表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/172

十八話「ゲレームにつきまして。」

前回のあらすじ


紅月御一行は列車に乗り、発車の音を聞きながら目的地である錬鉱国ゲレームへと向かった。



 「ムムッム〜。」


ルルカは自分の手元にあるトランプカードを見ながら俺の方をチラチラしながら何やら悩んでいる。


 「…。」


俺はというと、ダイヤの10、スペードの9、ジョーカ。の3つのカードが手元にある。


 「、、。」


俺たちは互いにカードを裏にして絵柄を見せないようにしている。そうこれは、


 「えぇえい!!」


ルルカは思い切って俺お手札のうち一つのカードを引いた。そして引いてとたんカードを柄を見ないように目を瞑った。


 「、、。ん─。」


ルルカはゆっくりと瞑っていた目を開き、カードの柄を見た、しかし確認した瞬間ルルカの顔が一気に悪くなった。


 ((ルルカ『お嬢様』顔に出過ぎ、『です、』))


そうこれはババ抜き、俺たちは出発した列車の中で大人しくトランプゲームをしている。1時間という長い時間を暇潰すには結構ちょうどいい、。


 「ムゥ、、。、ちょっとトイレ。」


そう言うとルルカは設定画面の下の項目をタップし青いホログラム状の姿になり、頭の上には一時離脱中と書いてある。このゲームにトイレという概念はもちろん存在する、しかしそれはゲームの話。現実でトイレに行きたくなったら基本ゲームをやめるか、今のルルカのような離脱状態にし、トイレに行って返ってくるというような感じに使える。離脱状態はゲームの操作ができないログイン状態といった方が正しい表現だ、なぜこんな機能があるか(ルルカに)聞いてみたところ、この『SAMONN』にはリアルタイム進行なクエストだのイベントが数多くあるため、この機能があるんじゃないかと言われた。またルルカ自身もネットの考察をもとに説明したらしく、真相は定かではないとか。色々と謎だらけのゲームだこと、、。ウミさんにも聞いたところ、同じような返答をされた。


 「、。あと25分か、長いなぁ〜。」


 「それに微妙な時間ですしね。」


25分でできることは明らかに少ない。いいとこ動画配信サービスでアニメを一つ観れるか見れないかだろう、プラモも25分だったらせいぜい仮組みまでしかできない。塗装もするんなら最低4時間はいただきたいところ。


 「…、新しい新作でも見よ。」


俺はそう呟き、メニュー画面の、『連結』と書いてあるボタンを押した。

このゲーム、実は現実のスマホとのリンクが取れる、そのためスマホにあるデータをこっちに持って来れたりそれを簡易アイテム化できるのだ、正直ゲームの枠口を超えている設定だろうが俺はなんとなく慣れた。

『連結』によってスマホにあるアプリを開き、最近出た新作のロボットアニメをタップする。モードを『プロジェクター』にセットして、部屋の適当な壁に映し出して準備OK。


 「あの、どういうお話なんでしょうか、、」


ウミさんが頃合いを見計らって俺に聞いてきた、。興味があるのだろうか。そんなことを思いながら俺はスタートボタンを押し、ウミさんにざっとの作品説明をした。




 ──23分後──




「俺と、結婚してくれ、。」


「…、え?」




 [──エンディング──]




 (((…何言ってんだこいつ、?)))←ルルカは途中で合流しました


あれおかしい、俺は戦争ものを見に来たはずなのに、なぜプロポーズシーンで終わる作品を見ているのだろう。

ていうかそこプロポーズするところなのだろうか、。絶対プロポーズする場面じゃないよね、主人公から慰めの言葉みたいなこと言われて、、。え?。


 『まもなく、練鉱国ゲレームに到着いたします。お近くのゲートの方へご集合ください。』


俺がちょうどわからなくなってきた時に、車内のアナウンスが鳴った。この事実を平然と啓れていた自分だが後々考えてみればこれもルルカが言っていた『魔道具』なんじゃないかと俺は思った。そうして俺の脳内で無線機のような魔道具も作れるのではないかという考えが浮かんでいることを密かに感じていた。まぁ正直ゲームのパーティチャットがあるのでこれの需要性はかなり低いんじゃないかと俺はのちに思い、ただ無意味な想像だったことを少し悔やんだ。


そしてそんなことを考えながら適当に部屋の片付けをし。レナ、ナズナとの合流をして目的地であるゲレームに俺たち一行は到着したのであった。


列車はオアシスキャンプの時と同様に地下で止まったため、エレベーターの列に並ぶことは必然のことであった、そうして地上についたとしても今度は馬鹿でかいゲレームの壁、、の一角にある入国ゲートを通らないといけないので思った以上に時間がかかった、朝方に到着したはずのゲレームは夜になり、そして朝になるほどの時間が経過していたため、俺たちは時間的にも、精神的にも話題的にもかなりきつい状況だったがなんとか乗り切った。

そしてゲートをやっとのことで通り抜けられたとしても時間が時間だったので解散、ナズナは「レナさんにしっかりとお別れして行きたい」という理由で俺たちの時間に合わせてくれた。俺(ルルカ、ウミ、レナ)は『なんていい子なのだろうと』心の中からそう思った。




 ──合流──




 「ぅ〜、ナズナちゃん元気でネェ。」


レナがハンカチ片手で涙を拭きながら、自分達からそこそこ距離があるナズナに向け、手を振る。

 

 (オカンか、。)


っと俺は正直思ったが、あえて言わないようにした。

それと、ログインからこの状態だったため俺は正直結構びっくりしている。


 「はい!レナさん、皆さんもお気をつけぇ〜!!」


ナズナ振り返りながらそう言い、手を振って民衆の中へと消えていった。


 「うぅ〜、。私もいくぅー!!」


 「ダメですよ、。」


辛抱たまらずナズナが向かっていった方へ行こうとするレナをウミさんがキャッチし止める。


 「私のファンだったのにぃ〜。」


隠しきれない涙腺を目にレナはナズナがいった方へと向かおうとするがウミによって、掴まれているため、いけない。


 「レナ、いい加減案内してくれ。」


第三者からしたら感動の別れかもしれないが俺達からしたら一刻も早く大会用の装備を完成させたいのでレナの駄々っ子に付き合っている暇ないのだ。そのためにもまずこの場所から動かなくては、


 「うぇ〜ん。」


 「ほら、今日はまだ始まったばっかりなんだぞ、シャキッとせいシャキッと。」


 「うぅ〜、。」


俺がそう言うとレナは頷き、小さく泣き声を言いながら進んでいく、。おそらく目的地に向かって歩いていってるのだろうと思う俺の脳の片隅にはなぜかレナが動物のような雰囲気を纏っている感じがしてたまらなかった、もちろん可愛くないが。そうしてレナに従って歩いていくと、大通りから少し外れたところまできた、道は少し狭くなり俺たちは一列になり移動するほどになっていた。道の所々に布切れや、小道具などが置かれており、本格的にファンタジーでよくある小道の感じがする、いや、正確には裏通りか?


 (確かレナは『ちょっと問題があって、、」とか言っていたから結構な変人なんだと思うが流石に、、)


俺は再び、自分が歩いている道を確認した、もう何年も、使われていない道と言ってもいいほどに汚れており、道を歩いていると、たまに変な生き物がいたりするほどだ(←虫嫌い)正直こんなところにいてはいくらオートマタだからといって精神汚染がない訳ではないと感じた。そうして辛抱たまらなくなった俺はレナに聞いてみた。


 「なぁ、本当にこっちであってるのか?」


 「?、どういう意味よ。私のナビが間違っているとでも?」


 「いや、お前のナビが間違ってるわけじゃなくて、本当にこんなところに人が住んでるかってことだよ。」


 「?、住んでるわけないじゃない、こんなところ住んでいたら今頃頭おかしくなってるわよ。」


 「?っ。じゃあ何のためにこの道歩いてんだよ!?」


 ルルカ(何でこんな道歩いてるの?!)


 ウミ(えぇ!ではなぜこんな道歩いているのですか!?)


 (とか二人は思っているでしょうね、)「普通に行ったら会いに行けないタイプのやつなのよ、あ、試練的って意味じゃなくてね、単に忙しいだけなのよ。変人のくせに、まぁ立場も、、少しはあるかもしれないけど。」


 「にしたって、少しは道綺麗にしろよ、。」


 「一応、ギルドの方で依頼を出してるらしいんだけど、全く来ないらしいわ。」


 (((それはそう)))


 (こんな長い道、しかも汚さ100点満点の道を誰もやろうとは考えないだろう、ていうかわかってて頼んでるだろ。)


 「ウミは綺麗にできそう?」


ルルカがウミさんに質問する。質問だけで済むといいなぁウミさん。


 「、、yesかnoかで答えればyesですけれども、正直気乗りしません。」


ウミさんが自分の足元をあまりよろしくない表情で見ながらそう言った。


俺は密かにウミさんの言葉を苦笑した。


 「で、よくもまぁそんな奴とコンタクト取れて、こんな最悪な道知ってんなぁ」


 「いやね、最初は怪しそうな奴だなぁ〜、っと思って跡をついていったらね、でなんか戦闘態勢に入られて、〜とりあえず落ち着いて話をしたらいいやつ(?)で、まぁそんな感じでフレンドになったって感じね。」


 (それって、怪しいだけを理由に尾行したって感じだよな。相手からしたらそりゃ尾行されたら自然に戦闘態勢になるわ、。)


 「?どうかした?」


レナは無反応な俺を不思議と感じたのか、振り返って気にした。


 「いや、何でも。」


俺は何とか表情を変え、レナに返した。レナは時折勘の良いところがあるので、こういうことを気をつけていないと後でぐちぐち言われるのがオチだ、。


 「?」


レナは少し不思議そうな顔をしてまた前を向き歩き始めた、レナの感じからするとどうやら、後ろの二人を俺と同じことを思ったらしい。そりゃ適当にながら聞いていても、思う話だからな。


そうしてそこから少し歩き、レナが止まった。


 「ここよ、。」


レナが俺たちの方に振り返り、そう言うとレナの前には一つの扉があった。


レナは無言で、その扉にアイテムボックスから取り出した鍵を差し込み、回し、扉を開けた。そこには下り階段が続いており、ファンタジー感を感じる。


 「行くわよ、。」


レナはそう言うと、また進み始めた。俺たちはレナの言葉どうりにまた歩み始める降ろ階段はほんの数段程度で終わり俺たちはまた狭い通路を歩いていくこととなった。


 「ゲレームの人って地下好きなのか?、」


地下鉄といい、今回の道といい、俺はそんな気がしたのでレナに聞いてみた。


 「さぁ?、私が知ったこっちゃないわよ、いいとこロマンなんじゃない。」


 (あり得なくなさそうなんだよなぁ)「なるほど。」


俺はそう思いながら、返した。

今度の道はそんなに汚くない、逆に、明かりとして壁にちょくちょくある魔道ランプがいい味出してるせいか綺麗に感じる。そして虫も居ない、強いて悪い点を挙げるのなら、ちょっと埃っぽいと言った感じだが、正直オートマタなので何のデメリットもない。後ろの二人はどうかわからないが、。


 「どこまで歩くの〜?」


ルルカが疲れた声でそう言った、さっき埃っぽいと思ったがルルカには些細なことだったらしい。


 「もうすぐよ、後ちょっと踏ん張りなさい。」


レナも少し、納得した表情でルルカに言う、おそらくここにいる全員そこそこお疲れている、。肉体的にはどうかわからんが確実に精神的に疲れているのがわかる。俺はというとこの中で一番疲れている自信がある、なぜかって?元々体力に自信がないからだ。


そうしてそこから2〜3分程度歩いた俺たちは難所に辿り着いた、登階段だ。そりゃ降っていた階段があるのなら登る階段もあるだろうと思うだろうしかし、問題はそこじゃない、この階段。長いのだ。長いとてつもなく長い、降るのが一瞬だったからこんなに登るとは思ってなかった。とは全くもって違う明らかに、。物理的に増えている、。それが今の俺たちの心を砕きにきているほどにやばい。レナが会いに行くのが難しいと言っていたがおそらく立場的な問題だろう、しかしながら、明らかにこっちの方が辛い気しかしない、なぜ真正面から行かなかったのか。


そんなことを考えながら俺は、俺達一行は何とか階段を上がりぬき、この地下通路の入り口と同様の扉の前まできた。


 「あ゛〜つっら。」


 「もう歩けないぃ〜。」


 「ぅっ〜、応えますね。」


 「乙カレ。」


全員ゼーハー状態だった、そこから俺たちは減ったスタミナの回復を適当な食事で済ませ、落ち着いた。


 「よし、行くわよ。」


レナのなぜか重みを感じる言葉に俺は唾を飲み、何かの覚悟をした。

レナが扉を開けると、そこは一室と繋がっていた。そして俺たちが通ってきた扉もとい通路は壁紙によって隠されており、何のとも秘密の抜け道感が満載だった。


 「綺麗な部屋だな。」


内装はまるで豪邸の一室のような感じを残しながら何処か商談室のような感じも残していた、でかいソファーが二つ向き合うようになっており、その間にはテーブルが一つ、また、大きな窓が二つありそこから日が差し込んでいた。壁には大きな針子時計があり、時代を感じる。本当に中世って感じだ。


 「お兄様、ここから街を一望できるよ、。」


 「へぇ〜、。」


 「あ、あそこ市場ですよお嬢様。」


市場も見えると言うことはここはドデカいとうか何かか、?いやだがそんな大きなもの、ならゲレームの入国口から見えるはず、。、、だとしたら考えられるのは、。

 

 [バンっっ!!!]


扉が凄い勢いで開き、大きな音が部屋中に響き渡る、その瞬間俺は装備状態であった、ビームマグナムを瞬時に構えた、敵襲と思ったからだ。


 「いやー!!お待たせした!、仕事に少々時間を食ってな!。」


しかし、俺が銃口を向けた先にいたのは。


 「ん?」


豪勢な服を着た一人の金髪美少女だった。


『topic』 


紅月はビームマグナムを基本的に布隠しにして、持ち歩いている。しかしながら銃口のところは布から出しているためいつでも射撃が可能だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ