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#02 黒に揉まれて

私は黒が歩く姿を、目で追う毎日をかなり前から過ごしています。


私の目に映ると、誰かが着ている服などは全て、黒に飲み込まれてしまいます。


私の目で黒く変換されたそれは、夜になると、夜の黒に飲み込まれてしまいます。


私は夜の真っ暗な世界に同化して、見えにくくなる黒の大群が特に苦手です。


私はずっと目の前に黒がいるので、飽きてしまったのか、つい派手な服を選んでしまいます。


私以外の人が、黒ではない派手なものを身に付けている想像が付かないので、オシャレがよく分かりません。


私ではない全ての人間は、黒が似合うということしか言えません。


私には全てが黒の塊の人間が映り、誰かの瞳というものが見えないので、見られている感覚がなく、自分が着る服は特に何でもいいと思っています。


私は目の黒で、ただただ目の前でうごめく黒を見つめる生活をしています。


私は目の前にいる黒が何者なのかとか、色々と知ることも簡単ではありません。


私は、はじめましてと言われれば、初対面の黒だと思い込んでしまいます。


私は相手が腹黒い性格を持っているとか、そういうことに関わらず、人自体が怖いです。


私だけではないと思いますが、真っ黒な嘘が大嫌いです。


私の方に向かって、急に黒が迫ってきたら逃げてしまいます。


私に向かってくる黒は、嘘まみれの黒かもしれませんから。


私は黒に邪魔されて、人のパーソナルな部分がよく分からなくなります。


私の視覚にある黒はそのままでもいいので、人々を感じることの出来る五感に、少しでも個性が欲しいと心から思っています。

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