その2
熱心に雪だるま作るたーくん。
お父さんも一緒で、楽しそうですが……?
(2)
りーちゃんは、暖房のきいたあたたかな部屋で、たーくんの赤い手ぶくろをいじっています。
まだつかまり立ちもできないので見えませんが、窓のそとのちゅう車じょうでは、たーくんとお父さんが雪だるまをつくっていました。
「たーくん、そっちにも雪があるよ!」
「うん!」
二人は楽しそうにがんばって、雪だるまをつくっています。
お父さんがシャベルで雪をあつめて、たーくんが大きな雪の玉をころがすやくわりです。
ころがすごとに押しつぶされた雪がくっついて、雪の玉はどんどん大きくなってゆきます。
「たーくん、手ぶくろしないままで、お手手は冷たくないのかい?」
「すこしつめたいけど、だいじょうぶ! 手ぶくろ、りーちゃんもきにいったみたいだから」
「りーちゃんと、早くいっしょに遊びたいね」
「うん! そうしたらぼく、いろんなことをおしえてあげるんだ!」
「今はまだ動けないけれど、赤んぼうはね、あるとき急に動いて遊びだすんだよ?」
「ほんとうに?」
たーくんがきくと、お父さんはじしんまんまんで答えます。
「本当さ! たーくんだって、そうだったんだよ」
「うーん。おぼえてないや。でも、りーちゃんとあそびたいから、はやくうごいてほしい」
「そうだね」
そんな話をしながら、たーくんとお父さんは雪玉をコロコロコロコロと、ねっしんに転がしました。
お父さんの電話が鳴りました。着信音で、お母さんからの電話だってわかりました。
「はいはい」
お父さんが電話に出ます。
「今スーパー? りょうかいむかえにあがります」
お父さんはそう言って、電話をきりました。
「たーくん、お母さんをむかえにいくから、お留守番をたのめるかい?」
「うん!」
「門はあけちゃだめ。出入りするのは勝手口から、人がきたら家の中にはいってインターホンで、カギもあけちゃだめだよ? できるかな?」
「うんできるよ!」
「じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃい!」
お父さんは車でお迎えに出かけました。
たーくんは、二人が帰ってくるまでに、もっと大きな雪玉をつくって雪だるまをかんせいさせて、おどろかせてあげようと思いました。
せっせと新しい雪玉を転がしていると、せなかの方からわらい声がします。
たーくんがふりむくと、そこに小さな女の子がいました。
「まっ!」
ぴょんととびはねて、女の子が言いました。まっ赤なニットのぼうしと手ぶくろの、かわいらしい子です。
次回、雪だるまが完成します。