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おでかけ

ららぽに着きお互いにお昼がまだということでフードコートで遅めのお昼となった。


「星野君は何頼んだの?」

「俺は海鮮茶漬け。これ結構うまいんだよ。そういう豊原は?」

「私はうどん。最近ちょっとダイエットしてて…」

「そうなんだ。ぜんぜん太ってるように見えないけど」

「そう?ありがと…」


といった他愛ない会話をしながら昼食をすませ、買い物を始める。

いくつかショップを回ってはお互いに似合いそうなものを探したり、試着してみたりしながら、良いと思ったら買うといったことを繰り返していく。

そんな感じで回っていると突然豊原がこんなことを聞いてくる。


「あの…星野君は…………いの?」

「え?」

「だから…その…浩太君は彼女いないの?」


彼女は消え入りそうな声で顔を真っ赤に染めながらそう聞いてくる。

それと同時に俺の頭の片隅に過去の記憶が一瞬脳裏に浮かぶ。


「あ…ああ…彼女ね。いないよ。あと今は欲しいとは思わないかな」

きっとこれは警告だ。そう思いあえて一言余計に言う。

「そう…なんだ…」


彼女はそういうと黙りこんでしまった。

最後に回りたいという店を出て、駅まで戻る。ららぽは駅と隣接しているためすぐに駅についてしまう。俺はここから電車だが彼女はここが最寄らしい。


「今日はありがとう!本当に楽しかった。また学校でね」

「こちらこそ。俺も楽しかったわ。また学校で」

お互い挨拶を交わし「それじゃあ」と言いその場を去ろうとすると後ろから豊原に声を掛けられる。

「あの…星野君」

「ん?どうした?」

「あの…浩太君って呼んじゃダメかな?私のことも愛那って呼んでくれていいから!」

顔を赤らめながら聞いてくる。

「なんだ。そんなことか。いいよ。じゃあまた学校でね。愛那」

「うん!また学校で!またね浩太君!」


そういって俺は愛那に見送られながら改札を通って帰路についた。





いつも通りの日曜日を過ごして月曜日になり学校に行く。到着すると昇降口で見知った背中を見つける。


「おはよう。豊原…じゃなかった。愛那」

「おはよう、ほし…浩太君。まだ慣れないね」


靴を履き替えそのまま二人でクラスに向かう。途中Aクラスを通るので窓からクラスの様子をうかがうが本宮さんはまだ来てないようだった。

ようやく俺たちのクラス、Cクラスに到着する。そのまま二人して入っていくとそれを見たクラスメイトの表情が少し変わった…ように見えた。

けどすぐにいつもの雰囲気に戻り挨拶を交わす。


「おはよ~浩太!お前が豊原と一緒にいるなんて珍しいな。いつから豊原とそんなに仲良くなったんだ?」


と幼馴染の嶺山 秋也が訪ねてくる。秋也はこの学校で唯一俺の過去を知っている大切な友人だ。あっ…今は唯一じゃないんだったわ。

とはいえ秋也は過去を知っているからこそ、俺が恋愛に興味がないことを知っている。俺は素直に答える。


「土曜日のバイト終わりに偶然会ったんだよ。んでそのあと愛那の買い物に付き合ったってだけ」

「ほうほう名前呼びですか。相当仲良くなったようじゃな」

「お前いったい何歳だよ」


こんな感じに軽口をたたいているとマコちゃん先生がやってくる。それと同時に話していたクラスメイトもそれぞれ自分の席に戻る。その去り際に秋也が真剣なトーンで俺にこう告げる。


「ま。お前がいいなら止めやしないけどさ。あんまり変なことにならないようにしとけよ」

「ああ。分かってる」


その言葉を聞いて安心したのか少し足早に秋也は自分の席に戻ってく。

そうだ。もう二度とあんなことにならないようにするんだ。と自分の心に誓っていると金曜日に彼女に言われた言葉が思い出された。

「いつか君の本音が試される場面が来た時に、それを乗りこえて君に真の友達ができることを願ってる」

あの言葉が意味するところは一体何なのだろうと思いながらその日を過ごした。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

ちょっと今回短いのですがお許しください。


さて!今週の作者の近況は今まで以上に多忙になってきており、もしかしたら来週は更新できないかもしれません。

年明けからは少し更新頻度上がるかもしれないので、その時はお願いします。

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