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二十七話「プレゼンツor〇〇」

前回あらすじ


紅月はエズと装備開発へ、ウミ、ルルカ、レナは買い物へ。

 



 ──ゲレームMk ~Ⅱ・工場こうば紅月専用──




 「おーい、ここはどうなんじゃー?」


エズが俺に声かける、俺はスタッフに「ちょっと待っててくれ」っと言いエズのところへ向かう。


 「どこよぉ、」


 「ここよぉ、」


エズは携帯端末に表示されている設計図の脚部にゆび指す。さっきからこれの繰り返しだ、最もエズだけではなくここにいるほとんどのスタッフからだが、。3人1組の形となりそれぞれの動力部、スラスター部位、装甲部位などを担当する。


 「スラスター部位の駆動、これ曲がるか?」


エズはスラスター部位の担当だ、普通ならば脚部と背部に別れるところをエズはりょうしゃたんとうしているため、大忙しだ。ここにいる技術スタッフが未熟か,未熟じゃないとか限らずエズが出払ってるところを見ると,完全に彼女の担当だということがわかる。


 「う〜ん、計算上曲がる様にできてこれなんだが、、」


 「ちょいと計算式みせい、。」


俺は使った計算式をスマホから取り出す。


 「う〜む、ギリギリすぎんか?」


 「変えたほうがいいか?。」


 「変えないと正直心配じゃな、それに推進剤を搭載する量が少ない。修正しとくぞ,」


 「おう,任せた。」


流石の俺も万能じゃないので、設計図はほぼ机上の空論。よってエズに享受してもらいながらやっている。エズが前に行っていた早めに作っておいて損はないとか言っていたが、全くその通りだなと感じさせられる。


 「紅月さん!、こっちもお願いしますー!」


 「はーい!」


俺は他のスタッフの声に振り向き、返事し向かう。今度は中心動力部か,。

ふぅ〜っと内側に溜まっていた熱を出し集中する。

確か動力部は外付けが基本だったが俺の内部の方も回収するんだっけ、もう少し容量を増やしてもらって戦局に対応しやすくするために。武装の方も試験型を含めたビーム兵装が実装されるようだ、少なくともエズは俺のビームマグナムを改良するとも言っていた。

 故に思う、この場に俺は必要なのかと。俺の遊び同然で書いた設計図はエズとスタッフたちのおかげでかなり改修が効いてきている、正直行っている俺が出る幕も無くなってきているハズだ、それにここにいるスタッフたちは俺より経験があるそれならば後は自由に改造してもらってもいい気がしてきた。邪魔しないのが吉と思う。えっ?この前エズと話し合っていた時、設計図改造の受託を譲らなかったじゃないかって、?。まぁ確かにそうなんだがそれは俺の作ったものが他人に勝手されるのがいい気分じゃなかったからだ、誰しも自分の部屋に他人を入れることが無いのと同じだな。

だが来てみて考えが変わった、ここにいる奴らなら大丈夫そうだと一丁前に考えてしまった。人を見る目があるか無いかはさておき、、。それとやっぱり一番は…、


プラモを作りたい。


いや、今目の前で機械化したプラモを組み立てている同然のことをしているんだが、、やっぱり複雑なんだよな中身が。それがいい結果を生み出してるんだが、、専門用語が多い。そりゃそうだ、だってここにいる奴らは現代の知識を中世の時代に持ち込んで何もな状態から機械を作っている連中だ、やっていることが違いすぎる。それに加え魔法とか魔力とかこの世界と特有のものとの互換性などもしっかりと穴埋めして、試作段階のものも使ってみた感じ実用段階レベルまで運用できると考えられるクオリィティ、正直言って革命だ科の有名なエジソンが電球を開発したとかそういうレベルの話だ。


 地面から鉄を作れるか?、いいや作れない、仮に作れたとしても泥団子程度だろう。しかしこいつらは地面にある僅かに鉄分を集めて半年という時間でここまでの大型施設を作った。魔法の影響があったにしても凄いことだろう、ルルカが驚いていたことを鑑みてもこの世界ではこれほど進んだ技術革新がまだ起きていない証明にも繋がる。もっともルルカクオリティなのはいうまでもないが…。まぁ結局のところ


プラモ作りたい。




 ──紅月の魂の叫び(?)から数分後──




 「なぁ、これいつぐらいまで続きそう?」


真っ白になり目は虚になった俺はエズに問う。


 「うぅむ…。まぁ今日のところはこのぐらいで終わりにするか。お主も、だいぶ疲れ切った顔しておるからな。」


エズはニマニマと俺の顔色を伺いながら答えた、そして俺は『このぐらいで終わりにするか。』という言葉を聞いて自分はさらなる労働を強いられることとなるのだと大袈裟にも考えた。しかし今日はこれで終わりなのだとそう思ったことで心がホッとしたのか俺は大きくため息を吐いた。




 ──ゲレームMk ~Ⅱ・横エレベーター(移動用)──




ガコンッっと音がし、足場が移動しきったことをボーッとした脳で感じる、集中切れだ。


 「ホォーれついたぞ〜。」


エズは俺をユサユサとして起こそうとする。大丈夫だ、俺は起きている。しかしもう考えられない、何も。

 そう思いつつも足を動かす、足場をおり、今日来た道を戻る。


 (思えば1日の出来事だった、とても疲れる戦闘訓練をして、エズから色々聞いて、この施設の考えをあらためて、エズをみくびっていたと思って、装備製作の手伝いをして、、。もう家に帰ったら寝たい気分だ、まぁ仮組のプラモは作るけど、、)


疲弊した俺はエズの介護によってなんとか移動、さっきのコロシアム型の模擬戦場に戻ってきた。


 「あっ!お兄様ぁ〜。」


そこにはルルカたちが既に待っていた。手、腕には大きな袋を下げていた、どうやら色々買えたらしい。


 「おー。」

気力のない声で俺はルルカに返事する。


 「紅月様大丈夫ですか?」


 「死んだんじゃないの〜?」

レナがいつぞやのコックのような声のトーンで聞いてきた。


 「うんまぁ燃え尽きとるだけじゃと思う。」

そうしてエズは俺の身柄をウミさんに預ける。


 「確かに真っ白になってますね。今日のところは休ませたほうがいいでしょうか?。」


 「うぅむ、そうするのが得策じゃな、なんせこいつは今日1日で色々あったからな妾たちも紅月がいるときに聞けるだけ聞こうと少し急かしてしまったし、BOブルーオルタの件もある。」


 「プラモ、、プラモ…。」


 「ちょっと何か言い始めたわよ。」

レナは俺を少し引き気味で見た。


 「いつもの発作かな、しばらくしたら治ると思うから。」


 「医者か、、」


エズが斬新にツッコむ。


 「お嬢様は紅月様のことをよくご存知なんですよぉ〜。」


ウミがまるで自分のことのように話す、それはまるで我が子可愛さに他人へ自慢する親バカそのものだ。


 「まぁまぁ、とりあえず今日は終わるとして。また今度にしましょ、当の本人がこの調子なせいで。」


レナは強めに俺に言ったが帰ってくるのは無のみ、紅月は動かない。そんな俺を見る一同


 「…。」


ルルカは納得したが不満が募る顔になっていた。せっかく買った服を今すぐにでもお兄様に見せたかっただろう、しかし今は身が第一。見せたい気持ちを抑えながらルルカは言うのを我慢した。それにお兄様がちゃんと評価してくれるか怪しい状態だったこともある。


 「それじゃあ、今日はやめにするとしよう。」


そこにいる皆はそう聞いた瞬間ログアウトボタンを押そうとする。


 「ちょっと待って、このバカしっかりログアウトした後、寝れる?。」


レナのその一言によりルルカ、ウミに電流走る。二人は互いに互いを感じ取ったせいか何も言わずログアウト。


 「まぁ流石にそこまで考える必要ないじゃろ、って運んできた妾じゃ説得力ないか、、」


絵図は自分が喋っている間にログアウトしてしまった二人にそう言い残した。


 「、、あんた今日も残業?。」


レナが少し呆れ気味に聞いた。


 「当たり前!、今日聞いたことが忘れぬうちに取り掛かるのが真の技術者じゃ、そんじゃあの!!」


エズは元気よくその場を去っていった。


 「はぁ〜、私もおわろ。」


レナもその場から退出。




 ──ゲレームMk~Ⅱ・戦闘訓練場──



残るは広くなったコロシアムとスタッフたちが数名今回の故障について点検修理改修をおこなっている。


 「今回の戦闘でひどくやられたな〜、」


 「どっかの誰かさんが中止ボタンを付けていなかったからだけどな。」


 「…。すみません。」

あるスタッフが申し訳そうに言った。


 「いや、いいよ。エズ様だってそんなに怒ってなかったし、最初以外は。」


 「鬼の形相だったな。初めて見た、でもその後の満面の笑みはすごかったなぁ〜。」


 「あ〜、確かめっちゃいいデータ取れたからじゃなかったっけ?。客がBOブルーオルタ壊したらしいよ。」


 「はぁ?!なんで壊せんの??」


 「こわ。」

そうしてスタッフの中で噂が広まった、死神を殺す死神がいると、、。しかし当の本人は今、。





 ──現実世界・豪邸(ルルカの家)──




 「ナミ〜私がいくから別に行かなくてもいいんだよ〜。」


 「いいえ,そういうわけにはいきません。ルカお嬢様が行くならば専属である私が行かない理由にはなりません。」


ログアウトした二人は暁の介護が必要と聞いて、こう考えた『お兄様・若葉様 の世話ができると、』これは致し方のないことであって決して暁のそばに居たいとか考えていない。そう、決して真っ当な理由だと


 ルカは「妹である私が行かなくて、誰が行くのか、。」


 ナミは「ルカお嬢様のお世話ができる私の他に誰が行くのでしょうか、。」


という感じに善意で満ちている、表向きは。


 【裏向き】


 「お兄様と一緒にいられるなんて!しかも二人きりで!」


 「若葉様のため、若葉様のため、決して二人きりになりたいだなんて考えておりません。あわよくば少しだけ…」


 という感じに私情に満ち溢れている二人、そして考えて欲しいそんな二人がもし激突しあったらどうなるか?、もちろんこうなる。


 「ナミ、寒いの嫌いだったでしょ。私がお兄様のところに行ってくるから、ナミは今日の疲れを癒して(く、、中々引かない、ナミもなんだが大胆になってきた気がする。)」


 「いえいえお嬢様こそ寒いのが苦手でしょう。この間もコタツから出られなかったのはどちらでしょう?(お嬢様が中々に粘りますね。)」


どちらも暁のためという目的があるが,同時に誰も近寄らせないという執念がある。そのおかげでログアウトから数分この状態が続いている。二人に用がある使用人たちは立ち尽くしている、明らかにその間に入ろうものなら両者からの集中砲火が飛んでくることは想像に難くない。


 「ナミうるさい!、今は暖かいから良いの!」


だがそれももう終わる。ナミとルカとの間には決定的な差がある。それは経験の差、歳の差、

知識の差だ、ルカは高校生だが語彙力が優れているとはとても思えない、一方ナミは経歴が優れている言葉選びや対人においての駆け引きもできるなど長所のオンパレードだ。となると勝敗を決するのは…、


 「二人とも、一旦落ち着きなさい。」


 「お父さん!?」


 「ご当主様?!、お、お見苦しいところを」


いずれはナミの勝利に終わるはずだった戦いもご当主の介入により中断された。


 「二人とも、若葉くんのことを思うなら今一度二人で行ってくれば良いだろう。第一こうしている間、若葉君はどうしていると思う。」


 『!!』


全くその通りである。二人は大事な者の為に戦いあっていたがそれは同時に根本性を無くす理由にもなっていた。そしてお互い負けず嫌い、引くことを常、頭にから抜けていた状態だった為引くに引けない戦い、そしてエスカレート。二人は自分の言動を改めて悔やんだ。


 特にナミさんは自分のことをかなり責めた、主人に道を譲るのがメイドの務め、しかしそれを放棄し、私情に走ったことは彼女のプライドを傷つけるのに十分だった。いまだにどうしてそのような行動に出たかわからなかった、医者も治せぬ病とはまさにこの事だろう。


 一方ルカは反省こそしているものの、元の性格上ナミほど反省なし。ただ暁に対して申し訳ないという感情で一杯だ。


 そしてそれをわかりやすく顔に出ている二人を見たご当主、これ以上叱れないという思いが湧き出てくる。それに加え、自分もここで叱ってしまったら先ほどの二人のように永遠に続いてしまう為、やめざるおえなかった。暁からもルカにあまり長く説教しないでくださいねと注意されたのも同時に思い出した為、気は失せていた。


 「、、まぁ二人とも早くいってやりなさい。暁が待ってる。」


という感じで二人は暁の家へと向かう、当たり前のように全速力だ。その後二人は暁を介護して無事、和解した。


 そしてそこから数日が経過する、模擬戦と装備の改修と開発。時は第二大会公式大会へ、



 次回 第二十八話「第二回公式大会《1》」

をお待ちください。いよいよ,クライマックス開始です(遅くなって申し訳ございません。それとまだまだ続きます!)

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