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ゆきんこの手ぶくろ  作者: ハシバミの花
2/4

その2

熱心に雪だるま作るたーくん。

お父さんも一緒で、楽しそうですが……?

     (2)


 りーちゃんは、暖房のきいたあたたかな部屋で、たーくんの赤い手ぶくろをいじっています。

 まだつかまり立ちもできないので見えませんが、窓のそとのちゅう車じょうでは、たーくんとお父さんが雪だるまをつくっていました。


「たーくん、そっちにも雪があるよ!」

「うん!」

 二人は楽しそうにがんばって、雪だるまをつくっています。

 お父さんがシャベルで雪をあつめて、たーくんが大きな雪の玉をころがすやくわりです。

 ころがすごとに押しつぶされた雪がくっついて、雪の玉はどんどん大きくなってゆきます。

「たーくん、手ぶくろしないままで、お手手は冷たくないのかい?」

「すこしつめたいけど、だいじょうぶ! 手ぶくろ、りーちゃんもきにいったみたいだから」

「りーちゃんと、早くいっしょに遊びたいね」

「うん! そうしたらぼく、いろんなことをおしえてあげるんだ!」

「今はまだ動けないけれど、赤んぼうはね、あるとき急に動いて遊びだすんだよ?」

「ほんとうに?」

 たーくんがきくと、お父さんはじしんまんまんで答えます。

「本当さ! たーくんだって、そうだったんだよ」

「うーん。おぼえてないや。でも、りーちゃんとあそびたいから、はやくうごいてほしい」

「そうだね」

 そんな話をしながら、たーくんとお父さんは雪玉をコロコロコロコロと、ねっしんに転がしました。


 お父さんの電話が鳴りました。着信音で、お母さんからの電話だってわかりました。

「はいはい」

 お父さんが電話に出ます。

「今スーパー? りょうかいむかえにあがります」

 お父さんはそう言って、電話をきりました。

「たーくん、お母さんをむかえにいくから、お留守番をたのめるかい?」

「うん!」

「門はあけちゃだめ。出入りするのは勝手口から、人がきたら家の中にはいってインターホンで、カギもあけちゃだめだよ? できるかな?」

「うんできるよ!」

「じゃあ行ってきます」

「いってらっしゃい!」

 お父さんは車でお迎えに出かけました。


 たーくんは、二人が帰ってくるまでに、もっと大きな雪玉をつくって雪だるまをかんせいさせて、おどろかせてあげようと思いました。

 せっせと新しい雪玉を転がしていると、せなかの方からわらい声がします。

 たーくんがふりむくと、そこに小さな女の子がいました。

「まっ!」

 ぴょんととびはねて、女の子が言いました。まっ赤なニットのぼうしと手ぶくろの、かわいらしい子です。


次回、雪だるまが完成します。

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