第16話 想定外の状況
転生したら人工知能AI幼女になっていた。って話です。 こちらは続編、第2部となっております。
<a href="https://ncode.syosetu.com/n9155ge/">こちらが前作になります</a>
二人はうやうやしく挨拶している。
「二人ともこんなやつに挨拶すること無いよ」
「コトコちゃんダメだよ! 大問題になるよ!」周囲がザワザワした。
騒ぎを聞きつけて、レナードさん、キクノさんが駆け寄ってきた。申し訳ありません! キクノさんがあたしの頭をグイグイ下に押した。あたしはそれに反発した。
「なんですかキクノさんまで! みんながちやほやするから礼儀知らずになるんですよ! エルフの市民が不憫だよ」
エロエルフの表情がやわらいだ。
「そうか、キミはペンデルトンの令嬢か……」
「申し訳ありません、娘はこういった場に慣れていませんので」皆はとことん低姿勢だ。
「だ・か・ら! みんながそんなだからコイツが!」
プリンスはあたしの前で跪いた。周囲は大騒ぎだ! 想定外の状況にキョロキョロする。
「ドレスはどうすればいいのかな?」
「とにかく謝れ!」
「余の不注意ですまなかった」
「それでいいんだよ。最初からそうしてればよかったんだよ」
なんだかエロエルフは嬉しそうだった。
「余と婚約してくれないか?」
あたしの頭脳は、意味が処理できなくなっていた。必死に頭脳を回転させる。やっとのことで答えに行きついた。
「ハ、ハァァァァァア? ななな、何言ってるか分かってるのか! 何で急にそんな話になるんだよ!」
あたしは頬をもも色に染め、プリンスを指差した。その指が小刻みに震える。周囲のみんなも茫然としている。
「キミのように余に意見してくれるものは少ない、余には間違いを正してくれる者が必要だ」
そう言うとあたしの手を取った。あたしの顔は真っ赤に染まった。
「うぐぅう」っと一言発しフリーズした。
「理想の女性だ! ぜひ余のパートナーに」指差したまま硬直しているあたしの手の甲にキスをした。
あたしは、キクノさんに倒れ込んだ……。
「この子はまだ幼く、教育も万全ではありません。この話は、また後日ゆっくりいたしましょう」
「うむ!」っと、言って身をひるがえし去っていった。
あたしは、端のソファーに横たわっていた。ドレスの方はプリンスのお付きの者たちが、速やかに着替えさせてくれた。
「お姉様エルフのプリンスに求婚されるなんて凄いです!」
「ほんとだよお、コトコちゃん」
「凄くないよ、頭が痛いよ。あのエロエルフがプリンスだったなんて……、エルフの国は大丈夫なのか?!」
「お姉様との間になにがあったのか知りませんが、あの方はすごいのですよ。最年少で剣聖の称号を手にしたとか、剣を持たせたらおとなでも勝てないとか?」
「えっ? あいつが? でも、いまどき剣なんて使うの?」
「コトコちゃんが思っているのと違うかもしれない。災害級の強さなんだよお。私も見たことは無いんだけど、お祖父様が言ってた」
「そんな危ないやつ野放しにしてていいの?」
しかし、大変なことになってきたな。今日はキクノさんが上手く言ってくれたみたいだけど……。
そのときファンファーレが鳴った。
あたしはムクリっと起き上がった。ヒナちゃん、クリスティちゃんも立ち上がり、あたしを椅子から立たせた。そしてきれいな姿勢になった。あたしたちは、踊り場をみつめた。1段高い踊り場から第一王女が現れた。
そして、少し後方から第二王女が現れた。二人のお姫様はそれぞれとても美しかった。
二人とも美しいロングヘアを床に垂らして階段を降りてきた。
あたしたちの目は二人のプリンセスに釘付けになっていた。
第一王女は純白の衣装に身を包み、17歳くらいと聞いていたがもうすっかり大人の雰囲気で、すでに女王陛下の威厳を漂わせていた。
続いてあたしは、第二王女に注目した。
美しいがあどけないところがあり、あたしたちと近い年齢であることが分かった。あたしは、第二王女に特別な親しみを感じた。なぜだろう凄く身近に感じる……。
一心に見つめていると、左の袖をグイグイ引かれた。なんだろうと左に目をやる。クリスティちゃんが鋭い眼光で第二王女を見つめていた。
「コトコちゃん、あれ、マリアちゃんかも知れない……」
お楽しみ頂けたら幸いです。まだ続きます。気に入ったら次話もよろしくお願いします。




