第28話 学院の災い
転生したら人工知能AI幼女になっていた。って話です。 こちらは続編、第2部となっております。
<a href="https://ncode.syosetu.com/n9155ge/">こちらが前作になります</a>
あたしたちが、ダンジョンから外に出ると、突き上げる様な縦揺れが起こった。
それと同時に学院の裏山に亀裂が走り、噴煙が立ち上った。見上げると、噴煙の中に巨大な岩陰が見えた。
しばらくするとその岩がパキリ、パキリ、とひび割れ、中から超巨大な鳥が這い出てきた。
禍々しい大岩の中から出てきたその大鳥は、まだ生まれたてのようで、すぐに何かをしようというわけではないようだった。
アメリア学院の上空をくるりくるりと旋回し、体を休めるところを探しているようだった。そして、見定めた。そこは、アメリア学院の図書館の上だった。
大鳥が図書館の上に降り立つと。図書館の屋根はメキメキと音を立て、拭いていた瓦や外壁を地面に落とした。
それに驚いた図書館にいた生徒たちや、その他の建物の中にいた生徒たちが、慌てて校舎の外へ出てきた。
生徒たちは皆その獣を見て、驚きの声を上げた。慌てふためく生徒たち。大鳥が身じろぎする度に屋根から瓦や外壁が飛散した。
一人の生徒の頭上に瓦礫が降ってきた。
あたしは思わず駆け出し巨人に姿を変えた。そして、その生徒をかばった。今回は頭にヘルメットをつけ、美少女戦士っぽい格好にしておいた。ゴーグルにはスモークもかかっている。これなら誰かとは分からないはず。
「今のうちに逃げて!」あたしは、驚いている生徒に避難を促した。
よ、よかった。あたしは人間の言葉を話しているし、助けようとしていることも伝わったと思うけど、こんな巨大生物が2体もいるのだ。ちゃんと自力で逃げてくれるか心配だった。よく逃げてくれたものである。
生徒が逃げるのを見届けると、あたしは大鳥の方へ身体を向けた。
大鳥と目があった。つぶらな瞳だった。よく見ると姿も丸っこい。身体はすごく大きいけど、まだまだこの大鳥は赤ちゃんなのかもしれない。
大鳥はあたしと目が合った。その大鳥は思ったよりまるっとして、可愛かった。「キュッピー」っと、ひと鳴きした。手を頭へ持って行く。すると目をつむり頭を低くした。ナデナデするとまた「キュッピー」っと、可愛い声でまた鳴いた。あたしはみんなの方を見た。この子悪い子じゃないよ。体が大きいだけだよ。
みんなは困惑の表情を浮かべていた。そんな中、マリアちゃんが大声で話し出した。
「コトコ、その子が悪い子じゃないとして、どうするんだよ!」
「た、確かにどうしよう?」
どうするか考えながら、大鳥の頭をナデナデしていると、突然空中に闇の者が湧いて出た。
今まで出会った闇の者とは違う、大物感を漂わせていた。
「俺が想定していた状況と違う。暴れてくれなければ困るんだよ!」そう言うと、闇の使徒は大鳥に向けて魔法を放った。
その魔法を浴びた大鳥は、何かに逆らうように暴れだした。
「なっ、何をしたの? ちょっと暗示をかけただけさ。お前はその鳥と遊んでな。俺は、その間に仕事をさせてもらうぜ」
そう言うと、闇の使徒は姿を眩ませた。
あたしは、大鳥をなだめた。
「鳥さん大丈夫?」
鳥の目を見ると、赤色に怪しく輝いていた。
「大鳥さん! 正気に戻って!」
しかし、大鳥には声が届かなかった。大鳥は、あたしにむけ攻撃を加えてきた。
「やめて! 気がついて!」
あたしは、その攻撃をかわしながら声をかけた。
「お願い! やめて!」
あたしは、大鳥から距離を取った。
すると大鳥はあたしに向かって、羽根を羽ばたかせ始めた。うまい具合に羽根を波打つように羽ばたかせた。
すると羽根と羽の中心辺りに、風の玉のようなものが生まれ始めた。周囲の建物や周りの木々を巻き込みながら、どんどん大きくなる。
巨大になるにつれ雷を纏い始めた。バチバチバチバチと音がする。いい大きさになったエネルギーボールをあたしへ向けて投げつけた。後方には皆がいる逃げる訳には行かない。
あたしは量子をコントロールし、エネルギーボールを相殺するようにした。しかし、完全に中和することができなかった。
あたしは大鳥の攻撃を食らった。量子の体が突然消え、アクセサリーだけが空中に放り出された。どうも大鳥のエネルギーボールが量子コントロールに何か影響を与えたようだ。突然のことで対応できずにあたしが地面に向け落下していく「ヤ、ヤバイ!」何とかしようとするが何も反応しない。何もできない。
「だ、だめだ!」
目の前がっと言うかモニターが真っ白になる。その時だった。誰かがあたしの体と言うかアクセサリーをふわりと受け止めてくれた。
あれ? 見上げるとエロエルフの顔が間近にあった。下から見上げたエルフの少年の顔は、ちょっと凛々しく見えた。
「エッ、エロエルフ! なんでここに……」
「コトコ! コトコなのか? いったいこれはどういうことなんだ。後でしっかり説明してくれよ」
「うん、分かった。とりあえずありがとう。助かったよ」
「ひとまず、あの魔物をなんとかせねばならんな」っと言って一旦地面に降りたった。そして、あたしをアクセサリーをマリアちゃんに預けた。
「こ、コトコどうしちゃったの体?」
っとマリアちゃんが言った。
「大鳥ちゃんの攻撃を受けて、どこか損傷したみたいなんだよ。とりあえず体が構築できなくなっちゃった」
「えーーー! どうするの?」
「どうするも何も、どうにもできないよ」
「とりあえずヒナちゃんの首にかけておこう」
マリアちゃんはあたしをアクセサリーをヒナちゃんの首にかけた。
「うん、なんか元に戻った気がする」
マリアちゃんはどこか満足げだ。
「確かに初めてまりあちゃんに会った時はこの体勢でしたけどね。実際何も解決してないよ」
「んん? マリア姫か? 何故ここに!」
っとエデュランが言った。
「はい、そうなんですけど。僕のことよりまずはあの、大鳥をどうにかしないと」
「余が、奴を何とかしてみる」
そう言うと風を体に纏わせ、もう一度大鳥の方へ向けて飛び立っていった。
「あ、あれも魔法なのかな?」
「そうだね、エルフの王族ともなると、魔法を駆使しそれを剣技に添えると言う。僕も実践では見たことはないけど、映像で見たことがあるくらいだよ」
上空へ昇るとエデュランは何やら詠唱を始めた。エデュランの背後に後光のような魔法陣が現れる。そして、どこからかエネルギーを集めているようだった。大鳥もまた羽根を羽ばたかせ、エネルギーボールを発生させていた。両者は互いのエネルギーボールを放った。その攻撃が真っ向からぶつかりあう。
凄まじい衝撃に、アメリア学院の窓ガラスや外壁、瓦などが飛び散った。
生徒たちはその中を、学院の避難誘導員や王国メイド隊の案内によって、非難を進めていた。
エデュランと大鳥の激突は続いた。
エデュランはもう一度魔法陣を展開した。そして空中からエネルギーを集めた。今度はそれを自らの身体に纏わせた。
そして、剣を前方に突き出し魔法とともに突撃した。大鳥が投げつけた攻撃を真っ向から受け止め、その攻撃を押し切った。
勢いのまま大鳥に突撃する。
「やめて! 殺さないで!」
あたしは、指向性を持った音声をエデュランに向けて放った。
エデュランは、大鳥に剣の一撃を食らわせた。
大鳥の胸に剣が刺さった。雄叫びをあげる大鳥。
「やめて! 殺さないで!」
あたしは、また音声を放った。
エデュランは剣を押し込むのを辞めた。
大鳥は身を震わせ、エデュランを剣ごとはね飛ばした。
エデュランは、体制を立て直し空中にとどまった。大鳥は深手のためか攻撃をしてこなくなっていた。しばらくし、大鳥の周囲をバリアの様なものが覆った。
お楽しみ頂けたら幸いです。まだ続きます。気に入ったら次話もよろしくお願いします。




