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十五話「メンバーを増やしたのか、俺(とルルカ)の許可なしに、。」

前回のあらすじ


先に行った二人を追いかけるべく、紅月とルルカは砂漠を歩く、。一方レナ、ウミはバスク砂漠中継オアシスキャンプで二人を待つ、そして待っている間にレナのファンであるナズナが参戦、紅月たちが来るまでの間レナはナズナと語り合う。



 「げ、ゲ〜、、。ゲルマニウム!」


 「またム!?、ム、ム〜…」


俺とルルカは現在、レナ、ウミさんたちが待つ『バスク砂漠中継オアシスキャンプ』に向かっている。そして俺たちは暇だからという理由でしりとりをしている。ルールはもちろん、『ん』がついてら負け、一度言った単語は使っちゃダメの通常ルールだが、ゲーム開始からかなりの時間が経っているため、流石に単語が少なくなってくる、。


 「ム…。あっ!ムツ(鯥)!!」


 「つ、ツ〜、、。ヅダ、。」


 「何それっ!?」


 「MS。」


もはやゴーストファイターすら出てくる始末だ。

体感1時間くらい歩いているのだがここまで何もないことが驚きだ、流石にしりとりやっているうちにプレイヤーだが、モンスターの一匹くらい出会うだろうと考えていたのだが全然いない。運営の調整ミスだと願いたいところだ、そういえば確か『被害者の会』みたいなタイトルの運営やらかし集があったような。今後こういう時代が訪れないことを祈らなければ、。


 「もうすぐつかな?。」


画面についているマップに『バスク砂漠中継オアシスキャンプ』の文字が見えてきた。マップ距離的に後10分って感じだ、しかし心身共に結構疲れている俺はこのまま気長に十分ルルカとしりとりをするわけにもいかない、


 「ルルカ、あそこまでダッシュ、!!」


 「えっ?!お兄様は待って、後少し出てきそうなのにぃ〜。タ、タァ〜、」


 「ルルカ!真面目なのはいいけどとりあえずオアシスまで行こう!!。」




 ──5分後──




俺たちは砂をけり、ついにオアシスへと辿り着いた。遠目で見た時はそこまで大きくないと思ってはいたものの、いざ辿り着いてみれば小さな町一つ分くらいの大きさがあると感じた。


 「ついたー!ここが"バスク砂漠中継オアシスキャンプ"かぁ〜。んー!空気が美味しい気がする。」


砂の空気とは大違いのなんだが浄化された空気を感じる。プラシボー効果だったらそれまでの話なのだが、空気だけで水々しさを感じてくるのは間違いない。


 「結構賑わってるね、。あっ、レナとの合流場所を確認しないと──。」


 「歩いてる時に思ったんだが、ここってけっこう広いよな、。現実にあるのよりよっぽど、」


以前、資料でエジプトのオアシスを見たことあったが、こんなに大きかったか?っと思うほどだった。


 「まぁゲームの世界だし、。」


 (リアルなのか、リアルじゃないのか)


心の中で心底そう思った。


 「それよりお兄様、早く合流場所に向かうよ!。」


ルルカはそういうと俺の手をとり引っ張る様に進む。頼もしいなぁ〜我が妹は。ゲームの中だけだけど、、


俺はそのままルルカに従ってオアシスのキャンプをの中を歩きながら、レナたちとの合流地点へ向かう。名前には中継キャンプと書いてあったが見た感じキャンプというよりかは、バザーという言葉が似合う感じになっている。所々に店があり食べ物だったり装備だったり、ポーションだったりを売っている、にしてもほんとこのゲーム食べ物屋さんが多い気がする。

ファンタジー世界だというのに現代でもよく見る食べ物が売っていたりする。中には現実だったらカロリーオーバーし、体重がとんでもないことになったりするであろうものが結構多い、恐らくだが現実では太るがVRだったら、というなんともありがちなのが理由だということがわかる。

そりゃ俺だっていくらでも食べれるなら食べたいさ、。

しかし現実に忠実にしているためか、このゲームには『空腹ゲージ』が存在する。そのため食べれる量に上限があり、いくらでも食べれる感じではない。また、『水分ゲージ』というものもこのゲームは存在しており、甘いものばっかり食べていたら、もちろん早く減る、。

そしてそこまでリアルを追求しなくていいだろうと俺個人的に思ったシステムがある。それは『病気システム』だ。

「えったがが病気じゃん」と思うかもしれないがこの病気システム熱やインフルエンザなどのおなじみの病気も存在する。(正直ゲームの世界でインフルエンザってどうかと思うが、、。)しかし適用される病気はそれだけではなく、なんと『生活習慣病』にもかかる。、、うん。もう現実で良くない?っと俺は正直思った、。しかしこのみょうに現実じみた設定が世界で好評を博しているんだよなぁ〜、。

不思議だ。

にしてもさっきからチラチラ視界に入る、『サボテン焼き』ってやつめちゃくちゃ美味しそうだな、。あとでルルカに頼んでみるか、、。


※空腹ゲージ:人間の空腹度をゲージ化したもの、ゲージがゼロになったりするとダメージを受けるのがマイナー、またゲージが満タンだと食べられない。


 「、、。お兄様、後で『サボテン焼き』食べようね。」


 「あ、あぁ。いいのか?。」


 「だってお兄様食べたそうにしてたから。」


ゲっバレていたか、俺に似て勘がいい妹だ。


 「じゃぁ、しっかり奢らせてもらうぞ、。」


 「じゃあわたしはしっかりお兄様に奢るよ。」


ルルカはニー!っとした顔をして明るい声で言った。その仕草に俺は思わず笑顔した。兄離れはいつになるのやら、、。


 「あっ!お兄様、レナ達だよ。ってあれ誰?。」


ルルカはレナ達がいるところを指差して言った。そしてルルカが言ったとうり知らない人物が一人いる、レナの野郎の知り合いだろうか、。俺たちはそんなことを思いながらお互いに顔を合わせ、無言のままれなレナ達の方へ向かう。


 (見た感じ、レナと同じ採取者っぽいな、でかいツルハシ持ってるし、、身長はルルカよりも少し小さい、か。)


俺はルルカをチラ見し、レナと親しげに喋っている女の子をまた見た。


 (にしてもレナと楽しそうに喋ってんなぁ〜、知り合いか?)


レナは小さい知り合いが老いのだろうか、それともそういう層に人気があるからなのだろうか、。いやそれはないか、あんな堅物女が好かれるとはよくよく考えたらあり得ないこと、。じゃああのちびっ子は一体、?


 「あ、お嬢様、紅月様。」


そんなことを考えていたら、俺たちが近づいてきているのに気がついたウミさんが俺たちに頭を軽く下げ、挨拶をした。


 「ウミさん、こんばんは。結構待たせてしまって悪い、。」


俺も挨拶をし軽く頭を下げた。先に行ったのは二人だが、


 「いえいえ、元はといえばわたくしたちが先に行ってしまったのが原因ですので、。申し訳ありません。」


 「いやいや、遅くなったのは、。っ、今回はそういうことにしておきましょうか、、。」


このままでは無限ループが続くかと思い、俺は謝ろうとしていた言葉を途切らせ、落ち着いた感じでウミさんのせいってことにした。


 「ねぇウミ、レナは誰と喋ってるの?。」


頃合いを見計らっていたルルカがウミさんに聞いた。


 「あぁ、あちらは先ほど出会ったレナ様のファンのナズナ様です。」


ウミがレナと喋っている少女の方を少し向きながら簡単に紹介した。


 (ファン!?うそだろ!?)


 「ファン!?うそでしょ!?」


 「しーっ、お嬢様失礼ですよ!。」


ウミさんは人差し指を立てて自分の口に近づけて言った。


 「あっ、ごめん。でもレナにファンがいるなんて意外で。」


 「確かに聞いた時わたしも驚きましたけど〜、、。」


 (似たもの同士だなぁ。)


 (にしてもファンかぁ〜、。俺のファンは基本おっさんだからなぁ〜悲しい。どっかに可愛いプロモデラーいねぇかなぁ〜、いや、別におっさんが嫌で、女の子だったらなんでもいいってわけじゃなくてですね、つまりもっと若い世代のファンが欲しいなぁ〜っと思っているだけなんですよ。)


 「基本生産職って目立たないからファンがいるなんて思ってなくて、ほら現に私なんて『ルルカ教』とかいうのがあるし(わたし非公式で、)」


 「ですがそれは万人受けの問題では?、採掘者の中では『マイスター』はもはや冒険者ランクではSSSのレベル扱いなので、レナ様にもファンがいてもおかしくないと思いますよ。」


 「そういうものかなぁ〜。」


 「とにかく二人とも、こんなところで喋ってないで、レナととりあえず会話したら?」


 『あっ、はぁ〜い。』


ルルカとウミさんは俺の顔も見て子供が親の言うことを渋々聞いているかのような返事をした。


 (ほんと似てるなぁ〜。)


そう思っているとウミさんが話で盛り上がっているレナとナズナの間に入り俺たちが来たことを伝えていた。こウミさんが伝えたように見えあた次の瞬間、レナが俺に向かってすんごく嫌そうな顔をし大きくため息を吐いているのが見えた、。


 (あいつ後でしばいてやる。)


そしてトボトボと仕方なさそうな顔でこちらに向かってくる。


 「紅月、やっと来たのね。300年くらい待った感じだわ。」


レナがさっきまで楽しげにファンと喋っていたのが嘘のように態度を変えいつもの堅物女に戻った。


 「よく生きてたな。。」


俺は多少ジョークを織り交ぜた言い方でレナに向かってそこそこ怒りむき出しに答えた。


 「機械だもの。。」


レナは目を細め、口を少しニヤかせた顔で言った。どっかで見たことある顔だ、。ムカつくことには変わりないが、、。


 「そうかい。」


 「ではみなさんしっかり集まったのでいざ日の出と共に出発しましょうか!。」


 「はいはい、。あっ、ナズナちゃんも一緒に連れて行っていい?」


 「───まさか一緒に行くって言ってないよな?。」


 「言ったわよ。」

レナは首を傾げて何かおかしいことでもあった?っと今にも言いそうな顔をした。


 「、、はあぁぁぁ〜〜〜〜〜。次からは俺、またはルルカにに一言断りを入れてくれ、。流石にパーティ組んでいる以上、全員の合意を得てからにしろ、。」


 「別にいいじゃない、そんな面倒なことしなくて、。」


 「めんどうなことだって、?。お前ぇ、人間関係なめてんのか?、」


 「えっ?、」


レナが俺の雰囲気を察したのか少し、驚き気味で返事をした。


 「連絡が遅れるといろんな人に迷惑がかかるんだぞ、それこそ社会人生、または働くことになってからじゃ遅いぐらいなんだぞ、連絡が遅れる=生産スピードが遅れる=みんなが困る=責任を問われる=仕事を止めることだってあり得る。そりゃ、海外だったらそんな認識でもなんとかなるかもしれないがここは日本だ、そんな甘ったれた考えは捨てろ、日本は時間が命なんだよ、遅れた時はまず謝罪から入る、そして他人に迷惑をかけた時も謝罪から入る。お前はもうちょっと集団意識を持って行動した方がいいかもなぁ〜、、そんなんじゃ同じプロモデラーとして恥ずかしい。」


 「え、いや、それは、、。」


 「説教の覚悟はいいか?俺はできている。」


 「ちょ、ちょっと待ってください、ねぇ!ルルカ助けて、ウミさん助けて!。」


レナは二人に助けを求めるが二人は「あぁ」っとレナを憐れむような表情をしてただただ見ているだけであった。そしてしまいにはナズナちゃんに助けを入られないように目と耳を二人で協力して隠している。ナズナちゃん自身は今目の前で推しが大変な目に会おうとしているのを不思議そうな顔で当たりをキョロキョロしながら見ている。


 「あ、紅月悪かったてぇ、わたしが悪かったから、。だからゆ、、ゆるしてぴょん。」


 「───。よく許されると思ったな。」


 「、。やっぱり無理?」


 「無理だな。」


そして俺はレナに思いっきり説教をした。


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