表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/172

三十三話「第二回公式大会《6》」

前回のあらすじ


ゲテモノと呼ばれる化け物がこの試合にあることが判明し、紅月はフライと討伐を誓い合い、次の試合の準備をする。

 




聞き慣れた,開始音。もうこれでもう4回目だ。


目を開くとそこは砂一面。障害物と呼べる障害物は存在せずサボテンすらない,あるのは黒曇った空に風当たりが強い砂。


視界は不良好だが,対策をしていないわけではない。レーダー,サーモグラフィーを展開し, 慣れたように索敵を開始する。


残りプレイヤー数は100人,マップもこの砂漠が最終ステージのようだ。

しかしエリアが小さくなったとしてもかなり広大。ちっとも敵と出会わない…、、。


何か嫌な予感がする。


 [ビー!ビー!!]


は?。


 瞬間俺は休憩室へ戻される。

、理解ができなかった、反応する隙もなければ、考える時間すらなく。第四戦は幕を閉じた。


俺は咄嗟に時間を確認する。、開始から10分しか経っていなかった。一体何が起こった?!


ようやく俺の頭は働き始めた。、、100人いたプレイヤーはわずか10分という短い時間で50人へと減っていた。

ふとフライが言っていたことを思いだす。『説明しようが無い。一言で言えば【ゲテモノ】だが、、』っと言う言葉、、。嘘だろ。、、他の可能性が全く思い付かない、まさか…まさか、、。


フライが言っていたゲテモノ、それがわずか十分で50人削った犯人なのかもしれない。

だとしてもこれは、、あり得るのだろうか。


プレイヤーを瞬殺できる兵器、、。だめだ、情報が少なすぎて相手が想像できない。とにかくこれじゃ相手を知らずに戦闘するハメになる。

それだけは避けなければ…。



 (となると、やることは一つだ。ゲテモノを見つけて、データを測る。…できたら撃破。。)


正直、机上の空論が実体を持って、机を叩き潰したような恐怖。実際に戦ったわけじゃないが俺の勘がそう告げる。


 (さて、次は瞬殺されないプレイヤー達がいることを願って、、。)


俺は装備を最終形態仕様にする。今までは最終戦をまで勝ち抜くための装備、だが使わずに死ぬのは流石に可哀想だ。






        紅月フルアーマード 

   種族 オートマタ


  [HP]60000(体力)

  [E]250000(バックパック貯蔵)

  [A]90000 (障壁耐久値)


[STR]3000(アームパワー)

[VIT]16000(魔法物理共通)

[AGI] 600 (通常歩行)

[LUK] 50(運)      

[DEX] 8000(器用さ)   

               

  [スキル]           [称号]

                ・無限のエネルギー


 [身体構造(内)] 

 

 [頭] イズニュウム  [胴体] イズニュウム


 [左腕] アリカタン合金[右腕] アリカタン合金


 [左脚] ベーオス   [右脚] ベーオス


 [身体] Aアーマー  [内部] Aアーマー機動


 [劣化部位] ーー [修復部位] 外部・シールド装甲

 結果 安定


  コア:アスンベルクコアMK~4




 [身体構造(外)]

 

 [頭] アンチディマイション《+》[胴体] アンチディマイション《+》

[左腕] アンチディマイション《+》[右腕] アンチディマイション《+》

[左脚] ベルセン《+》      [右脚] ベルセン《+》


 表面状態 コーティング常時展開(96%) 



 [装備]


 ・Aアーマー『AK』《+》

【詳細】マジックコーティングが常時展開されるアーマーまた物理攻撃にも耐久がある。

+増加装甲によってエネルギー、防御力ともに上昇。


 ・AMSアンチマジックシールド×2《+》

【詳細】コーティングおよび無効化性能がついているシールド、長方形の縦長い箱の形をしている箱状になっているところからマジックミサイル(実)が搭載されている、特殊干渉合金《ベリトリス複合干渉合金》を素材として使っているため、通常のシールドより取り回しが良くなっている。小型スラスターが内蔵されており、攻め守りにおいて万能な盾。

効果:威力3000以下の魔法攻撃を無力化 耐久:80%

サブ:マジックミサイル(実)EM技術の応用によって誕生したミサイル。爆発性は魔力を基準としているためかなりいい性能をしている。

+エネルギー伝導率増加によって、耐久性にさらに拍車がかかるようになっている。


 

 ・ビームマルチアサルト《+》

【詳細】ビームマシンガン、ビームマグナム、ビームアサルト、ビームロングサーベルの複合兵装、使用者オートマタの意思で切替ができる。また射撃間隔の調整もできる。射撃間隔が早いとオーバーヒートも早まるため、気をつけなければならない。またサブはビームナパーム型に変更。実弾→ビーム属性になったため貫通力が単純に上がっている。

 また従来のビーム兵装と違い有線式ではなく赤外線式の自動エネルギー供給が可能となった、

効果:ビーム属性の攻撃を与える。ビームマグナムはシールドおよび《装甲貫通》

+ビームマシンガンは未装備なためエネルギーパックの量を他に回せるようになっている。

また、その分他兵装の能力が向上している。

サブのグレネードは、ビームナパーム型に変更され、攻撃に特化している。



 ・頭部複合拡張センサーEZ《+》

【詳細】頭部のツインカメラおよび内部に搭載してあるセンサー、サーモグラフィ機能とマップ自動製作機能がある。また相手の戦闘数値を簡略化して装備者に表示できる。他にも[自動照準機能・ASL]がついているため射撃をある程度サポートする機能がついている。

+エネルギー伝導率が高くなったため、頭部に使うエネルギー消費量が軽減。



 ・ヒートブレイド武装付属バックパック《+》

【詳細】ヒートブレイドを後方にマウント、他のビーム近接装備は重量軽減によって未装備。

ビームランチャーも封印し、単純に切れ味と耐久に特化している。

また、スラスター後方にはプロペラントタンクを装備、スラスター容量を増加させている。

ヒートブレイドは伝導率増加によって半分のエネルギー量で倍以上の出力を出せるように改良されている。




 ・両足内臓エネルギー貯蔵タンク《+》

【詳細】エネルギー容量拡張と、エネルギー貯蔵タンクが同時に内蔵されている。そのせいか両足脚部位は特に装甲が厚い、またスラスターも内臓しているため、小時間ではあるがホバー走行ができる。

+追加装甲のエネルギー伝導率増加によって貯蔵量が増加している。


 ・擬似AMAM(擬似アンチマジックアブソープマント)

【詳細】追加装甲のエネルギー伝導率の拡張によって擬似的にマント状のエネルギーバリアを展開し全属性を防ぐ。

効果:展開時間100秒、

ダメージ÷10の計算で展開時間を消費してダメージを無効化


 ・ベリトリス複合干渉装甲《+》

【詳細】ベリトリス複合干渉装甲が全身装甲の一部取り込まれている。シールド同様、実弾実斬魔法攻撃に圧倒的な耐性を誇る。

+追加装甲によって反応速度が向上、また機動性も上昇している。








 (よし、強化完了。若干地味だが、使えるものは全部使わないとな、)


二枚目のシールドをもう片腕に装備し、本格的に最終決戦仕様。


 [ビー!ビー!!]


 「紅月!フルアーマド出る!!」


またもや砂漠にほっぽり出される。しかし天気は味方したようで晴れだ、おそらくステージも先ほどよりかは狭くなっているはず。ここでゲテモノに会敵しないことはないだろう。


 すると、レーダー高熱源反応が来た。

真正面、しかし前方には何もないということは、上か!


 空中を浮遊する謎の金属物質を発見した、蕾のような形状をしているのが特徴的だ。


 「っ、」


ビームマグナムを構え、狙い撃つ。

直撃事にピピっ!という電子音が聞こえたと思ったら爆散、黒煙に電撃が混じりくだけ散った、耐久性能はそこまで高くないとわかる。


 しかしだからだろうか、変に達成感がなかったり、これがまだ複数あると予想してしまうのは、


辺りを見回す。そこにはやはり【蕾】があった。

メインカメラを拡大させて、様子を見る。

地面へと刺さりギギギっと花が開くように開く、すると。


半径50メートルが電撃の嵐に包まれ、爆発のような音とともに、砂が煙に変わっていった。


 なぜだろうか、直感だがその辺の魔法より強い気がしてならない。ゲテモノというのがどういうヤツなのかなんとなくわかってきた。恐らく、マザーユニットを既存として発射される花。それを用いて行われる大量虐殺兵器。


よくSF作品で目にするやべー兵器だ。


 (となると一刻も早く止めなければっ!)


俺はそう思いスラスターを全開にして、花が飛んできた方向へ進む、、


 [グゥォォォォォォン!!!!]


いきなり化け物の声、いやそれに似た機械音が全体は響き渡る。正面からの音だと気づく頃には、何かが発射されているのが見えていた、

【蕾】だと瞬時に分かり、気は焦る。


 問題視しているのは【蕾】がただの兵器としての役割なのか、それとも偵察も兼ねているのか、という点だ。もしそうだとしたら自分の動向が知られているといことになり、戦闘で不利を取りやすい。


 するとレーダーが大型の反応を感知した。確認しても60メートルくらいあるのがわかる。

大会というのは建前で、もしかしたらレイドバトルなのかもしれないという気持ちが湧いて出てくる。


 そんなことを考えていたら、大きな窪みがあることに気づき、スラスターを逆噴射し、ブレーキをかける。


 大きな窪みにいたのは…、


 「ゲテモノ。」


完全にゲテモノだった、蜘蛛にも、鳥にもライオンのようなものにも見えるその物体は


 攻撃を仕掛けてきた。


 「!!!」


咄嗟の回避、超極大なビームが俺がいた場所を溶解していく。

そして回避したのも束の間、次々と細いレーザーが飛んでくる。上昇し、これを危機一髪で回避、高速戦闘へ移行する。止まっている暇はない、あのゲテモノには数多くの兵器が搭載されていることが見なくてもわかる。


続いて、ミサイルが背部から打ち出され、容赦なくこちらに狙いをつける。弾速は早く回避は難しいと判断し、ライフルで撃ち落とす。


 [トバーーーン!!!!]


っと二回巨大な爆発が空中で起きる。威力も桁違いってのが嫌でもわかる。そしてこの場合相手が有利だ、


 (とにかく回避!)


回避行動を続ける、依然としてレーザーは先、後を読みつつ打ち出されていく、盾で受けようだなんていう気は毛頭ない。

それにしてもこのままではジリ貧だ!、


そこで特攻を仕掛ける。


しかし無数にレーザーが自身の行手を阻んでくる、それを俺は持ち前のスキルでギリギリを回避し、敵に噛みつける距離まで詰められた。


 ヒートブレイドを外し、一気に削りに入る。

スラスターをさらに吹かし最大速度で、切り抜ける。後にはジジジっという音が残る。効いていることがわかる。どうやら物理には弱いように見える、


それを理解した瞬間、目の前は光に包まれていた。咄嗟にシールドと、擬似バリアを展開して守りに入る。巨大なビーム砲によって、俺は押し出され距離を取らされた。次に来るのはもちろんレーザー、本体に傷をつけたからだろうか、先ほどよりかは追従というか、しつこい気がしてならない、


ちなみにシールドはかろうじて無事だが、バリアは一瞬にして剥がされた。


ここからわかる通りとんでも火力の権化だと誰しもわかる。だが負けるわけにはいかない。ビームマグナムを回避しながら撃つ、的がデカイだけあって余所見をしても当たるくらいだ、

何発か当たったところは、かなりダメージが入っていることが敵の装甲でわかる。装甲貫通がついている以上、この兵装での有利性はこちらにある。がそれも弾の数を気にしなかった場合の話だっ、が!!!!!!。


レーザーが目の前にいくつもいくつも現れる。それを全てかわしていくが、やはりところどろさころ掠る。ダメージがとんでもなく高い、どうしてこうして対空兵装がこんなにダメージが高いのか!


 それと流石に、スラスターがオーバーヒートしてしまう。どれだけ燃費を良くしたところで有限だ。そろそろ着地したいところだが、、


 [ッー!ッー、ッーーー!!]


相手のレーザー攻撃が鬱陶しすぎる。着地狩りは免れないだろう、どう降りるか考えなければ、


 [ッーーー!!!]


ダメだ、真剣にそんなこと考えていたら焼き切れてしまう。


 (こうなったら!。)


俺は急降下をし、地面へと一直線。重力の加速と相まってとんでもなく早く落ちる、そして落ちる瞬間にスラスターを逆噴射し、砂で煙幕を作る。これによって正確な着地はバレないはず!!


 [ッー…]


レーザー攻撃は止み、静かな一休憩が始まる。


 (スラスターを冷やしたら再挑戦だ、もっとも俺に関しては弾数が無限じゃないが…)


手早くリロードを済まして覚悟を決め、一気に飛び出す。

レーザーが視界内に入った敵をロックオンし、たちまちしたから雨のように発射される。空中狩りという言葉が合いそうなくらいしつこく狙ってくる攻撃をブーストステップで空中回避する。


 念には念を入れて擬似マントを展開し、懐へ潜り込もうとする。がやはり中々受け付けてはくれない。


 レーザーの数もさながら俺はヒットアンドアウェー戦法を取るほかならなかった、しかし弾数にも限度があり、正面装甲を撃ち合いにしたとしても効果は薄い。やはり脆いと思われる関節部や中核に当たる部分を攻撃した方がいい。

だがそこを攻撃するにしても懐に潜り込まなければ意味がない。

鉄壁のジレンマが俺に焦り加える。


 (マイクロミサイルを仮にばら撒いたところで対空防御レーザーが確実に邪魔をするっ。)


 [ッーッー!!!]


 鬱陶しすぎるレーザー、砲台を壊しても壊しても無限にあるみたいに多い。

ゆえに砲台を直接に狙う時こっちがやられるリスクが高いため、俺はあえてしていなかった。


 よくあるシューティングゲームは弾が無限だからいいもののこっちは有限、大事な弾を小さい的に当てるにしては消費が高い。当たる当たらないということを危惧すれば尚更だ。


 元々対人戦を想定して作られたこの装備は明らかに対巨大兵器に向いていない。


 (しかし愚痴を漏らしたところで、この状況が打開されるわけではない。)


 [ドドドド!!!!]


なんの音かと見てみれば奴の背面からミサイルが何十機もこちらに向かって一目散に飛んでくる。先ほどよりも目に見えて速い、


 (っ!!?)


ライフルで狙うことはできるだろうが、撃ち落とす頃には爆発で無傷では居られない。

ミサイルに追いつかれないよう、スラスターをより吹かし、こちらも致し方なしにマイクロミサイルをぶつけに行く。


しかし当たったのはごくわずか、残りのミサイルはこちらを落とさんとするように追ってくる。それに加えてこのレーザー、かなりの回避範囲が縮められていく。

中には回避したレーザーがミサイルを落とすなんてところもある。爆風が先程のミサイルと違い大きいため、背後、側面に爆発音が鳴り響く。

正直フレアの一つくらい搭載しておけば良かったが、流石にこの状況は誰も想定できない。



 なんとかミサイルを回避しながら俺はこの時一つの作戦を思いつき、本体へ向けて急接近する。


レーザーは依然としてこちらを真っ向から拒絶するが如く狙ってくる。装甲のいくつかがレーザーに当たる音が聞こえる。直撃をできるだけ避けながら、中核へと向かう。


 (やるしかない。)


俺は覚悟を決める今からやろうとしていることは映画のワンシーン、やってみる価値はあるが後が十二分に怖い作戦だ!。


 中と思わしき物体へ全速力に向かう。その時物体は変形し砲口をこちらに向かわせる、ジジジっと聞こえる死のカウントダウンが目、耳、体全てで感じる。

俺はスラスターを全開にし接近していく、

そして


 (うおっりやああっぁぁぁ!!!)


感性に任せてプロペラントタンクをバク宙と同時に中核へと放り投げる、。

身はミサイルのちょうど上を掠め、回避していく。

ミサイルは反応が追いつかずプロペラントタンクの方へ、


次の瞬間鼓膜が破れるかと思うくらいの爆発が目の前で起こり、体を飛ばす。


体は爆心地から放り投げ出され、空を舞う。

レーザーの不快な攻撃は来ない、俺は体制を立て直し、地面へと転がり、着地する。


 火を中心にしてもくもくと黒い煙が空へと噴き出る。


 [ピピー!!!!!!]


安心し切った心を潰すかのように火の中から青白い光を観測、まだ死んでいなかったのだ。その太いレーザーは自身の装甲の半分を持っていき、空へと打ち上げれる。


崩れ去るような崩壊音と鳴り響く警戒音、火花を散らすパーツが俺をかろうじて生き延びさせた。


シールドを構えていなかったら、おそらく即死だったとも思われる攻撃、そして損傷していた片側の盾は原型を保てなくなり、朽ち果てる。

もう片方のシールドも原型自体は保ってはいるが、一撃耐えられるかが限界なくらいの損傷率。

自身を焼き溶かしたビームの後はずっと後ろまで続き、自然を抉らせていた。まるでそこだけ別の世界になってしまったように、、


 鳴り響く警戒音が頭の中でリピートされ、まるで走馬灯を見て気になる。しかしまだ戦いは終わっていないと直感が知らせてくる。


そのため俺は身構え続ける。打ち切ったレーザーがまた核となり爆発する砲台を見続けながら。


追撃をと、ビームマグナムを取り出し、照準を構える。


機体からは煙が出ており、メインカメラもヒビが入っており、肩も上がらない。とても狙える状況ではなかった。しかし俺はグッと銃器を敵に構え、最後のトドメを指しにいく。


 

 [バデュゥゥゥゥン!!]


バチバチと火花を散らす装甲、青紫色のビームの光が絶妙な雰囲気を醸し出す。放たれる閃光の一撃は敵へとまっすぐ向かうのだ。


 [──グキャァァァァァァァ!!!]


電子音が混ざった切り裂け声が辺りに鳴り響き、落ち着いてきた俺の頭をガンガンと痛めてくる。

さらに、ジジジジジ!!!!っとなる電磁パルスの音。それに伴いビームマグナムの弾光は敵を目前に弾け、空中へと散っていった。


 (な、。)


俺は頭が回らなかった。満身創痍ということもあったのだろうが一番は、目の前のビームが跡形もなく、四散して行ったこと。

まるで、同じ出力で打ち返され消滅したような感じの手応え。


そう、強いていうならば。


魔法が自分のAMAMに当たり無効化した時のような感じ、それを逆にやられたような感じだった。


 そしてその一瞬が命取りだったようにレーザーがまるで演出のようにホーミングしてこちらに向かってくる。

不思議だった、不自然に上へ打ち出されたレーザーはまるで空中に反射板があるように跳ね返り、俺の方へと一直線、心臓を狙うように、全てのレーザーが一点をなんの狂いもなく狙ってきたのだ。


頭が働かない俺はただ、そこに立ち尽くすばかりで回避などという言葉浮かばなかった。、なぜか、答えは単純だ。《コイツには勝てない》っと俺がそう感じたから。


 (…。)


コイツに勝てないのはとても悔しいが、コレはどうしようもないことだと割り切ってしまう。

先ほどまであった闘志は消え、再度点くのにも時間があまりにも足りなかった。


 [バリィィィィ!!!!]


突如目の前が白くなった。一瞬死んだのではないかと思った。だがメインカメラはボロボロであったが確かに生きていた。レーダーも、エネルギー出力もジェネレータも、、確かに無事だった。


 「よく頑張ったな!?紅月ぃ!!」


 「フライ!!」


声でわかった。この声は鷹橋フライだとそしてわかった。


 「助けに来たゾォ!!」


今の攻撃はフライが防いでくれたのだと。


 次の瞬間、後方から数多のプレイヤー、魔法攻撃が目の前の敵へと向かっていった。


 「何で集まった?!」


俺は正直意外に思っていた。よく生き残っていたということもあるが、よく協力関係を築けたなと素で思った。


 「さぁな!俺にもわかんねー。」


 「でしょうな。」


案外俺たちの考えすぎだったのかもしれないな。


 「まぁ!お前は休んでいろ、ここからは引き受ける。」


フライはそういうと、飛び立ち敵へ向かってあの光線をいくつも放ちながら攻撃する。

他のプレイヤーも各自、自分のレンジで戦っている。

魔術師達は後方で攻撃側を分けて戦うタイプもいれば、一人で全部こなす化け物もいた。

数にして約30人程度だがそれでも良い増援だった、皆あの【蕾】を回避してここまできたのだから。


残った集まっていたプレイヤーは自分流の戦い方を最大限発揮して、目の前の敵の倒しにいく。

近接組は本体への攻撃に集中。

魔法組は超火力や合体魔法などを生かしバリアの許容量オーバーしを破壊していく。


ゲテモノもその分反撃するが、プレイヤースキルの違いか糸を縫うように交わして行く者や、鉄壁で守りながら進む者、ヘイトを集める者っとこう見ると様々なプレイヤーがいて、様々な声が聞こえる。


 「アイツ味方するのは癪だけどー!!やってやるうー!!」


装甲を素手で打ち負かしながら武闘家は叫ぶ。

一撃一撃は相も変わらず重く、ゲテモノがひっくり返るのではないかと思うくらいだ。


 「防御は任せろっ!!」


数多の攻撃を一身に受け止めながら盾使いは叫ぶ。不動が如く、動かないその姿は大地を表現しているようだ自身の攻撃行動を犠牲に最大限味方を守護する心は周りに安心感を与える。


 「実弾は通すっぽいし、勝てるー勝てるー!!」


トリッキーにゲテモノの周りを駆け巡り、持てる弾を撃ち流している銃使いは叫ぶ。バンバンッ!っと二丁拳銃を発砲する様は、周りの士気を高くし、ゲテモノを混乱させる。


 「…。」


黙々と仕事をこなすようにその剣使いは切る。

数多くいるプレイヤーの中で無双の活躍をし、合理性を求めて続けるその様はプレイヤー達の頂点のように感じられる。


 「距離を誤るな!魔法を使えるものは一定間隔で補給にあたれ!。ゲテモノに人の意地を見せてやれ!」


全体に響く声で、ある司令官は叫んだ。圧倒的なカリスマ性と周りの力を最大限引き出すその能力はこの戦場を支配するに相応しく。どこまでも強い。


それぞれが一つの目標へ集中する。ゲテモノは雨を浴び続け、どんどんと形を変えて行く。

圧巻だ、一人で苦戦するゲテモノも人の力が合わさればここまで押される。

倒されるのも時間の問題だった。


しかし俺には一つ疑問が浮かんだ。ゲテモノが倒された後、果たして後には何が残るのだろうか。


昨日の味方は今日の敵ということで殺し合いが始まるのだろうか?。




 そんなことを考える。しかしその構想を破壊せんとする事態が、この大戦内へ響く。


 

 『ふ、ふふ。アハハハハハハハハ!!!!』


一声の笑い声が戦場に響きわたる。全てのものが攻撃をやめる。武闘家も、盾使いも、銃使いも、剣使いも、司令官も、そのほか全てのプレイヤーが手を止めた。


謎の不快な笑いに集中しながら。


 『すごいなー!!上位プレイヤーってのは!てっきり戦闘した脳がない化け物プレイヤー達かと思っていたけど、、アハハまさか強大な敵の前ではみすみす協力するタイプの奴らだったとは!!』


 「誰だ?!」


フライが声を張り上げていう。

そうするとゲテモノの中核部分が開き、一人の少年が出てくる。

無言の空気が続き、少年は上品に自己紹介をする。


 『僕の名前は、、ゲテモノ。君たちが攻撃していた本体、正確にはプレイヤーっと言ったところかな?。』


その少年はニヤリと不敵に笑い、こちらを煽るように自分の名前をゲテモノっと言う。

プレイヤーというからして奴もプレイヤーなのだろう。


 「っ!!」


フライが先制攻撃が如く、巨大な光線を奴に向けて放つ。


 [バジィ!!]


音を立ててその光線は無効化された。ゲテモノにもついていたのだから本体にも付いている。そう裏付ける証拠でもあったこの攻撃、しかし【何か違うと】ゲテモノを除くその場の全員は思っていた。


 『こぉわいなぁ〜、そんなに怖い顔、あいや。顔は見えないから、、まぁとにかくそんなかっかしないでよ。僕は提案をしてきたんだよ。』


 (…なんかやばい。)


 「…、。」


全員が黙る中、俺は次にこいつがどんな部類なことはを発し、どんなことを言うのかわかった気がした。そのためその発想に恐れを感じながら声を上げる。


 『君たちをぉ、。』


 「フライ!!!」


俺の声はフライに届き、俺の焦り具合からフライは瞬間的に察しこちらに全速力で近づく。


 『廃棄処分にするってねぇ!!!!!!』


少年は放つ、一筋の閃光をしかしその閃光は黒く。どこまでも殺意に満ちていた、


真っ白な世界が包み込む。その場にいた全員はやられたのだと………、





そう思っていた矢先に。




 「させるかぁぁぁぁ!!!!」


フライは間に合った。ドス黒い閃光を自身の能力《神の守護》で後ろに広がる皆を守りながら。


 しかしそのどこまでも殺意に満ちた黒閃はフライに受け止められる領域ではなかった。


しかしそれでいいと、この時のフライは確かに自分の役割ロールを理解していた。


その場に集うものたちは、ただ自分を盾にし我らを守る神の守護神を見ているだけだった、全員が死を覚悟していた。


たった、そう、たった一人を除いて!!!


 《エネルギー接続、完了》


一人そうアナウンスを聞く、機人が自身のエネルギーを前身へと放つ。

ただ手に持つ破壊寸前の機剣を持ちながら。


 「紅月ぃぃぃ!!!!!」


 「っ!!!!《最高出力形成エクスキューショナァーッ!!破壊剣ブレイカァーッ!!!》」


 パリンっと割れる《神の守護》、その時振り下ろされる大剣は何処までも強く。何処までも届く。

友が避けるとそうわかっていて当てる一撃。

最高出力破壊剣。


《神の守護》と変わるように黒閃を受け止める。

 

 「っあぁぁぁぉぁ!!!!」


紅月が叫ぶ、その声と共に一撃は威力を増し、押し返す。結果。




 [!!!ッッッッッッッッ!!!]



その大剣は黒閃と弾き合い、あたりを変えていった。




 ──第二回公式大会・破壊されたステージ──




 全てが吹き飛んだ、そこにいた武闘家も盾使いも、銃使いも、剣使いも、司令官も、全て、全て全て全て全て。…吹き飛んだ。


天使と、ゲテモノと、機人を除いて。



目が覚めたらそこは灰大地だった。


後にも先にも何もなく、有るのはただただ、爆心地を中心に等間隔にいるゲテモノと機人。


空は黒く、何処までも暗く。


まるで世界の終わりのようだ。



 「、」


機人は既に力尽きていた。


灰の大地に翼を置き、体を埋まらせている天使も、


その中でただひた笑う奴がいた。


 『アッハハハハハハハハ!!!!』


世界の絶望を喜んで、ただただ喜んで。


この光景が恐ろしくないのか、恐ろしくない。


ゲテモノにはただ笑うだけの価値がそこには十分あった。





奴は笑った。全てを制したと




奴は笑った。全てを滅ぼしたと




奴は笑った。全てを無駄にしたと



奴は笑った





……。。。。。。……、





なぜお前は生きていると。


 

 「っ、。。。俺は生きてないさ、」


メインカメラをうっすら光らせ、ゲテモノを見る。その目には希望なく、何処までも黒く暗くこの空のようになっていた。


だが自然に口は動いていた。


なぜ?


なぜ?


なぜだ?


なぜだ?


どうしてだ?


どうしてだ?



 「それに理由は必要か?。」


機人はそう言った。








時に思い出すことがある。



どうすれば人は死ななくなるのか?。



どうすれば人は…、、



いつも次の言葉が浮かばない。


浮かばせたくない。


それはまさに生き地獄で、


辛くてとても辛くて…



なぜそうだったのか?、相手を、殺してやりたいと何回思ったか…、、




一人孤独に、ただ孤独に、逃げるように、俺は






その日一人の少女がいた。





その少女は泣いていた。なぜ泣いていたのか聞いた。


亡くし物をしたらしい。



…、取り返せない亡くし物を。



それが、始まりだった。




運命だと感じた。



偶然だと感じた。



必然だと感じた。




    二度と失わないと



   二e度cと失わさtせないと



  二c度rとととe失わさaせないteと



    《》











    《        》




その言葉を俺は知っている。





 『死ね。』


最後は華々しくチレと、奴はいい不敵に笑いながら溜めた最後の一撃を放つ。




それに対して俺はウツ。


自身の周りを何かのバリアが守り、《極黒閃光》


弾き、守っていく。


 それに対して俺はクミタテル


手には一つの剣があった、何処までも何処までも眩しくて決して直視することが許されないように、


手に持つのがこの瞬間許されたような気がした。


魔法の言葉が俺の脳裏に浮かび。


 火を灯す。



 [ジージジジジーーッッッ!!!]


機械音がなり!!!


俺はその剣を掲げる!!


魔法の言葉を口にする。


  「《裁定破壊剣ジャッジメント・ブレイカー》ッ!!!!」





振り下ろしその一撃は…



《極黒閃光》を光の一筋で切り裂き、突き進み。


ゲテモノヲウツ。




 『がぁぁぁぁぁぁっっっ!!?!』



 『なぜだぁぁぁっ!?!!なぜ??なぜ!!なぜ?、なぜ!、。フフフフフ!!!!ッッッッッッッッ!!!!!!っ?!死に損ないガァ!!!!』


 

 くたばりそびれたそのゲテモノは再び目の前のやつに向けて撃とうとする。


しかし



 バサっと!!ちぎれかけている羽を広げ、地面から起き上がる者がいた。


満身創痍、そう表現するのが正しかった。



少しの愚かさも醜さも感じず、


フライは自分の槍を構える。真っ直ぐ、ゲテモノに撃つために!!!!!!




 「っおぁぁぁぁ!!!!!《主神ロン穿ヌス》ッ!!!!!」


その槍は主神を穿ち槍、罪の重さは命。しかしフライは放った。

白き聖槍せいそうは核を赤く光らせ、主神

を撃ちし日のように一閃に飛んでいく。



もはや誰にも止められない。



 《極黒閃光》の照準を切り替え撃つ、ゲテモノ、しかしキィィィィン!!!っと鳴り響く槍が闇で光を裂くように届く。


ゲテモノの壁を越え、心臓部位を容易に突き抜けた。

 


 『ぁぁぁぁああっっ?。?!!!ぁっ?!!あrsfwrhyデュjfへjf度sううyqdjcjcもvmどこb度不hsdgファ英ygfddhbフィsdjvんsldk度絵雨チェイyryt理j殿dkcmp底qmskdにv!?!?!?!?!?!?!!!!?!・。、。1!?!。11・11!!!!?!?!!!!!!!』



 『なぜ! なぜ?!なぜ!!!なんでぇぇぇっ?!!!僕がぅ、!!!ぼくかぁぁ?!!ぼくがぼくがぼくが!!、ぁたあぁぁぁぁぁ!!勝っうっつはずっぁっったのにぃいっいぇぃぇぁぇぇえたあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?!?!』







その断末魔は唐突に終わり、最後に残ったのは動かぬ抜け殻。


天使は自分の魂を犠牲にこの場を去った。




最後に残ったのは…








一人の機人だった。










『topic』


ゲテモノの存在は現時点では不明。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ