第26話 魔力を奉納
転生したら人工知能AI幼女になっていた。って話です。 こちらは続編、第2部となっております。
<a href="https://ncode.syosetu.com/n9155ge/">こちらが前作になります</a>
あたしたちは城内にある魔力奉納の部屋に招かれた。
さほど広くないその部屋は、星や銀河をイメージした装飾品が所狭しと配置されていた。その技巧を凝らした品々に目を奪われる。
「不思議な部屋だね。マリアちゃん」
「まあそう言われればそうかもね。初めて入ったときはそんな感じだったかも。すっかり見慣れてるからな」
その部屋の中心に、第一王女がいた。
「お姉様!」
第一王女は、こちらを見て微笑んだ。前髪が汗で額に張り付いている。
「僕が交代します!」
そう言うとマリアちゃんは、第一王女の元へ駆け寄った。そして、第一王女の代わりに魔力奉納を始めた。
「マリア、ありがとう」
そう言うと、第1王女はこちらへ歩み寄ってきた。
「私がマリアのお姉ちゃん。イシス・パルミ・グランディアよ、よろしくね」
イシス様は美しい微笑みであたしたちを迎えてくれた。
「学院でのマリアはどんな感じなのかしら」
っと、イシス様が聞いてきた。
「マリアちゃんは、なんといいますか、お転婆娘ですね。いつも学校では言動も男の子っぽいですし」
「あっ、ちょっと。コトコ」
「そう、やっぱり、城では我慢してるのね」
「ううっ……」
「でも、男の子ぽく振る舞っているのはグランディア王家のしきたりも関係してるのよ。成人までは男の子っぽく振る舞うように仕付けられるの」
「なぜですか?」
「身分を隠すのが目的だと思うわ」
「な、なるほど」
「だけど小さいのにしっかり会話できて凄いわね。この子もマリアのお友達なの?」
「今はちょっと見た目が違うんだけど、うん、僕の友達です」
マリアちゃんは、魔力奉納をしながら話す。
「そうなの可愛いわね」
イシス様があたしの頭をナデナデしてきた。
「すみません。頭撫でるのやめてもらえませんか?」
「ごめん、ごめん、可愛かったのでつい」
「紹介が遅れました。コトコ・ペンデルトンと言います。事情があって、今のこの姿は本来の姿ではないのです」
「変身の魔法? コトコちゃんも魔法が使えるのかしら? 相当高度な魔法だわ。凄いわ」
「変身の魔法が存在するんですか?」
「あら、変身の魔法じゃないの?」
「あたしのはちょっと変身の魔法とは違うんですが……。変身の魔法があるんですか?」
「そうよ、現在使える人はかなり少ないと思うけれど……。身近な人物ではグランディア女王陛下、母様は使えるのよ」
「そ、そうなんですか……」
あたしは、使えそうだっと思った。ぜひ教えてほしいものだ。
まあ、この体はちょっと借り物と言うか何と言うか……。それで、この体の魔力を奉納に使えないかと思いやってきました。うまく行けば皆さんの役に立つかなと思いまして」
「そうなのそれは助かるわ。かなり強大な魔力を感じるから、うまく行けばあなたの魔力だけで補えるかもしれないわ」
「じゃあ今からちょっとお手伝いします。どうすればいいんでしょうか?」
「この魔力版に手を乗せて」
イシス様は、部屋の中心に置いてある丸いテーブルをポンポンと叩いて見せた。
あたしは、そのテーブルを見上げた。17歳のイシス様が立った状態で胸の辺りの高さまであった。
「すみません。背が足りません。ちょっと手が届かないです」
「何か乗る台が必要ね。できれば座れるものがいいわね」
イシス様は、メイドに背の高い椅子を注文した。
しばらくすると、背の高い椅子がやってきた。
そしてその椅子に座らせてもらった。
「ありがとうございます」
魔力盤に手のひらを置く。
すると魔力盤の中心から指先へと光のラインが向ってきた。
指先まで到達すると指先の位置から魔法陣が広がった。そして、光を放った。
体内の魔力が指先に流れて行く。手が暖かくなり、指先からは水が流れ出るような感覚。
「ふふふ、ハハハァ、こ、こそばゆいです」
流れる速度が上がる。指先から水飛沫のように花びらや星々、そして、火花が散った。
「凄いわ、魔力奉納できているわね」
「よかったです。思ったとおりの効果が出て」
「しかし、凄まじい魔力量だな。一気に封印の魔力供給が楽になったよ」っとマリアちゃんが言った。
「これでマリアちゃんも一緒にダンジョンへ行けるね」
「なるほど、コトコの作戦通りだな」
後はこの体を茶々丸に維持してもらおう。
「茶々丸出てきて」
「やっぱりね。呼ばれると思ってたんだよ」
「この体の維持管理できる?」
「うまくできるかなあ? 僕にはコトコ程の機能は無いよ」
「ハ、ハムスターがしゃべった!」イシス様は驚いていた。
「ちょっと一回試してみてよ」
「わかったよ。やりますよ」っと言って魔力版の上にテッテケテーっと歩いていった。
「じゃあ回線切断するのでよろしく」
あたしは体が急に倒れ込まないように、魔力板に突っ伏した。そして回線を切断した。
コントロールを失った体は、魔力板の上でだらりとなった。
「じゃあ接続するよ」っと言うと、今度は茶々丸の体が魔力板の上でだらりとなった。
茶々丸はクローン体に接続すると身を起こそうとした。だが、うまくいかないようだった。
「体のコントロールは難しそうだけど、生命維持する程度は問題なさそう」
「ありがとう助かるよ。じゃあちょっと身体よろしくお願いね」
そしてイシス様の方へ向き直って言った。
「イシス様、ハムスターと体を置いていくのでヨロシクお願いします」
「体を置いて行く? だっ、大丈夫よ私に任せて」イシス様は微妙な笑みを浮べた。
あたしはイシス様に微笑み返すと、量子の身体を構築した。そしてクローンの体からアクセサリーを外し首にかけ直した。
「まっ、まさか! ホムンクルス! こんな高度な魔法を使う者がまだこの王国にいたなんて」
いやあ、お褒めに預かり恐縮なんだけど、あたしのは魔法じゃないんだよね。
あたしが複雑な表情をしていると、マリアちゃんクリスティちゃんが薄ら笑いで此方を見てた。
「よーし、じゃあ、マリアちゃんも40秒で準備して」
「コトコ無茶言うなよ、40秒で準備できるわけないぞ。コトコは出来るのかも知れないけど」
「やっぱりかー、やっぱり無理かー! 昔見たアニメにそんなセリフがあったんでね。ちょっと試してみました」
「コトコ、何やってるんだよ。逆に今の会話で40秒ロスしたんじゃないのか?」
「ごめんなさい。急いでください」
「コトコは、時々よくわからないことやるからな。じゃあ準備してくるから、ちょっと待ってて」
そして、いつものマリアちゃんぽい服装で戻ってきた。
「えっ? マリアちゃんそんな格好で大丈夫なの?」
「大丈夫、さあ行こう」
「ではイシス様よろしくお願いします。茶々丸もお願いね。じゃあダンジョン攻略に行ってくるね」
「了解! 頑張って!」
お楽しみ頂けたら幸いです。まだ続きます。気に入ったら次話もよろしくお願いします。




