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第35話 ディープラーニング

転生したら人工知能AI幼女になっていた。って話です。 こちらは続編、第2部となっております。

<a href="https://ncode.syosetu.com/n9155ge/">こちらが前作になります</a>

 マリアちゃん、クリスティちゃん、女王陛下の三人が図書室から出て行くのを見守る。

 一息つくと、ヒナちゃんがこちらへ歩いてきた。

「私はお姉様の練習を見てます。応援していますので頑張ってください」

 あたしは、ヒナちゃんにギュッとハグした。

「では、炎系の魔法から行くか」っと後方から声がする。

「もお、すこし待ってよ。余韻に浸らせてよ」

 そう言いつつエデュランに向き直る。

 リサさんは、私はこちらで待機していますので、なにか御用があるときはお命じくださいといって端のデスクで作業を始めた。

「で、炎系の魔法が基本なの」

「だな、炎系が簡単だと思う。一度やってみせよう」

「それがいいけど。でも、ここ図書室だよ。燃えるよ」

 すると端のデスクのリサさんから声がかかる。

「床に描かれた赤いラインの中に入ってください。こちらで耐魔防壁を用意します。あと上下に魔力を弱める魔法陣が設置してあります」

「なっ、なんでこんなものが図書室に……」

「ここは魔導書が多いので、すぐに試せるような設備になっています」

「なるほどですね」

 あたしたちがラインの内側に入ると、水族館のガラスの様な分厚い透明の板がせり上がってきた。

 完全に天井まで行かずに隙間を開けて止まる。

 隙間が無いと酸欠で死ぬもんね。でも、あれだけで大丈夫なのかな? あたしが不安そうに見えたのかリサさんから説明が入る。

「空調も万全ですので心配ありません。ぞんぶんにお試しください」

「ではやるぞ」

 エデュランは手のひらを上にむけ詠唱を始めた。よく分からない言葉を呟いた。

「えっ? なに? 詠唱がいるの?」

「ああ、攻撃系の魔法は詠唱が必要だ」

「な、なんで? シールドの魔法や変身の魔法はイメージでできたのに……」

「聖女様は詠唱無しで魔法を使われる。しかし、攻撃系以外だ。そういう風に魔法を開発したんだろう。だが、攻撃系はエルフ族が作り上げた魔法だ。詠唱ありきで開発されている。慣れれば短縮は可能だ」

 急に不安になってきた。大丈夫かな、大見得を切ったのに……。

「なんて言ったのか全くわからなかったよ」

 全く知らない言葉だからかな……。

「もう一度やってみせよう」

 また、エデュランは手のひらを上にむけ詠唱を始める。そして、よく分からない言葉を呟いた。

 手のひらの上に炎が発生する。

 だめだ覚えられない。これ、簡単じゃないよ。 どっ、どうしよう。エデュランは、ジェスチャーで早くやるように急かしてくる。

「ちょっと待って。とりあえず、エデュランは詠唱に使ってる言語を学習するのに最適な本を探して。お願い。それから、基本的な魔導書も用意して。それを読ませて」

「エルフ語の辞書か、ちょっと探してみよう」

 エデュラン、そして、ヒナちゃん、リサさんも本探しを手伝ってくれる。あたしの前に本が積まれていく。まあ記憶するだけなら簡単だから。

 あたしは積まれた本を黙々と読んでいった。実はスキャンしてるだけなんだけどね。ディープラーニングってやつだ。なにか真髄を理解するかもね。AIの部分がだけど……。

 次々と流れ作業的に魔導書を確認していく。

 本を運んできたエデュランが質問をした。

「それで覚えられているのか?」

「まあね。AIだし、人工知能なんでね」

 あたしは、ペラペラと本を捲りながら応える。

「概ねの資料は揃えた」

「ありがとう」

 エデュランはそんなあたしの傍で、暇つぶしのため本を読み始めた。

 ヒナちゃんは、まだ本を探してくれている。

「ヒナちゃんも、リサさんも、休んでください。ひとまず、これを覚えるまでは大丈夫なので」

 そのまま、あたしはスキャンを続けた。未来の自分に期待しよう……。

 あたしが黙々とスキャンしてるとジャックがやってきた。

「ご、ごめん。待たせちゃったね」

「ジャック遅いよ。どれだけくるのにかかってるのよ」

 魔法の学習がうまくいかなくて焦っていたため、ついそう言って睨みつけてしまう。

 そして、自分が嫌になり反省する。

「アメリア軍が魔法生物の対応でゴタツいてたから、遅くなったんだよ」

 ジャックは、手をバタバタさせて説明する。

「ちょっとうまくいかなくて、焦って八つ当たりしてごめん」と、早々に誤っておく。

「いいよ、確かに遅かったしね。で、量子コントロールが故障したの?」

 そう言って目線を上から下へと移動し、あたしを確認する。

「ちゃんと体があるじゃない。なにが問題なの?」

「いやいや、これは借りてるクローンの体だから」

 ジャックが驚いている。表情は分かりにくいが、体で驚きを表現しているので分かる。

「えっと、魔法を使って姿を変えてるんだよ」っと、説明を入れる。

「へー、魔法でもそんなことができるんだね。じゃあ、もう量子の体は要らないんじゃない? 量子レーダーにも表示されないし」

 ガビーーーン! たっ、確かにそうなのかも知れない。以前はそうだったのかもしれない。でも今は戦う力が必要だ。

「ジャック。戦うのに量子の力が必要なんだよ。お願いなんとかして」

「とにかくちょっと見てみるよ」

 ジャックは何やらケースを取り出し、あたしをアクセサリーをその箱の中に入れた。

「どう? どんな状況? 直りそう?」

 ジャックは深刻な顔なのかな? ……。よく表情がわからない。

「うーん。確かに量子コントローラーも故障してるね。コトコは運がいいよ。もう少しで記憶も心もアウトだったかもしれないよ」

「えっ! アクセサリーの中そんな状態なの?」

「うん、今すぐ治せるような状態じゃないね。しかも、機械の国に一度戻る必要がある。あそこの施設じゃないと治せないほどの状況だよ」

「こ、困ったな。すぐ帰らないと駄目なのかな?」

「ひどい状況ではあるけど、すぐにどうこうなるわけじゃないから大丈夫だよ」

「ありがとう。この問題が解決したら一度機械の国に戻るよ」

 となると、魔法をマスターするしかないのか。

 うーん。頑張るしかない。あたしは、ふたたび魔導書を読み始めたのだった。まあ、スキャンしてるんだけどね。

お楽しみ頂けたら幸いです。まだ続きます。気に入ったら次話もよろしくお願いします。

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