記憶の改竄
ユキは眠りから目を覚ます
「ユキ!朝ご飯ができたから起きなさい」
ユキが布団から起き上がろうとするとお腹に固い棒のような物を感じた
「いたぁ、なにこれ?」
身に覚えのない小刀を眺めながらなにか大事な物だったような気はするが思い出すことができない
そこには普段と変わらない日常があった
母が居て、父が居て、そしてケンが居る
ユキは朝食を食べながら
「そういえば学校・・・」
「なに言ってるの学校はしばらくお休みでしょ」
「あ、そうだった」
父と母に笑われた
慌てて食事を済ましたケンはどこかへ遊びに出掛けて行った
食事を済ませ部屋と帰るユキ、家の中を歩いた時もそうだが何か違和感を感じてもすべて記憶が蘇ってくる
自分の部屋も一瞬「誰の部屋?」と思うのだがすぐに記憶が蘇り、やっぱ自分の部屋だと納得する
ただ起きた時の小刀だけが妙に気になる、鞘から抜いて眺めてみてもなにも分からない
ただこの青白く輝く刀身を眺めているとなにかに引き込まれそうな気になり思わす鞘に納めた
なにも思いつかない状態だが、そう考えるだけでなにかしないといけないと思い立つ
家の外へ出ても、こんな光景見たことが無いと一瞬思うのだが、やっぱいつもの光景だと思い出す
近所の人の顔、友達の顔、一瞬名前が出てこないけど、自然と口からでてくる
そうやって村を歩き回っている頃にはすべての記憶が上書きされていた