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第7話 お泊りの準備

 そして、オニール家訪問の日がやってきた。

 学院から帰ってきたあたしは、訪問のための準備を始めていた。若干焦り気味で準備していく。

 だって、お泊りの予定だから着替えも必要だし、パジャマやアメニティグッズの準備もあるのだ。

 ペンデルトン家へ来てから初めての、外泊だから勝手がよくわからない。

「ううん、どの服にしようかなあ。あれがいいかなあ? どこだったかな、ううーーーん?」

 あたしはナンシーさんに助けてもらうことにした。

「ナンシーさん! ナンシーさん!」

 家の中を叫びながら走り回る。ナンシーさんが見つからない。声を聞きつけたナンシーさんが飛んできた。

「コトコ様どうしたんですか!? 叫んで回らなくても、私が見当たらない時は携帯端末で連絡くれればいいんですよ!」

「あっ、なるほど! 今度からそうします。で、ナンシーさんあの服どこでしたっけ!? 制服買いに行った時に買ってもらったやつなんですけど」

「ちょっと待っててください。これが終わったら行きますので」

 しばらくするとナンシーさんがあたしの部屋にやってきた。彼女はあたしの部屋のクローゼットを一目見渡すとひとつの服を取り出した。

「これですかね?」

「あ、そうこれこれ! ナンシーさんさすがです。これが全然見つからなかったんですよー」

「急にどうしたんですか?」

「学院内妹のお家にお泊りに行くので、せっかくお姉さまになれたのだからちょっとお姉さまっぽく見せたいなと思って……、って言ってませんでしたっけ?!」

「ムムム、聞いてませんよ!」ナンシーさんは、ほほを膨らませ眉を吊り上げていた。怒った顔も可愛い。

「えっ、あれーーー?」あたしは、首を大きく傾げた。

「コトコ様ーーー!」

「キクノさんにはいったけど……。ナンシーさんには言ってなかったかもしれない……。レナードさんにも言ってなかったなあ。アハハハハ」

「アハハハハ、じゃありません! お泊りとなると色々準備が必要ですよ!」

「手土産も必要じゃないですかああああ! どうするんですか!」

「えっ? そんなこと全く考えてなかった……」

「あっ! 手土産は、なんとかなりそうです!」ナンシーさんは、何か思いついたようだった。

「さすが敏腕メイド!」

「おだててもダメですよ! ……お泊りってことは、着替えも必要ですね」

 ナンシーさんは、うーんと何か考え込んだ。

「コトコ様はまだ衣装が少ないので、あたしの昔の服を貸してあげますよ! 好みのものがあるか一度見てみますか?」

「えっ! いいんですか?! さすが元お嬢様!」

「ここではメイドってだけで今も一応お嬢様ではあるんですけど……、まあ、それはいいです。ちょっと私の部屋に来てもらえますか」

「あっ、はい!」

 ナンシーさんの部屋に着くと、あたしの着せ替えショーが始まった。 テンションが上がるナンシーさん! ナンシーさんちょっとこんな服持ってるんですか? ちょっとこれは流石に露出が多いと言うか何と言うか。あたしはナンシーさんの顔と手に持った洋服の間を10回ぐらい交互に見た。

「じゃあこれはどうですか?」

「ちょっと待ってください。更に露出が多いですよ」

「お姉さまをアピールしたいならちょっとくらい大胆に」

「ナンシーさんの感覚では、お姉さまイコール露出ですか?」

「まあそうですね、セクシーさをだすといいと思いますよ」

「うーん」

「わかりました。比較対象として露出を減らしてみましょう。ほら、可愛いいけれども、お姉さまって感じじゃなくなりましたよ」

「うーん確かに、そうなるとこの辺が妥当かなあ? ……よしじゃあこれでいきます」

 その他のお泊りに必要なものをあちこちからかき集める。

「ちょっとコトコ様そんなもの持っていくんですか?」

「えっ! ダメかなあ? この枕が無いと寝られない気がするので……」

 それをトランクに詰め込んでいく、そして、グイグイ押し込み蓋を閉じた。

「わーあ、時間がない!」

「コトコ様、クリスティ様が見えられましたよ」

 あたしは詰め込んだばかりのキャリーバッグを引きずりエントランスへでた。

 ガラス越しに外を見た。外には黒いリムジンが止まっていた。クリスティちゃんが、エドナ家の車で迎えに来てくれてたのだ。マリアちゃんも一緒だ。

「あっ、黒いミニワンピ! コトコ気合入ってるなー! しかも、肩が! 背中が! なんですか、お姉さまアピールですか?」

「ウフフフフーーー」

 マリアちゃんはジーンズに白シャツでラフに着こなしている。クリスティちゃんは、可愛くロリータ風のファッションだ。

「コトコ様、忘れ物はないですか?」

「はい、大丈夫だと思います」

「では、コトコ様を、よろしくお願いいたします」

「ナンシー先輩了解です! では、いざ、しゅっぱーーーつ!」

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