表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/40

第37話 空中遊泳

転生したら人工知能AI幼女になっていた。って話です。 こちらは続編、第2部となっております。

<a href="https://ncode.syosetu.com/n9155ge/">こちらが前作になります</a>

 エデュランが呪文を呟くと、風があたしたちの周囲を巡る。エルフの浮遊魔法には詠唱が必要なんだな。しかも、風魔法の応用ぽい。なるほど、あたしが使ってるのは別の浮遊魔法なんだね。

「コトコ、浮遊魔法を実行するんだ」

「うん」

 フワリと体が浮き上がる。

「水面に水平に浮く感覚で、バランスを取るんだ。手を広げるのもいい」

 あたしは言われたとおりにする。確かに安定している。

「移動し、角度を変えていくぞ」

「うん、わかった」

 エデュランの風と手が、あたしを支えてくれる。

 安心感があるから飛行が楽しくなってくる。徐々に速度が上がり、高度も上がる。

「支えを緩めていくぞ、自分で進む方向を決めていくんだ」

「了解!」

 あたしは、右に左に方向転換を試す。飛行感覚に段々慣れてくる。楽しい。

 マリアちゃん、クリスティちゃん、ヒナちゃんの近くを飛行する。みんなが見上げて手をふる。

「ふふふ」

「楽しそうだな」

 っと、エデュランがコチラを見て話しかけてくる。

「確かに、空を飛ぶのは楽しいね。自由になった感覚がするよ」

 あ! あれ? なんでエデュランの顔がみえるのかな? 自分の周囲に目をやる。何の支えもない。焦ってバランスを崩す。

「あわわぁあ」

 下の方から悲鳴が聴こえる。

「コトコ水平!」っと、エデュランのアドバイスが入る。

「はっ、はい!」

 何とかバランスを取り戻す。

「もう、大丈夫そうだな」

 それから、しばらく慣れるために飛行を続けた。下へ降りると皆が駆け寄ってきた。

「お姉様」っと、ヒナちゃんが飛びついてくる。

「飛行完璧じゃあないか」っと、マリアちゃん。

「コトコちゃん、凄いねぇ。次は攻撃系のまほうだねぇ」っと、クリスティちゃんがおっとり言う。

「お姉様、一度休息を」っと、ヒナちゃん。

「そっかあ、そうだねぇ」っと、クリスティちゃん。

「時間が心配だから、一気にやっちゃうよ」

 ヒナちゃんが心配そうにコチラを見る。

「ヒナちゃん、コトコは一度休むとダラけるから一気にやらせとこう」っとマリアちゃんが言う。

 そう言われると休みたくなるから不思議だ。

 でも、今回はほんとに時間がないから心を鬼にして頑張る。

 あたしには、心のトレーニングが一番必要かも知れない。

 空中で話を聞いていたエデュランも降りてきた。そして、あたし向けて言った。

「では、座学の成果を見せてもらおう」

 攻撃魔法のライブラリから、炎の魔法を検索。手のひらに炎を出すイメージでスタンバイ。

 やはりコチラは詠唱が必要だ。大丈夫かな。

「アグニュウス!」っと発音する。

 一瞬燃え上がったが、煙だけが残る。

 クラッカーが鳴ったようなイメージだった。

「発音だな」

「やっぱり、発音かあ」

 あれ? ……急にいつもの言葉の発音が心配に成ってきた。

「あのー、あたしっていっもの言葉の発音どうなの?」

 みんなが目線を反らす。急に恥ずかしくなってくる。

 AIか、異世界の補正的な何かで、バッチリ翻訳してると思っていたのに……。

 その後何度か炎の魔法を試した。

 少しづつマシにはなるが、今は無理だと判断する。そして、他の属性を試す。

 風ダメ。水ダメ。とうとう最後……、土魔法。

 土魔法がダメだと後は光や闇など難しくなる。

 土魔法で何とか。発音は「ツブテ」ツブテ? 何これ? 日本語? まあ、やってみよう。

「ツブテ!」手からこぶし大の岩石が発生する。ポトリと落ちる。

「おおーーー」っと歓声が上がる。何これ簡単。 これだよ。「ツブテ! ツブテ! ツブテ!」

 でも、あれ? 飛ばない。

「飛ばすには、飛行魔法と混合させるんだ」

 っと、エデュランのアドバイスが入る。

 なに、飛行魔法と混合だと……、そ、そんなことができるとは。さっそくあたしは、発生した石に浮力と加速を与えるようイメージを加える。こぶし大のつぶてが飛ぶ。

 みんなから様々な歓声が上がる。あたしは、勢いに乗って土魔法を繰り出す。

「ツブテ! ツブテ! ツブテ!」

 硬さ、スピード、命中率を上げていく。

「プルルルル・・・」

 音に惑わされ土魔法のコントロールが乱れる。

 みんなが音の方向を見る。

 鳴っていたのは、ヒナちゃんの端末だった。

 ヒナちゃんは、みんなに見守られ端末のスイッチを押した。

「はい、お父様! はい……、はい……、わかりました。みなさんにそうお伝えします」

 ヒナちゃんが端末を閉じた。全員がヒナちゃんの言葉を待つ。

「お父様から連絡がありました。魔物の繭の方に動きがあったそうです。調査団の見解では、数時間から1日ほどで目覚めるそうです。みなさん準備を急いでくださいと言うことです」

「早ければ1時間程で目覚めるかも。ってことだぞ」っと、マリアちゃんが言った。

「では、準備を整え出発しよう。そして、いつ目覚めても対応できるよう、仮眠や休息は繭の側で取ろう」

「えっ! でもまだ魔法が……」

「コトコ、休んだほうがいい。飛行魔法と土魔法があればいいだろう。ヒッポちゃんを倒すわけではないのだろ?」

「コトコちゃんには、ハンマーも防具もあるんだよお。大丈夫だよお」っと、クリスティちゃん。

「そうだぞ。それより、お風呂に入った方がいいと思うぞ」っと、言ってマリアちゃんの視線はあたしを上から下へ、下から上へと往復した。

 あたしも見える範囲を自分でチェックした。状況は悪化していた。確かに酷い有様だ。

「そ、そうだね……。分かりました。では、お風呂に入って着替えます」

 あたしは、お風呂に入って丹念に体を洗い清めると、服を着るため17才モードに変身した。

 そして、古の魔女の装備に着替えた。

 古の魔女の装備はまるで新品のように、美しく、清潔で、いい匂いまでした。たぶん、なにものからも汚されない。効果が付与されているのだろう。この耳と尻尾さえ無ければ完璧だったのに……。

 隣では、マリアちゃんも正装に身を包んでいた。

「おお、マリアちゃん奇麗だよ」

「ほんとです。綺麗です」

 褒めてもなにも出ないぞ。

 クリスティちゃんは、マリアちゃんの横でなぜか誇らしげだ。

「では、マリアさん、クリスティさん、ヒナさん、参りますか!」

「コトコ、それはなんの真似なんだ?」

「さあ、なんとなくです」

お楽しみ頂けたら幸いです。まだ続きます。気に入ったら次話もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ