十三話「お説教されるの何年振りだろう。※そんなに面白くない話集」
前回のあらすじ
ビームマグナムで賊をやっつけたぞ!
俺は今、何年振りかもわからないお説教をされています。正直大学生になってまでこんなこと、、親父にも怒こられたことn『お兄様!!』…。
「ちゃんと聞いてるの、、。」
ルルカは正座する俺を前にして真剣な眼差しを向けながらそう言った。明らかに起こっていることが雰囲気というか喋り方から伝わってくる。
「──聞いてるよルルカ。」
「ムー、絶対聞いてないよ、」
ルルカは俺の言葉に納得の意を示さない。実際に俺はルルカの説教をあまり聞いていない、この歳になって反省しないのはいかがなものかと、自分でも思うほどに聞いていない。
「で、いつまでかかるのよ、その説教。」
ルルカが次の言葉を喋ろうとした時レナは真横からそう言った。レナは賊を縛り上げ、手をパンパンと叩いた。
「お兄様が反省するまで、、。」
(ルルカ、俺は反省してるんだぞ、。(嘘))
「はぁ〜。ルルカ私が思うに、その調子だと紅月が反省するまでざっと3年くらいかかりそうなんだけど、、。」
「いや多分5.6年くらい。」
俺はレナが敷いたノリというレールになってそう言う。なぜか乗った方がいいかな?っと思った。
「紅月様、今ではありません。」
ウミさんが小声で少し残念そうに言った。確かに今はそんなことを話している場合でもボケている場合でもなかった。
「はい。」
今度はしっかり反省して俺はそう言った。
「ね、言ったでしょ、。」
レナはルルカへその様な言葉を向ける。レナの言った通りになって悔しがるのはルルカのはずなのになぜだか俺までも悔しい気持ちがある。
「──はぁー!!わかったよ。お兄様!次からは絶っーーー対に!嘘はやめてね、私はお兄様ことすっごーーく!尊敬してるからそんな人が嘘ついたら私だって傷つくからね!!わかった!?」
「はい、。」
ルルカは嘘つくことそこそこあるのに俺だけ嘘ついてはダメというのはどうかと思う。、、兎に角これでお説教から解放される、。ほんと、説教されたのは久しぶりだったな前に説教された時は…、。
あぁあの時か、。
その時俺の脳内には一人の少女に怒られている自分がいた。懐かしい記憶だ、、。だが、、
「お兄様!次からはほんと気をつけてね!。」
「───。」
「、?。お兄様?」
「あぁ、気をつける。」
「?」
「で、次は私の番よ。」
レナはルルカと入れ替わる(レナが横に入る)様な形で俺の前に立つ、ルルカはそのまま自分のターンが終わったと理解した様に後ろへ下がっていく、
「へ、?」
その事実に一瞬脳が停止した俺はいかにもなマヌケ声を晒した。そしてレナに頭を思いっきり掴まれる。
「あんた、私がなんでハンドガン渡したかわかる?それはね、PKさせないためよ、そのイカれた武装は加減ができないからよ、、。さっきの奴らをPKをしたって理由で街の衛兵にでも突き出せば結構金になるのよ、、。」
金属製でできている頭が明確に圧迫されているのがわかる。潰すほどの勢いじゃないにしろ俺をその握力だけで持ち上げられるほどの力が脳の機能を阻害しながら伝わってくる。
「つまり、俺はお前の稼ぎを妨げたってことか、、。」
気分は脅迫されている犯罪者だ、警察でもここまで手荒な真似はしないだろう。、、しないよね?
「そういうことよっ!。」
レナは片腕から両腕に変えて俺の頭を押しつぶす様な勢いで圧迫し始めた。さすがにこれでは不愉快というのを通り越していたいという反応が出てくる、オートマタにも痛覚というか痛点はあるんだなと思いながら。
「痛い!痛い!やめぇ!!」
「十回謝ったら許してあげるかもしれないかもしれないかもしれないかもしれないわよ、。」
「どっちだよっ!わかった!謝るからせめてこの手をどかせぇ!!」
「嫌だわね。」
「おいッあぁもう!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさいっ!!!。」
「よし。いいでしょう、」
レナは快く受け取った様で、俺の頭から手を離した。力の緩まりを感じるとともに後遺症の様に外側からの頭痛が俺を悩ませる。まるで凹んだ金属がそう簡単には戻らないことを暗示しているかの様に、、
「あぁ〜、堅物女ァ、。」
痛みが怒りにだんだんと変わって入っているもののある地点まで行くと怒りが膨張することはなかった。俺はこれが痛みと怒りの中間地点だということを薄々感じた。しかしそれを承知でレナには遠回しにやりすぎたことの怒りがくる。
「お兄様、大丈夫?」
ルルカが寄って俺の心配をしてくれた。
「ダイジョばない。頭いてぇ一応金属製なのに結構痛かった。」
※紅月はオートマタなので全身金属質。
「よしよし、。」
ルルカは頭を撫でてくれた。頭を撫でられたのも結構久しぶりだ。しかしながら痛みが決して消えるわけではない、それと俺がレナに抱く嫌な感情も、、。
──同刻同所──
「お嬢様、なんだか少し楽しそうですね。」
ウミさんがそれとなく私に近づきそう言う。
「そう?、、。まぁいつもは撫でられてる側だから逆に撫でるのが楽しんじゃない?」
それに対して憶測だらけの意見で、そっけなく返す。実際に紅月とルルカの関係についてそんなに詮索するつもりはないし、なんなら知りたくもない。
「そうかもしれないですね、、。」
思っていた回答と違った感じ?、ウミさんはなんだかシュンとした。
「にしても紅月。あんたのビームマグナムはえぐいわねぇ〜。」
私は紅月が撃った後を見てそう感じた地面が少し削れている部分がある、恐らくかすっただけでも致命傷になるのだろう。そう考えるとビームマグナムの火力はあながちこのゲームトップになってくるのではっと思う自分。もちろん魔力なしの単純兵器だったらの話だ。そしてそれ故にこの兵器を封印しようと考える自分もいた。
(───。考えても仕方ないか、。)
フっと軽く息を出し、賊を運ぶ準備をする。
「私もお手伝いしますね、、。」
「ありがとう。」
ウミさんのこういう気遣いは好きだ、なんなら家で仕事をしてもらいたいくらい、。こんな出来すぎたメイドに世話されているルルカが少々羨ましい。
──同刻同所──
「ルルカ、もういいぞ、、」
俺はルルカが撫でる手を止めないので口で止めるように伝えた、しかし
「も、もう少しだけ、。」
ルルカは撫でる手を止めない、流石に年下の、なんなら妹に頭を撫でられ続けたら俺ですら恥ずかしくなってくる。なので止めたいのだがルルカはなかなか止まらない。しまいにはもう少しだけっと、私利私欲のために撫でていることが読み取れる。
「ルルカ、とりあえずやめなさい、場合によってはなんでも──。」
「えっ?!なんでも!??!」
ルルカは俺の言葉を聞いた瞬間手をすぐにしまい、ご飯を待つ犬のように可愛いそぶりをした。そして俺は最初からこの手を使えばよかったと少し後悔している。
「─なんでもだ。」
俺はやれやれっとした感じに言い。立ち上がり、腕をぐぐぅ〜っと伸ばして少し体をほぐした、。
「えっと、じ、じゃあ!お兄様が欲しい!」
「────。」
ルルカは立ち上がると両腕を広げて俺に向かって言った。うん、我ながら妹は可愛い。ではなくて…
「俺は買えないぞ?」
「うぐっ。そうじゃなくて!、。」
俺の言葉にルルカは少しよろけ、なんとか話を続けようとする。
「とりあえず冗談でも、ちゃんと決まるまで適当に言うなよ。」
「うぅ〜、冗談じゃないのに〜、。」
今ルルカから冗談じゃないと聞こえた気がするが気のせいだろう。ていうかなんだ俺が欲しいって、冗談じゃないならこの言葉なんて受け取ればいいのやら、、。
「おーい、先急ぐわよー!。」
「今行く!。」
俺はレナがいる方へ行こうとするが、止まっているルルカが気になりすぐ目を向ける。
「ルルカ、行くぞ。」
「───。ほら、」
ルルカは少し不貞腐れてる顔をしている。ので俺はとりあえずルルカの手を取り優しく引っ張るようにレナの元へと向かう。
「あんた達、また喧嘩したの?」
案の定こう言う反応されることは理解されていたが、今回に限っては全くもって俺に心当たりがない。
「喧嘩じゃない。たぶん、」
「じゃあ何よ?」
「う〜ん、ルルカに聞いてくれ。」
「───。」
「アンタたちねぇ、。」
レナはすんごい呆れ顔で言った。そんな顔しなくてもいいのに、。っと俺は少し心を痛ませながら小声で言った。
喧嘩じゃないならなんだっていうんだと思うのが俺だがルルカの顔を見るに喧嘩だと思われていても仕方がない、それこそ兄である俺が悪いってことになる、なんでや。
「、とりあえずルルカの俺が悪かった。」
「ムー。別にいいけど、」
俺は終始ルルカが怒ったその理由がわからないまま、森を進んでいく。
──数十分後──
「なぁ、一つ質問いいか?」
照り続ける日が俺を刺激する。下の熱気とのダブルパンチで心なしか表面の金属が溶けている様な気分を感じる、
「なぁに?お兄様、。」
ルルカは汗をかきながら、気だるい様な声で答える。当然だ、そんな暑そうな服を着ているのだから、。
「なんで、。」
なんで…
「なんで俺たちは、砂漠を歩いているんだ?、、。」
さっきまでそこそこ涼しい森だったはずが現在俺たちは猛暑の砂漠を横断している。まるでそう、砂漠化が一瞬で目の前で起きたような感じだ。
「、。理由は簡単よ、このバスク砂漠を越えなきゃ錬鉱国ゲレームに到着しないんだから、、。」
「いや、知ってるよ。俺が聞いてるのはなんで徒歩なのかっていうことだよ、、。」
「それはまぁ、交通手段が少ないからよ、こんなドデカくて暑い砂漠に年中乗り物屋さんをやっているプレイヤー、NPCはいないだろうし、なんなら、この世界に車は存在しないし、、。」
[シュー]
レナが防弾チョッキを脱ぎながらそう言った。そういえば来ていたというか脱いだ瞬間なんか放熱してなかった?
「いやそりゃそうだけどよ。せめて、なんかこうラクダくらい、捕まえられないのか?」
「ラクダを捕まえるのは結構、ムズカしぃんですヨォ、、。」
ウミさんが今にも枯れそうな声で言った。メイド服はこの砂漠場では結構過酷だと思うのだが、、。
「うミィ、もうメイド服脱ぎなよぉ、〜、誰も見てないんだし、。」
「お嬢様まぁ〜、はしたないですぅ〜、、。」
この二人は特にやばそうだな、。正直言って俺もやばい方なのだが、、オートマタの効果か知らないがそこまで暑さは感じない、。こればっかりはありがたい限りだ、、。それにしても早く錬鉱国につかないものか、、。
そんなことを考えながらめちゃくちゃ暑い砂漠を俺たちはすすむ、ちなみに暑すぎるとダメージを受けるらしく、ウミとルルカが絶賛毎秒1ダメージくらってる状況だ、、。そのせいでピロンピロンダメージ音がうるさいのは語らずしもわかることだ、兎に角早く、夜にでもなってくれぇ〜、、。っと心から願うばかりだ、
「にしても本当に暑いですねぇ〜、。。」
ウミさんが今にも溶けそうな声で言った。本当に『メイド服』脱げばいいのに、、。あ、装備って意味だぞ、。
「バスク砂漠はこのワールドで、1、2を争うほど広いからね。これからこれがもっと続くよ、、。」
「うへぇマジか、。」
「もうきついよぉ〜、お兄様ぁ、抱っこしてぇ〜。」
ルルカが一旦立ち止まり汗を拭いながら俺に言ってきた。
「え、まぁいいけど、俺今めっちゃ暑いぞ、(鉄だから)」
実際に俺の表面はまるで熱された鉄板の如し熱さだ。具体的に言えば車のボンネットで目玉焼きができるくらい、、
「あ、ならいいや自分で歩く。」
「おい、、。」
ルルカの諦めの速さに俺はツッコミを入れた。が、鋭さはなかった。もちろん暑いからだ、、。
「にしてもどこかに休憩できる、ところないかしらね、流石に暑くてたまらないは、、。」
レナが汗を拭う仕草をしながら言ったが、オートマタには汗という概念が存在しないため、その行為は無駄だと心の中で思った。しかしその気持ちがわからないわけだはない、なぜなら気を抜いたら俺もしてしまうからだ、。
「にしても何もないわね。雨とか降らなさそう。」
「全くだ、。」
にしても殺風景だ、左を見ても、右を見ても、砂、砂、砂…。流石に飽きてくる。どこかにオアシスでもないだろうか、、。
「今日はここら辺で終わろうかしら?、。」
レナが一旦止まりそう呟く。
「さんせぇ〜、。」
「右に同じく」
(あ、これゲームだった。)
その後すぐ俺たちはゲームをやめた。オートマタは体が熱される程度で済んでいたが、ルルカとウミさんは急いで水を飲みに向かっていた、なんで知っているかと言われれば俺も水を飲みに行ったからだ。
『topic』
オートマタは環境耐性が高いらしい。