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十一話「フルアーマーって聞くと最終決戦仕様と、考えるのは俺だけではないはず、。(※最終決戦ではありません。)」

前回のあらすじ


オートマタに親を殺されたんじゃないかってくらいやばいアップデートの影響で大会で使う予定の装備の製作が難航しそうなのでレナのツテを使って作ろうっと言った感じ。





 ──ルルカの工房──




 「これより、脱出作戦を行う。準備はいいか!」


脱出といってもそれほどたいそうなものではなく、いわば遠足に近いもの。だがいつとなってくるプレイヤーから狙われるかわからない以上、もはや飲み込まれた蛇の口から逃れるような気分で行かないといけない気がする、ので脱出。


 「いいよー!」


ノリノリなルルカはしっかりと準備を整えたように俺の言葉に元気よく返事した。可愛い。


 「大丈夫です!!」


ウミさんもテンションが高くて何よりルルカに負けないほどだ。


 「大丈夫よ、」


相変わらずの冷静さ(?)のレナは完全武装で手には明らかに見覚えがない銃器、服装はさながら軍人のような?!


 「んーッ!、ちょっと待て。なんだその装備は?!」


 「お兄様、私何か変だった?」

ルルカが自分の背丈くらいある杖を両手で持ちながら聞いてきた。両手持ちにしたら思った以上に大きいことがよくわかる、さっきまで平然と元気な雰囲気に流された自分の目を思わず疑ってしまう。


 「ルルカ、おま…。その杖デカくないか、、?」


お世辞にも割にあっている大きさとは言えない杖に俺はルルカを少し心配しつつそう聞いた。


 「?」


 「『?』、じゃないわ!その杖持つの大変じゃないのか?」


ルルカのあっけらかんな態度に少し強めに主張するも。


 「紅月様、、ゲームですから、。」


 「あんたいつもよりうるさいわね、。」


どうやらこれが普通のことらしい、現実味を帯びていると思ったらこれだ。このゲームのことをいつか信じられなくなりそうな自分がいてもおかしくなさそう…


 「ウミさん、、それ武器ですか?、。」

俺はちょっと呆れ気味でウミさんに聞いた、。その理由についてだが…ウミさんの装備基武器はどう考えたってボクシングで使うグローブにしか見えない、。


 「ええ、似合うでしょうか、、。///」

ウミさんは少しモジモジしながら言った。


 「う〜ん、正直言って、、って!そうじゃなくてなんでグローブ?!」


 「あ、これはただのグローブじゃなくてですねれっきとしたとした武器なんです。その名も『ナグリアイ』!マスターメイドになると受けられる特殊クエストによって入手できるんですよ、、。今まで使ってきた武器の中で一番強いです!」


ウミさんは自信満々にグローブを叩き言った。


 「そ、そうですか、、。(どっからツッコんでいいのか、ていうかネタに走ってんな運営。そして『ナグリアイ』って名前物騒すぎないか、いや本来の使用用途はそれであってるか、。)」


俺はウミさんの武器名に少しばかり頭を悩まさす。


 「はぁ、で。話は終わり?」


レナが早くしろっという感じに言ってきた正直言ってこの中でやばいのはこいつだと思う。なぜならこいつが今手に持っているのはみた感じだとアサルトライフルしかも服はおそらくガチガチの防弾チョッキ、幸い手榴弾はない。


 「お前が一番やばいだろ。なんだよそのアサルトライフル。」

レナが手に持っていたのはどこにでもありそうなシンプルなアサルトライフル、。さしずめM16系統だと思うが


 「えっ、これ?M16だけど、。」


 「銃種を聞いてんじゃない、なんでそんなもん持ってるか聞いてんだ。」

予想が的中してラッキーだという気持ちよりも先に、俺はツッコミを入れる。


 「この前暇つぶしに作ったのよ。いい出来だったから勿体ぶってたんだけど、、。」


 「暇潰しで実弾兵装を作るなよ、。てか、弾は?」←ビーライ(ビームライフル)欲しいがために作る人。


 「もちろんあるわよ。」

レナはポケットからアサルトライフルのマガジンを取り出した。


 「準備万端だなぁ〜、、。」


もはやここまでくると一周回って脱力する。


 「あんたは逆にそんな装備で大丈夫なの?」


 「大丈夫だ、問題ない。」


 「いや、そういうのいいから、てか、本当になんもつけてないとこっちが不安なんだけど、、。」


 「いや、お前はガチガチ装備だけど、ウミさんはメイド服だし、。ルルカに関しては魔女っ子やん。」


話をルルカの装備の方に置き換える。ルルカやウミさんはご覧の通りの装備、俺との比較にもってこいと言った感じだ。


 「な、っ魔女っ子じゃないよ!」

ルルカが話をふられたことに多少びっくりし、反応するも、、


 「いや、あの二人の装備私のより硬いからね。」

ルルカの言葉を無視するかのようにレナが俺の質問に答えた。


 「…。マジで言ってる?」

心の底からそう思った。いわ、コスプレとメイド服がそんなに強いわけないはず。よくよく考えみればそうだ、、そうに違いない。


 「マジマジのマジよ。ウミさんの職業、マスターメイドは『メイド服』を着ていると自身の防御力の300%の防御力をメイド服にプラスされるの、、。そしてルルカは『全知の魔導服』は魔法防御力が異常に高い上、ルルカ自身が物理防御、魔法防御結界を張れるから鉄壁と言わざるおえないわ、だからこんな感じ、。

 メイド服 物理防御力5

      魔法防御力5

      総合値10+12000(マスターメイドの効果によりプラス12000プレイヤー【ウミ】の素の

       物理防御力2000

       魔法防御力2000

       総合値4000×3)


 全知の魔導服 物理防御力5000

        魔法防御力10000

        総合値15000

                   」

 「うわぁ、ちょっと待って二人とも強すぎでしょ、俺がミジンコみたいじゃん。」


唐突にくる恥ずかしさと、己の観察眼がどれほどまで貧弱かがわかるいい話だった。後悔と懺悔の気持ちになりながら俺は自虐する。


 「大体、防御力10000言ってる時点で頭おかしいんだけどね。ていうか、ウミさんは職業の恩恵がデカすぎるから、。」


マスターメイド、一見ネタのように見えて全く侮れない性能、いわゆる伊達じゃないとはまさにこの事だと俺はすごく思った。


 「俺勝てる気しないんだけど、、。」


唐突に自信がなくなってくる。いや、だってこんなの見せられたら自信なんてなくなる。


 「大丈夫よ、私もだから。」


レナからフォローが来るとは思ってなかった。

これがプロの世界、リリースからやっているメンツか、、。強すぎるな。


 「にしても、魔法防御力、物理防御力、こんな項目あったか?」


通り過ぎようとしていた話題だが、この名項目に関しては見覚えも聞き覚えもなかった。ゆえに俺の頭に残り続け、質問と化す。


 「…。あんたもしかしてステータス簡略化状態だったりする?」


 「?、なんだそれ。」


 「あぁ〜、まぁ始めたばかりだし仕方ないか、、。」

、、。全くもってその通りだが結構ムカつく。


 「メニュー画面開いて【設定】っていう項目で、簡略化解除ってボタンを押すと細かくなるわよ、。」


 「ホーン。」

俺はちょっとムカついた言い方をしたレナのいうことを心の中で心底、嫌がったものの言われた通りにやった。するとステータス画面が以前より細かくなった。


           紅月

 

    種族 オートマタ


   [HP]60

   [E]200

   [A]50


 [STR]50

 [VIT]100(M)(P)

 [AGI]50

 [LUK] 50(運)      

 [DEX]75(器用さ)

 


  [スキル]           [称号]

 ・               ・


                

               

 [身体構造(内)] 

 

 [頭]アイアリス  [胴体]アイアリス 


 [左腕]アイアリス [右腕]アイアリス 


 [左脚]アイアリス [右脚]アイアリス 


 [身体]アイアリス [内部]アイアリス 


 [劣化部位] 無 [修復部位] 無

 結果 無


  コア:ブロードコア-MKⅡ




 [身体構造(外)]

 

 [頭]ピリア  [胴体]ピリア 


 [左腕]ピリア [右腕]ピリア 


 [左脚]ピリア [右脚]ピリア 


 表面状態  


                                               』


おぉ、たしかに少し変わった。なんか、こう。MMOしている。←最近までMMO RPGすら知らなかったやつ。


 「結構ステータスが上がってる、」


 「そりゃ強化したからね。オートマタはレベルが存在しないから自己強化で上げてくしかないのよ。結果、強化するために新しいコアを作るけど、コアの素材を手に入れられる採掘者がオートマタの中で増えたのよ、、。」


 「なるほど、、。MはマジックでPは物理ってことか、、。」


 「魔法でmagicはわかるけどなんでPなの?」


 「それはな〜…」


 「話聞いてる?」


 「ふふ、本当に仲睦まじい兄妹だと思いませんか、、。」


 「私の話は聞いて欲しいですけどね。」




 [1分後]




 「さて、準備も整ったし、いざ行かん!」

背後にしっかりとビームマグナムも装備したし、レナが言っていた装備不足もこれでなんとかなるだろ。


 「ちょぉ〜〜っと待ったー!!あんたその物騒なライフルは?!」

レナが俺の肩を掴み前進する俺を止める。


 「えっ?これ、。これはな、試作ビームマグナム2号だ!」


 「ビームライフルじゃないの?!」

レナは鋭いツッコミを入れてきた。


 「威力がダンチ(段違い)だからもうマグナムでいいかなって、、。」


うん、だってもうマグナム級だし。っとまるで自分を肯定するかのような物言いを心の中で思った。


 「そこをなんとかするのがあんたでしょ、!てか、誘爆の危険ある代物持ってくんじゃないわよ!」


 「ダイジョブ、ダイジョブ、改良して3発までは耐えられるようになったから。」


 「やけに正確ね!」


 「昨日ログアウト前に近くの森で試し打ちしたから、。」


レナに向かって俺は柄でもなく少し自慢げに言ってやった。


 「もっと遠くでやりなさいよ?。」


確かにそれはそうだが、目の前のオモチャをガンマンできるほど俺も大人になっていない。っと言いたかったが格好がつかないのでやめた。


 (どうりでお兄様がログアウトするのが遅いと思った、。)


 (紅月様が去った後、ゲームでニュースになっていたのでもしやと思いましたが、、。)


※ニュース内容は近くの森がドロドロに溶けている奇妙な現象


 「一応すぐに組み立てできるスペアと、弾を数発持っていくつもりだ。


 「いや少しは置いてきなさい!そんな事したら地形が変わるわよ!?」


確かにそうかもしれない、だがそうなっても俺には関係ないし、自然が常に代償になるのはどこの世界も同じこと。それに


 「いや、だってよ。俺これしか武器ないし、、。」


ちなみに代償になったではなく、代償にこれからもなっていくが正しい。


 「私のハンドガンあげるから、、。しばらくこれで我慢しなさい、、。」


レナは小型のハンドガンを俺に渡してきた、殺傷力が高いものではなく、本当にどこにでもあるモデルガンを元に作った本物の銃のような感じ。


 「こんなチンケなもので身を守れるのか?。。」


ハンドガンでそこら辺にある壁に照準を構えながらレナに言った。


 「そうね、ある名シーンの一つくらいできるんじゃないかしら?」


レナはクスクスこちらを嘲笑うように言った。


 「なんだそりゃ。。」


俺はあっけらかんな顔をして、気分上々なレナに自分の態度を間接的に伝えた。


 「まぁ、そんなことより行くわよ、。」


 「あーはいはい。」


俺は心の中でなんでこいつが指揮ってんだ?と思ったが錬鉱国への行き方を知っているのはこいつだけだったなぁ〜と、再確認した。そして俺は最近プラモ作ってないなぁ〜とも、同時に思った。


『topic』 


錬鉱国ゲレームの国王はオートマタらしい。




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