三話「VR の機能がユニコーンに搭載されてるやつにそっくりなんだけど、、、、違うか?」
前回のあらすじ
ルカの家にたどり着いた暁は初めての鷹橋に色々と注意事項諸々を解説しながら、ルカの部屋へと向かう。
ルカの父親であり家の当主を勤めている人に交渉を持ちかけ、無事(?)にルカを部屋から引き摺り出すことに成功する。
お嬢様解放から数日後、若葉暁はRGプラモの制作に勤しんでいた。
「ハァ〜、やっぱRGは最高だな、デカール(シール)数も多いし、細部までちゃ〜んと作られてる本当に美しい。、、さて,これも棚に飾っておくか。」
俺はRGプラモと、そのプラモが入っていた箱と同一の箱を持ち、アパートの部屋を出た。そしてすぐ隣の『若葉2』と書いてある部屋に入った。
「さてさて、RGの棚はっと…」
部屋の中には棚という棚が幾つも存在してあり、棚の上には作品別に綺麗に整頓された自慢のプラモデル達、どれもがどれも俺の宝だ。
「う〜ん。今回の出来は73点だな、新規モールドの部分を2〜3㍉程度間違えてしまった。それに、シャアレッドの部分を強く吹きすぎた…やっぱ、先は長いな〜。」
そんなことを呟きながら、俺は出来立てほやほやのプラモデルをあるべき場所に飾る。
「観賞用としては、あんまりだったなぁ〜。ポージング棚に置いてある同一機体の方がまだ完成度高かったし、」
俺は『ポージング用』という棚に飾ってある。ポーズ決めた同一機体を見て、ため息を吐いた。
そして,近くの押し入れを開けて『箱〇〇』と書いてある欄に持っていた空の箱を丁寧に置いた。
「観賞用、ポージング用、未開封用。、、整理終了。さて,今度は何作ろっかな〜。」
そう思い鑑賞部屋を後にして、またプラモデルを作ろうと思い玄関へ向かおうとすると、、
[ピーンポーン ピーンポーン]
「はぁーい!」
タイミングよく、チャイムが鳴った。ちょうどそっちにいくつもりだったので一石二鳥だ、、
「こんにちは若葉様、お嬢様の命でお迎えにあがりました。」
扉を開けた先にいたのはナミさん,いつも通り礼儀正しい礼で挨拶をした後、ざっくり要件を言ってくれた。
「おお、ナミさんって、もうそんな時間ですか?」
「もうそんな時間」というのはお嬢様解放をした日、ルカと俺はゲームやる約束をした。そしてそれが今日というわけであり、「もうそんな時間」ということなのだ。
「はい。もうそんな時間です。」
なんか、圧かかってないか?。ナミさんの声のトーンが…。
「すみません。、1〜2分くらい待っててください。今探すので、、え〜と、」
俺は『若葉2』の扉を出て、いつも使っている部屋に入る。
「VR ゲーム。」
「そうそれです、を取り出さなきゃいけないので、。塗装する時にしまっちゃったんだよなぁ〜…。」
俺は部屋に入り、押し入れを開けてガサゴソと探し始める。
「では、私をお手伝いいたします。」
ナミさんはそういます言うと、靴を脱ぎ。部屋に入って俺が探している場所とは別の押し入れを探し始めた。
「ありがとうございます。俺プラモ以外のもの。すぐどっかやっちゃうので…。」
整理整頓が下手くそなのがバレてしまう。、
「いえいえ、。」
ナミさんは嫌な顔ひとつせず、俺と共に捜索を手伝ってくれた。
「若葉様、前々から疑問に思っていたのですが…」
「はい??、」
俺はゲーム機を探す手を止めずに話に聞き耳立てた。
「どうして?、、若葉様のお部屋は二つもあるのですか?」
ナミさんが一言そう聞いてくる。
「あーそれ鷹橋にも聞かれましたね。」
そんなにおかしいことかなぁ〜。。、
「、、すみません失言でした。」
し、失言?!
「いえいえ!言ってなかった俺が悪かったんでー。それより、やっぱ気になりますよね。部屋二つあるの…」
やっぱり部屋二つあるのはおかしいらしい、うん常識を改めないと、、。
「…、はい。」
ため長かったな。、、いやそんなことどうでもよくて…。
「実のところ、プラモデルを作る部屋と鑑賞する部屋が一緒にできなくなるくらいプラモデルが増えてしまって、大会でのお金で余裕があったので、観賞用と制作兼生活用の部屋って感じに二つに分けてもらったんですよ。」
※『若葉1』は日常生活、塗装。『若葉2』は観賞用、ポージング用、未開封用。
「なるほど、。」
うんまぁ、最近は観賞用部屋が持たなくなってきている気がしてならないから、もうひとつ借りようかな?っなんて思っているんですけどね俺,,。
まぁ、言ったらめっちゃ心配されそうだから言わないんだけどね。だらかはい!この話はおしまい。
「、ところで見つかりました?ゲーム機?」
ナミさんが話を止め本題へ戻した。
「え、あぁ。はい、多分この辺に、、。あ、これですかね?。」
俺は慌てて押し入れの奥にあった大きな箱を両手で押し入れの外まで取り出した。
ちなみに箱に書いてある文字は見ていない、探すのを止めて話を聞いていたとなれば、ナミさん的には、
「なにやってるんですか?」(冷たい目)
みたいな態度でこちらを見てくる、気まずさマックスの状態は流石に避けたい。
そのため大きくて白い箱、なんかそれっぽい箱を現在俺は持っている。頼む、俺の勘よあってくれ…
「【VR MMO…】恐らくそれですね。」
ナミさんは箱をじっと見ながらそう言う,
「よかったぁ〜(二重の意味で)見つかって、俺プラモ以外だと収納下手で、、なんでかわからないんですけど奥に行ったりすることが多いんですよ。すみませんが手伝わせてしまって、」
これこらはもう少しプラモデル以外の収納を頑張ろう…俺はそう思った。
「いえ、見つかって何よりです。」
ナミさんは押入れの扉をゆっくりと閉じながら俺に言う。
「それでは、早速向かいますか。」
俺も押入れの扉を閉め、箱を持ちながらナミさんへ言う。
「はい。」
そうして俺たちは玄関まで歩き、各々自分たちの靴を履いたところで、、
「若葉様、もしよろしかったら、今度整理整頓のお手伝いをしにきましょうか?、」
ナミさんが唐突に口を開きそう言う、
「えっ、!?いやいや!わざわざそんなことしていただかなくても!。」
俺はそれに対して驚きを隠さず、素の反応でナミさんへ返す。
「そうですか?、整頓にお困りのようでしたので…。」
シュンとした態度でナミさんはそう言う、
(う、断りずらい。)「そ、それじゃあ今度来てくれますか?。そう何回も来られると流石にこちらの面目立たないですし、。」
「っ!はい!!。」
ナミさんは俺の言葉を聞くと元気一杯の喜んだ顔で返してくれた。、ナミさん、そんなに掃除が好きなのか、、。
そんな会話を介した後、ルカの家へ俺たちは向かった。
──数分後 ルカの家(本館)──
「はぁ、ひぁ、疲れたぁ、」
「大丈夫ですか?」
ナミさんは大きなゲーム機の箱を持ちながら汗一つかいていないそれに比べて俺はゼーハァー状態だ。
(途中まで箱を持って歩いていて,疲れたのでナミさんに持ってもらっていたのにも関わらずこの体たらく、)
「あぁ、運動しなくっちゃなぁ〜。」
そう小声で俺は呟く、思えば運動神経自体は良いのに運動しないとか、宝の持ち腐れにも程がある。
[ガラガラガラガラ。]
門が開き、豪邸の敷地内へ入っていく俺たち。庭は以前俺が来た時よりも綺麗になっていた。
「庭綺麗になってますね、以前よりも。」
俺は周りをキョロキョロしながら、綺麗に整えられた庭を全体的に見る。
「ええ、最近いいハサミが手に入ったものでして。」
ニコッと笑いながら嬉しそうにナミさんは俺へ返す。
「あぁ、そういえばナミさんの趣味ってガーデニングでしたね。」
この前も確か、庭がどうとかの話を聞いたっけ…。あれ?思った以上に内容思い出せねぇぞ俺…。
「はぃっ!綺麗な生垣!白赤青の薔薇園!、、はっ!すみません。私情が入りました。\\\\」
ナミさんは興奮と自分の恥ずかしさで赤面してしまった、そして手に持っていた大きな箱で顔を隠す。
「いえいえ、俺もそんな感じにたまになりますよ。やっぱ好きなものがあるといいですよね。」
完璧なナミさんに少しこういう抜けたところがあると、なんだが失礼に当たってしまうが、、安心する。
「っ、そうですよね!」
ナミさんは元気を取り戻したようで、嬉しそうに返す。
「ええ。っ、この話はまた今度にしましょうか、」
俺は話を続けようとするが、目の前の光景に口を止める。
「!、そうですね。」
本館に入る両開きの大きな扉が目の前まできていた。そのため、俺たちは口を止めたのだ。
まぁ今から偉い人と喋るというわけでもないが、なんというかここにくるとこう、シャキッとする。
「、、っ!、ナミさん。」
「はい?…、!。、」
俺たちはアイコンタクトをして互いに覚悟を決めた、俺の勘が危険を察知したからだ、ナミさんは俺の目だけでその原因をわかってくれたらしい、本当に完璧に近い人だ。
ナミさんが箱をドアの近くに置き、俺は数本後ろにゆっくり静かに退がる。
ナミさんがドアノブに手をかけ、捻り、そのまま開こうとすると…
[バンッ!]
扉が一人でに音を立てて開きひとりの青髪の少女が突撃してきた。
「お兄様ぁ!!!」
ルカの突撃。それはわずか1秒未満の出来事、そう一秒未満、だがナミさんはその一秒未満の間に、ルカの突撃コースを見切り、瞬間的に捕獲した。
ルカの飛び出す速度、と同じスピードを静止状態から始め、なんの違和感なくスッとルカを腕で捕獲したのだ。
「…、あれ?」
ルカはそのことがあまりに自然の出来事すぎて本人でも理解ができなかった、気づけばナミの腕の中、そして聞こえてくる。
「お嬢様。、、若葉様に迷惑をかけてはなりません。」
ニッコリと笑っているナミのその目の奥は確かに笑っていなかった。背中から赤いオーラが出ており、ルカにとってはなれたものでもなれないものだった。
「んー…テヘペロ!」
勝てないとわかったルカはいつも通り、知らないふりならぬ可愛い子作戦。
「…ご当主様に報告を、」
まぁそうなるよな。
「ごめんなさあーい!!」
ナミが続きを話す前にルカが食い気味に謝った。、撤退を見誤らないところは経験が語っているのか、、?っと俺は思う。
「、、とりあえずルカの部屋に行くか。、ナミさん。突撃阻止ありがとう。」
このままルカがご当主に連行されたら、一緒にやるどころの話ではないし、俺がここまできた意味も無くなってしまうので俺はルカに助け舟を出した。そして、ナミさんの気が変わる前に俺はそそくさと本館へ入っていく。
「こちらこそ。お嬢様がいつも申し訳ありません。」
何事もなかったかのように、ナミさん(と俺)は置いてあった箱とルカを持ち、ルカの部屋へと移動した。その間ルカが(怒られると思い)ガクガク震えていたのは誰しも分かることだった。道中の使用人さえ。
──部屋到着──
「なんだあれ?」
ザ、お嬢様のお部屋と言っていいほどの、豪華な部屋、中世感がかなり溢れている家具ばかりだ、しかも部屋が広い。だがなぜだろうか、部屋の中枢にはどでかい二つの機械が置いてある。ちょうど人が入れるくらいの、わかりやすく言えばSF映画お馴染みのポッドが置いてあった。
「お嬢様様が先週、ご当主様にお願いして買っていただいたゲーム機専用の機械、だそうです。」
ナミさんがご丁寧に解説、助かること限りなし。
「ムフー!」
ルカはドヤ顔をかました。しかし荷物のように持たれているゆえがそんなに凄みが感じられない。ていうか買ったのご当主だからな、
「で?これはなんだ?ルカ?」
、ルカのことをスルーするように俺は本題に戻る
「これはねー。VR MMO専用の機械なんだよ!。これが有れば普通より圧倒的に…え〜と、すごくなるの!」
ルカの適当な説明に俺とナミさんは
『…、、。』
ただ黙るしかなかった、それとなく「子供が意味もわからず興味本位で金を使ったんだなぁ〜」っと言う心情になっていたと思う。少なくとも俺は少しだけなった。
「…、えっと、とりあえずナミおろしてくれない?」
あー、そういえばルカは荷物のように運ばれていたんだったワスレテター。
「はい。」
ナミさんは丁寧にルカを下ろした。しかしそこには特に感情はなく、まるで機械が荷物をスッと置くようなそんな無機質な感じがナミさんからしたら。
「で、やるのか、やらないのか?。」
気まずくなった雰囲気をなんとかしようと俺は適当にルカに投げかける。
「や!やるよ!ヘイ、ナミ!機械出して!」
「かしこまりました。」
ルカが指パッチンをするとナミさんは慣れた手つきで箱から機械を取り出した。普段荷物の開け閉め、片付けなどをおこなっているメイド特有の能力だ。じゃなきゃめちゃくちゃな手際を説明できない。
「お兄様!この機械かぶってね。」
ルカはふかふかなカーペットに座りナミが取り出した機械を俺に対して渡した。
「ん?、あぁ、わかった。」
ナミさんの素早い動きに頭の処理が追いついていない俺はルカが座っているのも見て、自分も座り、指示通り自分の頭でより人一倍大きい機械を被った。
「ナミ!スイッチオン!」
「スイッチオン!です。」
ブォン
「うぉ!。」
被っていた機械はなく部分が青く電子的な光を出し、俺が被っていた機械の内側はスクリーンのように光った。
スクリーンには【NowLoading】と、表示されていた。
「お兄様、初期設定は指示に従ってやってね。終わったらこの、大きい機械にそれを繋げて、もう一度被ってね。私は先にログインしてるから、」
「お、おう。、」
ルカがそう言うと、ちょうど機械のロードが終わり、初期設定が始まった。初期設定の内容は、名前、性別、アイコン、アカウント、住所等などだった。全部音声認識だったため、すぐに済ますことができた。
(アイコンはー、適当でいいか。)
今後続いていくかどうかもわからないし、
【これにて、初期設定は終了です。お疲れ様でした。】
「そんな、疲れてないけどな、。っと、」
俺は機械を外し、さっきルカが言った通り、
馬鹿でかい機械に今つけていた機械を接続。隣でルカが横たわっているように、自分も横たわる。そうすると、機械が青く光だし、半透明なホログラムが表示された。
【本体をかぶって下さい】っと表示されていたので、俺はそれにしたがってさっきつなげた機械を頭から被った。
[ピィン。]
音が鳴ると、かぶっていた機械が光だし、体がなんだか軽くなった。俺は自分の体を確認しようと顔を下げたところ、
「うぇ?!、」
何故だかわからないが、リアルの首ではなく、機械に移っている視界が動いた。他にも手を動かそうとすると、画面に写っている手が動いたりした俺始めての体験に動揺を隠しきれなかった。そして,それに機械が反応したのか、
【本機械を大型機械と接続中は微量の脳波を受信することによってまるで自分の手を動かす時と同じような、感覚が味わえます。なお,この機能を解除する際は、「同一機能解除」と、お呼びください。】
(サイコミュ系統の技術っぽいな、特にNTDとかそこらへんの、。にしても、どうやって俺の体に行く方の脳波?、、をかき消してるんだ?…まぁいいか、それより、目の前にある。この【SAMONN】ってやつ、これだったか?一緒にやるやつ。、、指で押せばいいのかな?、っ!?)
俺はとりあえず指で押した。そのとき、明らかに実体がある感触があった。VRゲームからっきしの俺からしたら全くもって奇妙な話だ、現実と分離された体、そして現実さながらの感触、、
(マジでどうゆう仕組みだよ。実体があるとか、。)
そして,ゲームが開始、注意事項と、アバター決めが行われた。それと、種族選択。
(なんか色々あるけど、どれもよくわからないな…あ、でもこの"オートマタ"っていうのを機械っぽい。、よくわからないやつよりも身に馴染んだ機械文明が一番ということで、これにするか、)
※機械がないのはファンタジーだからです。
【ゲームスタート】
[ピロン]
(?、)
【{RUKA}というプレイヤーから、パーティチャットの誘いが来ています。受信しますか?】
【yes】 【no】
(え〜と、yes。)
【パーティに参加しました。】
「あ、あ〜、お兄ちゃん聴こえる?」
(おお、ルカの声が聞こえる!)
でも声が出ないな。
「お兄ちゃん、声を出すときは【ボイスチャット。オン】って言ってね。」
(えーと、ボイスチャットオン。)
そう言うとピピっと音がなり、
※声も同一機能で基本的に遮断されます。
【ボイスチャットがオンになりました。】
「あーあー。ルカ聞こえるか?」
こう言う機械はそんなに得意じゃないのでまずはマイクのボイステストみたいなやり方で言う俺。
「オッケー!聞こえるよ!もうチュートリアル終わった?」
チュートリアルは、まだ触ってすらないな。
「まだ終わってない。、今ロード中。それと、どうやってパーティ申請送れたんだ?。」
普通に疑問だ。
「ローカルで探したからだよ。フレンド申請も送っといたから。申請してね。」
「了解。、」
俺は浮かび上がったフレンド申請をyesと押した。
【RUKAとフレンドになりました。】
「なぁ、ルカ、このゲームについて質問があるんだけど?、。」
ていうか、質問だらけなんだが。
「いいよ!なんでも言って、。」
「このゲーム、そのどういった系ジャンルのゲームなんだ?。」
正直、大会で勝ち取った俺からしたら偶然もらったものと同義レベルなのであんまりよく知らない。
「えーと、簡単に言えば剣と魔法の世界!いわゆるファンタジーだね。」
元気な声でそう言うルカ、しかし俺にはあまりピンと来ない。
「剣と魔法…、。なぁルカ、VR MMO RPGってなんだ?」
俺はなんだがファンタジー単語自体じゃわからなそうだったので、根源的にVRMMO RPGについて聞いてみることにした。
「…もしかしてお兄ちゃんVRも、MMOもRPG知らない?」
ルカはそう言う。なんだがこっちが申し訳なっくなってくるのは何故だろうか…。
「えーと、VRはわかる。でもMMO RPGがそんなに。」
「えー、とじゃあ説明するね、私たちが今からやるゲームはいわゆる剣と魔法の世界!モンスターがうじゃうじゃいて、討伐したり、クエストを受けたり、ファンタジーお馴染みのゲームなの!それを最新技術でより、面白く!楽しくしたのがVR MMO RPG。、だからその、MMOはえっと大規模多人数〜なんちゃらかんちゃらで、RPGはそのまんま、ロールプレイングゲームの略。、」
「…、、。」
ここであえて説明雑くね?とは言わない。ルカクオリティだからだ。
「で?、どうかな。」
「うん、まぁとりあえず、やってみるよ。それで今後どうか決める。、」
この先どうなるかはわからない、なんなら、、正直言ってしまえば、、楽しめる気は今のところない。だが、ルカの頼みである以上やるしかない、
ので、まぁ第一目標的には、少し可哀想だが…ルカが満足するまでにしよう。
そして俺はチュートリアルをスタートする。
「,ここは。ルカ?、、」
ボイスチャットが切れている、いや繋がってるけど、繋がっていない?。
【チュートリアル開始】
目の前にその言葉がエフェクトと効果音と共に現れる。
【1会話チュートリアル】
「会話チュートリアルってことは。」
[フォン。]
目の前に真っ白い人形が現れる。頭には「…」っと三つ並んでいる。どうやらそのまんま話すようだ。
(とりあえず近づくか。)
そう思い近づく、さっきのyes、noみたいに選択肢が出るんじゃないかと思っていたからだ、しかしどれだけ近づいても出てこないので、、。
(もしや、)「あの?。」
【クリア】
マジで話しかけるタイプだった。
【2戦闘チュートリアル開始】
「いきなりだな。」
唐突に終わって、唐突にくる表示にそう言葉を漏らす。
【武器を選択】
次の瞬間、あらゆる武器が自分の周りに浮いている、正直言ってどこにでもある感がすごい、初期装備?っとかいうやつなんだろうか、、。
とりあえず、剣を手に取ってみる。本来ならコンバットナイフとかがいいんだが。いや使ったことないぞ、ロマンでだ、ロマンで、、。
【敵性生物出現】
そう出ると、目の前には黒色な生物的デザインが浮かんできた。それはまるで魔物のような、、白色の世界に黒色の敵、コントラストになっていてとても見やすいことだ。
「本番ではそうはいかないだろうけど。」
「grrrrr!!!!」
こい。
そう思ったら相手が襲いかかってきた。四足歩行の犬、いや狼か。素早さでは負けていると思うがここは回避だな、動物の反応速度ってのは人間様よりよっぽど早い、
俺は狼とすれ違うギリギリの形で回避した。動物ってのは何でもかんでも首から解決しようとする。だから首が動いているとき同時に体を動かすのは本能で生きている奴にとってはとても至難な技のはず。
「grrrrr、。」
怒りを内側に溜めながらベンタブラックのように染まっている狼はこちらを見ている。
この戦いで一番問題なのは相手がどこを向いているかわからないことだ。
相手の目を見れば次相手がどこを狙うのかなんとなくでもいいからわかる、まぁ結局は反応速度や視力の問題になってくるが。
「gauuu!!」
どうやらワンパターンのようだ。なら、
「っ!!」
狼が俺に飛びかかってくるちょうどを狙うように俺は両手で狼を下顎から一直線に貫く。
絵面はまぁどこかで見たことあるような構図だ、、相手が人形だったらもっと良かったんだがな。
「g────」
パリンっと音を立てて、狼は消えていく、
(なるほど。それがゲーム内での討伐表示か,まぁ無駄に死体だけ残っても嫌だからなぁ〜。)
【簡易チュートリアル終了】
もう終わりか。
【……新しい世界へあなたをご招待いたします。】
「別に招待状なんかもらってないんだけどなぁ〜。」
全ては妹の為、それだけだ。
──【SAMONN】──
『topic』
ルカは暁と2人きりのときは「お兄ちゃん」誰か他の人がいるときは「お兄様」と切り替えている