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緊迫した朝

翌日、寝ぼけた頭を起こしながら教室に入るとクラスの雰囲気が少し変わった。主役の登場を待ってました!みたいなどこか浮ついたような空気に変化したのだ。


「浩太君!おはよ…」


と話かけてきたのは愛那だ。どこか彼女も違った雰囲気を醸し出している。いや、いろいろと違うな。

まず髪が一緒に出掛けた時と同じように編み込まれてるし、メイクも少し大人っぽい印象になっている。

それと香水だろうか?彼女からいつもとは違う匂いを感じる。

(これは…まずいかもしれない)

背筋に緊張感が走る。前回のときは気付かなかったけど、さすがに二回目となれば分かる。これはあの時と同じだ。



「おはよ…」



とりあえず挨拶だけして席に着く。しかし全く落ち着かない。これは本当にまずい、困った。などと思いふけっていると、隣を通りすぎていく生徒に肩を叩かれる。そこで我に返り、通り過ぎってた生徒を見ると秋也だった。秋也は俺を見て顎を前にだす。どうやら廊下に出ろとのことらしい。秋也の指示に従い廊下にでてそのまま先を行く秋也の背中を追う

階段を上っていき、屋上前の踊り場に出る。俺への配慮をしてくれているんだろう。本当にできた幼馴染だ。


「お前どうすんのさ?豊原の告白受けるのか?」


さすが…というほどでもないか。俺に気付けてこいつが気付けてないわけがない。



「まぁ受ける気なんて毛頭ないんだろうけど…大丈夫か?俺から豊原になにか言おうか?」

と提案してくる秋也。こいつはほんとにいいやつだ。

「いや、いい。あれは第三者に止められる段階じゃない。秋也が何か言っても変わらないさ…」


そんな友の提案を俺は断る。これでいい。これ以上秋也を巻き込みたくないし、巻き込むわけにはいかないからな。


「なら!どうするんだよ!また同じこと繰り返すのか?」

「………」


俺は沈黙するしかできない。正直こんなに早くこんなことになるとは思ってなかったし、なにより過去の出来事がフラッシュバックして何も浮かばない。



そんな俺を見て秋也がため息をつく。


「俺はお前との付き合いは長いし、お前がいいやつなのは誰よりも理解してる。だからこそあえて厳しいこと言うぞ」


そういうと秋也は少し間を作る。この時間は俺の心の準備のための時間だろう。


「誰にでも平等に手を差し出すことができるところは心から尊敬してる。けど…追い込まれた時のその煮えたぎらない態度は見ててイライラする!こんなときに他人を優先してんじゃねえ!自分のことだけを考えろよ!」


いつにも増して真剣な顔で俺に胸倉をつかみながら怒鳴りつける。長い付き合いだが秋也がここまで怒るのは初めて見た。


「……結局決めるのはお前だ。好きにすればいい」


それだけ言うと秋也は階段を降りていく。ただその横顔はひどく悲しい顔をしていた。


「……」


俺はその場に崩れ落ちる。秋也に言われたこと、本宮さんに言われたこと……そして過去に言われたこと。色々なことが頭の中に渦巻いている。


「じゃあ……一体どうすればいいんだよ」


思わずそんな言葉がこぼれてしまう。そんな弱音は静かな独り言となって消えてなくなる。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回は少し短めです。申し訳ございません。


さて、著者は最近ポケモンを買い、頑張ってます(おい書けよは禁止で)

年内は最後になる予定ですが、今後ともよろしくお願いします。感想も待ちしています。

年内にあと一回出せたらいいなとは考えていますが、あまり期待はしないでください(汗)

というわけで良いお年を~

(実は今回からいよいよ緊迫の一章の後半です!)

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