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プロローグ
ねぇ、蜘蛛さん。
赤い糸って知っていますか?
知りませんよね、では蜘蛛さんのために私が教えてあげましょう。
赤い糸は運命の人同士を固く結ぶ糸のことを言うそうですよ。
何が言いたいかわかりましたか?
極楽の蜘蛛さんがだした糸は、私とあの人を結ぶ『赤い糸』なんです。
あなたが紡ぐ私の恋物語は…
苦くて甘くて、まるで蜘蛛さん。あなたみたいでした。
蜘蛛の糸
芥川龍之介の代表作。
大泥棒が悪事の限りをはたらいたため死んで地獄におちた。
そんな大泥棒も生前、一匹の蜘蛛を助けたことがあったそう。
そこで、おしゃか様は、蜘蛛の糸を垂らして地獄から救い出そうとするが、その大泥棒は自分だけ助かろうとして他人を蹴落とし、自らもふただび血の池地獄に落ちていった。