はこだわる方だがその日の俺は正直言ってちょっといい意味でイかれていた。帰ったら当然休むつもりでいた、だが俺のプラモへの欲求は止められない。そしてその勢いで設計図もすごい速さで仕上げていく。次の日は休もう、そう頭の中にあったが、俺は思い出した。次の日は学校だ…。っと。


 [キーンコーーンカーーンコーーン]


 「っと話していたら。もうすぐ授業か…・・正直俺が参加する意味ほとんどないと思うけど、単位取らないと。」


 「お前よく起きていられるよなぁ〜、本当に化け物スペックだと思う」

俺たちは座っていたベンチを立ち上がり荷物を取りにロッカーに向かう。


 「人を軽々荷物のように運べる方が十分化け物だと俺は思うけどな…。」


 「なんだとぉ〜、。」

その後も俺と鷹橋は楽しく会話を続け、講義に参加する。周りの生徒はバカ真面目に来ている中、俺は設計図を書いていた。ちなみに鷹橋は寝ていた。

こう考えると、俺は人生を楽しんでいると実感する。当たり前が一番、俺は少なくともそう感じている。さて、今日も帰ったらプラモ作り、and。設計図作り!次ルカに会ったときに確実に驚かせてやる!。そんなこんなであっけなく一週間は終わっていく。

『topic』


【SAMON】の中には紅月以外にも機械好きがいるらしい。


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