三十六話「地底遺跡《1》」
前回のあらすじ
レナと喧嘩してエズがブチギレて、遺跡へサッサと行くように催促された。
──ゲレームMk ~Ⅱ・エレベーター側入り口付近──
「それじゃぁエズ様がおっしゃっていた通り、遺跡ダンジョンに向かいましょう。」
スタッフさんはそう言うと俺たちを案内し出した。装備の製作とテストによる模擬戦、その繰り返しだった毎日のせいか、もしくはしばらくこのコロニー内を見回っていなかったからか、俺は少し変わっていた風景に驚いた。
「なんかまた変わってないか?ここ。」
具体的に言うと前は低い建物が多かった気がするが今は結構高い建物が多くなったりしている。少し変わったと言うよりかは見違えるほど変わっている、いや本当に。また何があったと問いたい気分になってくる、しかしそこは超技術ということで割り切る。
「実は生産力を上げるためにエズ様が増設してくれたんですよ。おかげで少しは楽になりましたかね。」
ホッと肩を叩きながらスタッフさんは語ってくれる。、、本当にエズはお疲れさんだったんだなぁ〜と俺は思う。帰ってきた時には土産話の一つでも、、
[バコーンーーーーッッッ!!!!!!]
呑気にそう思っていると後方から爆発!!、俺たちは振り返り場所を確認する。見た感じさっき俺たちがいた場所、まさかテロか?!。
「あわわわわ。」
ルルカは爆発にびっくりして固まっている、ウミさんも理解しているようで驚きで体が動かないようだ、レナは知らん!。いてもたってもいられなった俺は、バイザーをおろし戦闘体制で向かおうとする。
「あ!待ってください。大丈夫です!!。」
スタッフさんは俺にそう呼びかける、俺は混乱する頭の中でスタッフさんの声で体が止まる。「大丈夫何がだ?!、あそこはさっき俺たちがいたところ、何が何だかわからないがすこしでも止まっていたらルルカが爆発に巻き込まれるところだったんだぞ」っと言いたい気持ちになったが堪えた、今このなんの罪もないスタッフさんに言っても解決する内容ではないと思ったからだ。
「あれ、エズ様がいつもなさっていることなので。」
あははっと苦笑いながらスタッフさんはそう言う。
………え?
「エズ様は怒ると周りに当たる癖があって、前もあんな感じに建物を爆発させてたんですよ。私も最初は驚いていたんですが、、もう慣れてしまって。。」
え、えェェ。初耳だし驚きだし疲れたし…そう俺が思っている中でも後ろで爆発は続いていた。
あれ?、エズの怒りって自然災害みたいなものなのか?。
「それって慣れていいものなの?。」
レナがスタッフさんになんとも言えない声を出しながら言う。
「、、自然災害…みたいなものなので。」
「上司に対して失礼すぎでしょ、、。」
レナのツッコミはスタッフさんに刺さる。それに対してスタッフさんは申し訳なさそうにする。
そしてこれに対して俺が思ったことは一つ、
「世界って広いなぁ〜」
俺は口に出してそう言う、もはや多くのことは語るまい、というか語れない、、。
そうしてエズの新たな性質を理解し、俺たち懐かしのエレベーターへ。確かここから降りてきたんだったよなぁ、っと、、あの時の驚きは俺のオートマタ生で一番感動した時だと思う。してなぜここに?っとまた思う。
「ここからはエレベーターで降りて行きます。」
あ、そういうこと。確かエズが鉱山からパイプラインを引いているとすごく前に言っていた気がする。だからかはわからないがエレベーターの周りには大型のパイプや、管が繋がれていて、初めてここにきた時と別物に見えてしまう。
(視点でこうも変わるものか、、)
外に出ること自体はあったものの、こことは別のエレベーターを使用して城下町へと赴いていたので、本当に久しぶりに見るこの《最初》のエレベーターがいかに変わっていたか。
そんなことを考えているとどうやらエレベーターが上から来たようで、扉が開く。俺たちはゾロゾロと中に入っていき、最後はスタッフさんがエレベーターのボタンを押し下に下がっていく。
「下へまいりまーす。」
元気がいい声でそういうスタッフ、案内人が一番ワクワクしているんじゃないだろうか、、そして毎度のこと、このエレベータ技術には驚かされる。
エレベーター内部を照らす灯り、外は真っ暗闇で何も確認できる。エレベーター階数を表示するパネルは《G11〜》となっており数字のところが変わって行っている、このGがなんの略なのかは俺にはわからないがなんとなく地下系統なのがわかる、それだけだが…、。遺跡、、最近見つかったということは結構深くなのだろうか。
そんなわかりきった憶測をしていると、、
「お兄様!!」
ガラス窓に張り付いて変化を待ち望んでいたルルカが声を上げる。俺はそれに反応してルルカの方を見ていると、
「おー!、」
そのガラス窓の外には大空洞が広がっていた。そこは地下世界と呼ぶに等しいくらい暗く、神秘的だった。
遠目からでもわかる地面の光をよく見るとそれは無数にある工業機器と石達の光だった。
青く光る石もあればオレンジ色に光る石もある。
多くの工業機器が地を支えているが如く聳え立っており、工業地になるようでならない自然がそこには多くあった。
「圧巻ですね。」
ウミさんがルルカと同じようにガラス窓に手を置き幻想的な光景に言葉を漏らす。
鉱山の見た目は渦型、周りからを削られていくにつれ深くなっていく、、渦の中心にはポッカリと小さい穴が空いていて、かなりの距離があるはずだが穴のからは青白い光が出ていいるのがわかる。
(あそこが目的地なのか?)
そう思っていると、ガコンっと大きな音がしインターホンのような音が一室に鳴る。どうやらここからは徒歩らしい、、
──ゲレーム・地下採掘場──
「ここからはお手数ですが、徒歩になります。ですが安心してください!、ここには退屈するものなんてありませんよー!。」
スタッフさんの言葉を聞きながら俺達はエレベーターを出る、彼女の言う通り俺達が見る初めての光景に退屈という文字はなかった。
大きいガラスのパイプラインに乗せられた多くの鉱石が天高く登っていく光景、鉱山にきているのになぜかテーマパークのような感じがしてならない詰まるところワクワクだ。
「意外と明るいのですね。」
ウミさんが周りをキョロキョロしながら呟く。
確かに近づいたら結構くらいと思っていた場所は遠目で見ていた時と同様でそこそこ明るく、俺たちが互いに余裕で認識できるレベル。
地面をよくよく観察していると光る粒のようなものがある。もう少し近づいてみよう、と俺はかがんで確認する。
「それらは夜光鉱石の破片ですね。夜光鉱石は暗いと光る性質を持っているためこうして適当に地面に撒けば、あら不思議、幻想的な道の完成です。」
俺の行動に気がついたのか、わざわざご丁寧に説明してくれるスタッフさん…なかなかユーモアあるな、。
それと関係なく、俺はなるほどと言いながら立ち上がり周りを改めて確認する。
ここにある光っているヤツ全てをばら撒くにはそれなりに時間がかかっただろうに、
「夜光鉱石は安い、柔らかい、多いのいいとこ取りのような物なので、皆さんが恐らく思っているような事は起きないかと。」
俺の心境の先を読むように言うスタッフさん、
「ニュー○イプか、、?!」
あまりの察しの良さに思わず言葉が漏れた。いや本当に…
「ここに初めてくる方は同じ質問するので…」
っと思ったがただの苦労人らしい、いや苦労人なのか?(エレベータのところ見ると楽しそうだが、、。)というかこの人が毎度のこと案内を務めさせてもらっているのかな?。そう俺が考えていると、
「それで、遺跡はどこにあるのかしら?。」
レナが口を開きそう言う、言い方はきつい感じになっていたかもしれないが、堅物女の性格のことを鑑みると平常運転、しかしやっぱり他人ウケしないからか,耐性のないスタッフさんは焦る様子を見せながら案内に戻ってくれた。
「…、やっぱり私は──。」
レナが落ち込んだ様子で小言を言おうとしたが口を閉じた。
……
「あ〜、お前の声は確かに他人ウケしないな。」
余計なお世話かもしれない、俺たちは本来啀み合う間柄だ、だが、だからと言って助けない理由はない。
そう思い、つい口が動いてしまった。
「、、アンタに聞かれたのが運の尽きね。」
ハァ〜っとため息を吐くとレナは俺にヘイトを向ける、その心はまるで面倒臭い奴がまた揚げ足取りに来たから追い払おうとする様そのもの。
ムカつくが、話を続けてやろう。
「そんなに酷く言わなくたっていいだろ、やっぱり堅物だな、お前は。」
俺はバカっぽい煽りスキルを披露しながらレナに言う、しかしながら練度が足りてないせいかうまい言い回しができなくて本格的にバカになりそうだ。
「、何が言いたいのよ。」
、やっと本音が出たな堅物女。
「、そんなに気張らない方がいいってことだ。他人のために自分を変えようとするのはお前みたいなヤツには勿体無い。」
プラモの腕前含めて、レナ自身はかなりの人格者だ…、。
一瞬フラッシュバックする、事故。−
そういう奴が変わるとか無くなるとか嫌な話だ。
多分今の、この俺から考えられない意外行動はそこからきていると思う。
「…相変わらず変なやつね。」
レナは少し笑いながら俺を前を見ながら言う、立ち直ったかな?。
「そうさ、なんせ若葉暁だからな。」
世間からプラモバカと言われ、友人からはシスコンと言われ、。面倒臭い人生経験と人格者、それが俺だ。ま、多分というかほとんど親の教育のせいだと思うが…。。。
そしてそんな自虐をしていたらどうやら目的の場所についてきたらしい。
──ゲレーム地下採掘場・遺跡──
石レンガの壁や床が見えてくる。岩石が元々の構造物に埋め込まれたような不規則な形状、発見というかそれはまるで発掘が正しい。元々あった建造物に石や土が覆い被さり長年の月日が経ち、一体化…原型をとどめていないものもあれば中にはまだ作りがしっかりしたものもある。
自然(岩石)と一体化したその遺跡は独特な雰囲気を出し,訪れたものを惹きつけ、覚悟させる、神秘的な反面、恐ろしさが出ている。
好奇心が湧くことに変わりはないが慎重になってしまう、そんなアンバランスな雰囲気だ。
石レンガの床から自分たちの足跡が聞こえてくる。カンカンっと聞こえてくるものがあればコツコツ、トントンっといろんな音だ、
「見た目はザッ遺跡みたいな感じですね。」
ウミさんが口を開きそう一言、
俺としてはそのザ・遺跡という概念が理解し難いためわからないが心ではわかる。わかってしまう。
「ここはまだ調査中のところがあるんですけど、中を探索しようにもダンジョン化しており、こっちではどうにもこうにも,ですからエズ様は信頼できるあなた方を行かせることにしたのだと思います。」
なるほど、っと納得してしまうがそれは裏を返せばゲレームは戦闘戦力自体がかなり低いことの裏付けになってしまう、それはあの地下コロニーの技術流出をしていないからか,はたまたあの技術でも発展途上なのか、考えるのは自由だ。まぁだとしても、任された仕事はしっかりやらないとな。
「じゃあここからは、この遺跡ダンジョンに潜って中を殲滅すればいいってことですね。」
「はい!、攻略状態に入れば我々調査班も中に潜れますから。」
…なぜ潜る必要があるか,後でルルカにでも聞いてみるか…。
「だ、そうだ。準備はいいか?。」
俺は振り返り、3人にそう呼びかける。
「もちろん、私に任せてよねお兄様。」
「お嬢様と同じくとっくに準備はできていましたから。」
「問題ないわ。」
──このメンツも見慣れてきたな、一人装備がゴツくなったが…、。(※レナ)
「よし!遺跡ダンジョン…行くぞ!」
俺は入り口に立ち、一歩、二歩と歩み始める、後ろから聞こえてくる3人の足音がどことなく安心する。
ダンジョンの入り口は開放的な雰囲気、って言うのは言葉のアヤ…正確に言えば扉があったような跡が見受けられた、しかしそんな扉も今や原型を残しておらず、あるのは石と同化したかろうじて動く残骸、なので侵入自体は簡単だった。
ダンジョンというから、ゲームシステム的な何かが働くと予想していたが、これと言って変化はない、ただ《何か》感じたというだけ、
──遺跡ダンジョン・1F──
(もしかして、ダンジョンこう言う感じなのか…?。)
入り口に入るとすぐに階段があった、それを下へと降りていく、遺跡の中は壁が石レンガの所もあれば,岩のところもある。ウミさんがさっき言っていたザッ遺跡的な感じなのだろう、ところどころに光る石があり道を照らしている、ないところもあるのだがそこは火がついてない篝火が置いてあったりなどしている。
進歩は上々、敵とのエンカウントが最初だからか少ないので余裕を持ちながら心身共に探索へ乗り出せる。
ずっと続いていた下階段が終わり雰囲気は少し洞窟よりになってきている。篝火は少なくなり光る石が増えてきた印象だ、そしてびっくりするぐらいエンカウントが起こらない。
しかし油断して良い理由にはならないもの、、難易度は10段階中の8、いつ何時危険な目に遭っても問題なくしなければ…
そう思うと俺はバイザーを下げ、暗視モードに切り替える。
静かすぎるのが逆に不安になったりする、なんかこう嵐の前の静けさ的な感じが…
「静かすぎますね。」
ウミさんが慎重に言葉を言う。
「そうね、楽なことには変わりないけど、、」
自信揚々だったレナも声のトーンが低くなり、この状況を理解している。
「ムー、ちょっとつまらない。。」
ルルカはそんな二人を見習ってほしいくらい気が楽そうな声で言う、本当にもう少し緊張感を…、。
《PYUIIIIII!!!!!》
『っ!!』
奥の方で生物の叫び?、いや《何か》の叫び声が聞こえてき俺たちは全員身構える。俺は小型シールドを構えながら前進、通路が狭いからか,さっきの叫び声はかなり遠くにある気がする、あくまで感覚的な話であって確証があるわけじゃないが…、、。
さっきの感覚と似たような感じ、ということは。
「うぅ、今のなんだったのぉ〜。」
ルルカが不安を漏らす、かわいそうに今すぐ不安にさせたやつを粉々にしてやりたいが、、迂闊に出れない。
敵は何体だ?、大勢いるのか?、どういう形状だ?、地形は?、能力は?、
全てが未知数、さっきの叫び声のせいか俺は少し焦っていた。
[ブォン]
そのせいか、肝心なところで体が動かなかった、
「っ!魔法陣……トラップか!!」
俺が踏んだ場所が悪かったのか、いやそんな事はどうでも良い。状況把握と冷静さを失った俺は,判断を見誤ったのだ。そしてそれに対して報いが来るように、魔法陣は光だした。
悪い予感がビンビン伝わるこの演出に俺は咄嗟に後ろを振り返り、3人の安否をっと体を動かしたその時!
[フォン!!!]
目の前には壁が現れ、俺は壁に手をついていた行き良いよく体を前に出したせいか、体までもが壁につく、
(なんだ?!)
壁が目の前に現れたことに、分断されたか、っと最初は予想した。しかし周りをよく見て観察するとさっきの場所とは違うとわかった。
──遺跡ダンジョン1F・???──
つまり俺たちは
「それぞれハグレさせられたってことか。」
こういうパターンで一番多いのが各個撃破戦法。
俺がちょうどそんなことを考えていると、後ろの何かが動いている音が聞こえてきた。恐る恐る振り返るとそこには、
《PYUIIIIII!!!》
「爬虫類?!!」
トカゲのような、竜のような化け物が武器を手に俺へと襲いかかってきた。
咄嗟に来た棍棒に俺は盾を構えうまくガード、隙にビームサーベルを抜き、相手の心臓を狙って指す。
《PYUIIIIIIーーー!!!》
パリンッ、、ガラスが割れるような音と演出と共に爬虫類もどきは消えていった。
《PYIII〜〜!》
倒したやつの後ろには大勢の爬虫類もどきがいた。
まぁそうなるよな、っと思い俺は身構える、ここに一体しかいないわけはないつまりここは、
「モンスターハウス、」
ルルカが前に言っていた気がする。モンスターハウスはその名の通りモンスターの家、巣、入ったものは蹂躙されて生還率はかなり低い、だが。
「生還できないわけじゃないなら、生還してやる。」
装置を起動させ,俺は本格的に戦闘体制へ、バイザーを下ろし、ハァ〜っとため息を少し、精神を落ち着かせて。
コイツらを殲滅する!、
[ピピピピッ!!!]
もう片方に持っていたビームサブマシンガンでまず前線を崩しに狙い撃つ、威力自体が敵とダンチなので最も簡単に撃破する。しかし油断してはいけないこっちも弾数を気にして尚且つ相手の数を確認すなければならない、消耗線に入れば数が多い方が勝つ、そのことを頭に入れながらよくよく考えて立ち回らなければ、、
《PYUIIIIII〜!》
やはりか、っと睨んでいた通り仲間を盾にして特攻、こういう低値のが故に戦術的なやつは嫌いだ、なぜかって?それはもちろん。
[ジュッシンーッ!!]
大抵がノープランだからだ。ビームサーベルで近づいた順から切り伏せる、パリンパリンパリンッ!っと一気にその場で三体がいなくなる。
(頃合いか…)
「いけっ!ゲィザー!!!」
俺の呼びかけに答えるように《装置・ゲィザー》は敵の横をとる軌道で大回りに移動する。そして溜まったエネルギーを爬虫類もどきたちに一気に放出しその場を焼き払う。
一斉にキル音が聞こえてくる様は圧巻、気分がだいぶ良くなってくる。
(早いとこ、全員と合流しないとな。)
まぁ問題は…、、
《PYUIIIIII〜、PYUIIIIII〜!!!!》
コイツらが後何体いるかってことなんだが…。焼き払ったその場からまた次の個体群が見えてくる、後ろは壁っという事は、どこかに出口があるという事なのだろうか、はたまた、あからさまな壊してくださいと言わんばかりの壁を壊しながら突き進むタイプか、、。
どちらにせよここにいるやつをまだまだ倒さないことには変わりなく。
(、、無理難題で武装提示したこっちが言えたセリフじゃないが、もう少し範囲殲滅型の武器を用意して欲しかった。)
大会での武装が使えないのにはいくつか理由がある、大半は《裁定破壊剣》の反動によって使い物にならなくなってしまったからだ、装甲に使っていた素材も、エネルギー貯蔵を担っていたタンクも、スラスターも、あの一撃のために散っていった。
その結果自分の首を今回絞めることになったが…ていうか出発自体はいつでもできたはずだ、それなのに、、なぜエズは早めに出発を催促したんだ?。
《PYUIIIIII!!!!》
(うるさいっ!!)
俺は戻ってきたゲィザーでまた敵の前線を焼き払いながら進行する。
乱戦に持ち込めばこちらが有利だ、呆然一方だと如何せんサーベルが最後の砦になりかねない。
(とりあえず、帰ったらエズに問い詰めてみるか、純粋にゲィザーの性能テストが目的、、だったら良いんだがなぁ〜。)
俺はエズの感覚を理解できないところがあるので、まだまだ観察が必要だと無意識に考える。
今意識を向けるべきは目の前の敵だけ、
(…、いかにして相手を倒すだったか?。)
ふとエズが言ったことを思い出す。今考えてみれば全くその通りだ、 -だから
(こっちもその期待に応えないと−なっ!!)
[ピュィィィンッ!バコォォォッン!!!!]
チャージされたエネルギーは敵へと一直線に放たれ、目の前の敵を焼き焦がさんとする勢い。
《PYUIIIIIIーーーーーッ!!!!?!?》
ところどころで爬虫類たちの叫び声とキルの音が鳴り響く中、俺は突撃を開始して本格的に殲滅行動に入る。ビームサブマシンガンのリロードも合間に入れながら。
『topic』
高難易度のダンジョンにはそれなりの報酬が存在するが、中には【SAMONN】の歴史を語る物も存在する。




