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十二話「重力に魂を繋がれた敵に革命(戦争)を教えてやる。」

前回のあらすじ(5秒でわかる)


武装チェック、以上。


サイモンを出た俺たちは練鉱国ゲレームへ向かっていた。レナ曰くゲレームは森を越えて、砂漠地帯の中心に国があるらしい、長い道のりになることは目に見えていたが、装備を作るという時間も考慮して俺たちはそこそこ早いペースで進んでいた。


だが早めに出てかなり早いペースで向かっているのにも関わらず俺たちはいまだに森の中から出ることができない。いわゆるステージ1から出られないみたいなもんだ、、。


 「なぁ、この森いつまで続くんだ?。」


俺は呆れていた。森を彷徨ってはや1〜2時間、一向に出られる気配のないこのエリアは入ったばかりの時はそれこそ少しはワクワクしたしかし後から「森って同じ風景の繰り返しだな」という結論に至り、今俺の中ではなんの面白みにも欠けていた


 「紅月うるさい、、。」


 「お兄様ぁ、、。」


俺の発言にレナは指摘し、ルルカは少し呆れた様子、ウミさんは少し苦笑、正直俺の心は結構傷つく。だが本人たちもわかっているはずだ、問題は俺の我慢弱さにあるのだろうか。

ここまでくるっていっそ何かが起こって欲しいとまで考える、例えばビームマグナムをちょうど受けてくれそうな、人とか。


 「また変なこと考えているわね、。」


 「エっ!?いやぁ〜別に、、。(まずい、顔に出ていたかなぁ〜。)」


 「…。そう。」

レナは1〜2秒俺の顔をじっ〜っと見つめて、何か吹っ切れたように、森の中をまた歩き始める。


 (お兄様絶対、試し打ち相手を探してるの、、。)


 (ルルカお嬢様からお話だけでしか聞かされていませんでしたが、昨日のニュースの写真を見る限りとんでもない兵器、一体どんな兵器なのでしょう。一目、直に打っているところを見たい、、。)


 「っ?」


その時、俺は違和感を感じ取った。まるで誰かに見られているような、明確に言葉にできない気持ち悪いくらいの違和感を、、。


 (気のせいか、、。)




 ──同刻同所──




紅月一行が前進している道中の木の上。


「なぁ、本当にやるんか?、相手はあの『全知の魔女』だあよ、勝てっこねぇよ〜。」


少し気弱な賊が木の上から紅月たちを見ていっている、。


「なぁ〜に弱気になってんだよ、相手は魔道士、それとメイドだぜ、。それに超反応する機械じゃあるまいし、隙ができたらオートマタを狩って退散簡単な作業だろ。」


にかにかと笑いながら賊は話す。


「俺たちは3人だが、相手は4人と人員はちと足りないが勝てないわけじゃない。オートマタは基本攻撃ができない粗悪品だからな、。」


「うぅ、おいら心配なんだけどなぁ〜、、。」


気弱な賊はまだ不安を漏らしている、。


「なーに言ってんだ、いざとなったら俺たちがフォローしてやる、。」


「な、なら、、。」


「よおぉしいくぞー!!デッデ、デデデデー、、k 『バデュゥゥゥゥン!!』」


※親の声より聞いたビームマグナムの発砲音


 [ドガーン!!!!]


『おわぁぁぁぁぁ!?!?!?!』




 ──同刻同所──




 「うおっ!?なんだ今の叫び声!?」


 「木の上に誰かいたのですか?!紅月様、やはりそれは適当に打ってはいけない物ですよ!」


 「いやだって、ウミさんが一度でいいからって、、。」


ナミさんがビームマグナムの威力を確かめたいというから、そこら辺の木にでも当てようとしたら、なんか3人分の声が聞こえた、、。もしPKプレイヤーキルしてたら、、。


選択肢1 『見なかったことにしていそいでこの場から離れる。』


選択肢2『正直に謝ってなんとかして許してもらう』←ピピッ



う〜んどうしたものか、、。俺が後ろで燃えている木を背にそんな打開策(?)を考えているとルルカが口を開けた。


 「二人とも落ち着いて、ただの賊だよ、、。」


ルルカが俺とウミさんに対して言った。


 「え?、。」


 「さっきから探知魔法に引っかかってて、どう処分しようか考えていたんだけど、お兄様がいいところに打ってくれたから正直助かっているけど…。次からは空に打ってね、。」


ルルカは注意を促すように言った。ていうか処分って結構怖い表現使うんだなルルカは。


 「でもさそれじゃ、威力わかんないじゃんかルルカ──。」


 「お兄様、今私が言ったこと理解してないでしょ、、。」


ルルカはやれやれと言った感じに少し首を下に向けながら言った。


「くっそー!!ナンツウ威力だ、さすがは『全知の魔女』、やるじゃねえか、、。」


「咄嗟に回避してなかったら危なかったよぉ〜、。」


「だが、近づいたらこっちのもんだ、。」


燃えている木付近から3人のプレイヤーが飛び出してきた、こいつらがルルカが言っていた賊ってやつか、、。


 「戦闘体制!、お兄様はビームマグナム禁止ね!、、。『魔法強化マジックアップ』!『魔法反射マジックカウンター』!『対斬撃盾スラッシュガードシールド』!、」


 「えぇ!?」


ルルカは自分の身の丈ほどの杖を地面に刺し、二つの魔法を言い放った。そうするとルルカを中心とする半透明なドームが展開された。そして若干だがルルカの体のふちが青白く光っている。


「っち、早速出してきやがったな、、。『貫通ペネトレーション』!『身体強化ボディアップ』!」


貫通、さしずめ、防御貫通といったところか、完全にオートマタを殺しにきてるな、、。


「ま、『魔法強化マジックアップ攻撃増加範囲アタックドーム』」



あの気弱そうなやつはいいとこ支援型か、、ルルカも言っていた魔法強化マジックアップ、みた感じ最初期にも使えて尚且つ強い魔法っぽいな、しかも汎用性が高いと見て取れる。そして、アイツにもルルカと同じようにドーム状の半透明な赤いエリアが見える。


「『加速ブースト、鉄壊し(アイアンブレイク)』」


加速、鉄壊し、こっちも対オートマタできていることがわかるな、、だが、なんだこの違和感、、。なぜ最初の奴は身体強化と、貫通だけだったんだ、、。

間も無くして俺たちは戦闘になった、陣形はあらかじめ決めていたのでそんなに難しくはない、前衛はウミさん、ルルカ、後衛は火力が出しにくいレナと俺(ビームマグナムが使用できればおそらくこの中では瞬間火力トップ。)、今回に関しては相手が3人と、枚数有利をとっているものの。相手は前衛3、後衛0なのでレナと俺のどちらかが狙われる可能性は重々ある。まぁ、それも相手の行動次第による、ルルカをそのまま素通り、とはいかないだろう。


 「はあぁ!!」


ウミさんが相手目がけて突撃していった。そして、、


 「『炎拳フレイムフィスト』!!!」


と、言い相手3人の陣形を組んでいる部分の中心に拳を打ち込む、。一見外した、ように見えた攻撃に俺は戦略的意図を感じた、。

 直後ウミさんが殴った地面から火柱が出現、相手を分断させる。相手の陣形は意図も容易く崩れて3人は散開する。ウミさんが右方向に避ける軌道を取ると同時に俺は禁止されていたビームマグナムを手で構えた。


 「ルルカ!ごめんだけど約束は破る!!」


俺の言葉と動作に反応したルルカは射線上から避難。そして俺は離れた2人が重なる時を狙うように。


 「え?」


 「そこだぁ!!」


っと言いビームマグナムを放つ。


 [バデュゥゥゥゥン!!]


射線上に入っていた二人は重音感の塊である極太ビームマグナムを真正面から食い、腹部を中心に大きな風穴を開けた。そして開けた穴奥では大きな爆発音と共に森が赤く染まる。これはかすっただけでも即死だわ、っと俺は思った。風穴はかなり大きく相手の上半身が消し飛ぶんじゃないかと思うぐらい裂けていた。


 「な、なんだこれ、。」


ウミさんと対峙状態の賊が口をパクパクさせて恐怖を表していた、当たり前だ目覚めの前の仲間二人はマリーダさんが如く散っていったのだから、しかし戦いは非常だ、強いものが生き残り、弱いものは負ける。撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ、だったか…。


 [パリンっ!]


っと音が鳴り腹部に風穴を開けたプレイヤー二人はガラスが割れるように散った。これがPKプレイヤーキルって奴か、プレイヤーはこの後どうなるのだろうか、後でルルカに聞いてみるのも良いかもしれない。


 「よそ見は禁止ですっ!!」


ウミさんがそういうと同時にグローブを相手の腹部に叩き込んだ。結構強めのストレートだった、そして俺はそのストレートにどこかストレスが乗っていると感じた、メイドは大変だろう。


 [ドゴォ!!]


「ぐおっ!」


相手は軽いボールのように真っ直ぐ飛び、そのまま木に直撃、「ガッ!」っと痛そうな声を出し、そのままぐったりする。


 つまり


 「勝ったーー!!!!!!!」


俺の喜びに満ち溢れた声と共に周りは静かになった。周りの視線はもちろん俺に向いていた。木に衝突して伸びている賊以外は、、。


 「い、イェー、い?───ですか?」


ウミさんのなんとなく付き合おうとする感じがすごく心に刺さる。


 「、、あれ?」


 「お兄様。」


 [ゴゴゴゴゴ、、]


なぜか効果音が聞こえる。これはいつぞやのナミさんが出していた、、。(※一話参照)そして俺はこの後の展開が大体読めてきた、。きっと怒られるだろう。


 「お兄様ぁ!!!!」


いや、絶対…、。

『topic』


錬鉱国ゲレームを渡るには砂漠を通る必要がある。

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