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心霊コレクター  作者: 呼霊丸
病院の怪
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4階は別世界(改)

内容の一部を変更中です

変更後は(改)をタイトルに付けます

人はある日突然運命の渦に巻き込まれる

数秒先の未来は誰にも予想はできない

過去を変えても現在は変わらない、たとえ未来を変えても今と言う時は変わらないのだ


鈴神夕凪(16歳)は小さな頃から霊に対する感覚が鋭かった

見え方や感じ方は様々でいつしか心の中では恐怖の対象となる

特に対処法など知ること無くできるだけ避けて通ってきていた


病院へ行くと霊の影響を受けやすいくあまり近寄りたくないのだが、祖父が入院したとあっては話は別だ、夕凪には訳があって両親は居ない


バスの中で外を車内から見える風景に病院が見えてくる

ただでさえ気が重い場所なのだが、それが近づくにつれてその不安も大きくなっていく

バスを降り病院の中へと入って行く

いつもより足が重く感じる


病室は4階にある、エレベーターは使いたくない

エレベーターの扉が開く時には後ろの方へ下がる、急に霊が飛び出てくることがあるからだ


しかし今回はなにも飛び出ては来なかった、むしろエレベーターにはほぼ何も居なかった、奥の隅が若干黒くモヤモヤしているくらいで避けてやり過ごせそうだ。


4階に到着し、ナースセンターの前を通ろうとした時に

通路の端の方から男性の怒鳴るような大きな声が聞こえてきた

看護婦が慌ててその部屋に向かう

どうやら地元の有力者の関係者が入院しているらしく、態度が非常に悪いと患者同士が立ち話をしているのが小耳に聞こえてきた


病室へ行くと祖父は元気そうにしていた

しばらく歓談すると

喉が渇いたとのことで祖父の好きなコーヒーを買いに1階の自販機まで買いに出しに行く


来たときは気付かなかったが、病院の中は異様に汚れている

掃除をしていないと言うのではなく黒くもやもやした物が隅々にこびり付いてきている


夕凪はホットコーヒーを2つ手にエレベーターへと向かう

エレベータの扉が開くと同時に男の人がぶつかりそうな勢いで慌てて飛び出てき

走り去ってしまった

夕凪はあぶないなと思いながらエレベーターに乗り込み4階へと向かった



篤はエレベーターから降り事務室の同僚の元へ向かうが同僚は居なかった

車に居るのだろうかと、病院の玄関を出て同僚を駐車場へと向かう

だがそこにも同僚の姿はなかった

ふっと駐車場から病院に戻ろうとした時に薄っすらと霊の痕跡らしきものを見つけてしまう

これが例の警備員が目撃した霊の痕跡なのだろう

それが何を意味するのか、一応調べてみることにする


徐々に人気のない方向へと歩いていく

先を見るとその痕跡は病院の建物の脇で土の無い場所へと向かっていた

篤はその場所に何かがあるのかと気になり歩いていく

それは前兆もなく突然の出来事だった

階段を踏み外したかのように前のめりになり倒れたように感じた

しかし、地面に手を付いたと思ったのに手は地面をすり抜け

永遠の闇に落ちたかのようにそのまま真っ暗闇の下に落ちていく

数秒という短い時間なのかもしれないが落下の速度は異様に早い

もうどのくらい下へと落ちたのだろうか、確実に死の危険を感じていた

それでもまだ下には到達せずに落ちていく、そして次第に意識が遠のいていった



夕凪は自分の選択した道を後悔している、祖父の元へ戻ろうとエレベーターに乗り4階が開くと眼前の雰囲気が変わっている、さっきまで明るかったのに、停電したかのように薄暗い、周囲を見渡すと天井の電気が消えているだけで非常灯やエレベーターの電気は付いていた。

エレベーターが4階に付く直前に妙な違和感を感じたがそれを避ける方法はなかった


とにかくこんな気味の悪い場所から逃げたい、戻れるのか不安になりつつも

エレベーターに戻り操作しようにも扉も閉まらずに動こうとする気配は無い

エレベーターは諦め傍の非常階段へと向かうもここも扉が開かない


夕凪は仕方なく、祖父のいる病室へ駆けていく

人気を感じない、ナースセンターにすら人の居る気配がしない

ただ、計器類やパソコンのモニターだけが暗がりの中光っている


扉の開いた病室のカーテンは閉まっており、人影だけが確認できる

人の気配は無いが、たとえ影だけであってもなんだか安心した


祖父の病室へ戻ると他の病室と同じくカーテンがすべて閉まっており影だけが薄っすらと見えている

窓際のベッドに居る祖父の影に声を掛けた


「おじいちゃん・・?」


カーテンを少しずらす、思わず持っていたコーヒーをすべて落としてしまった、

たしかに影はその場にあったしかし目の前に祖父の姿はない


改めて見るとカーテンには影だけが写っている

この異様な状態に他のベッドも気になり


「あの・・・すいません・・・」


と声を掛けると、他のベッ戸のカーテンが一斉に開き


「ふふふ・・・」


と薄ら笑いのような声が、靄のようなものと一緒に天井へと消えていった。

夕凪は改めて違う場所に迷い込んでしまったと実感した


今、この病室に人は居ない


窓から外から真っ赤な空が目に入ってきた、夕方にしてはまだ早くと思いつつ、恐る恐る外を覗くと空は赤黒く、地上1階から3階まであっただろう場所は消えており、下の方で、沢山の鎧を着た人が刀を持って切り合いをしている、或るものは手を切られ、首を刎ねられ、血のような煙が噴き出ている、刀が刺さったまま動かなくなった人も見える、何人もの人々が血まみれになり喚起しながら殺しあっている、そこからあふれ出た血の煙のようなものがすべて病院へと吸い込まれていた

嫌な予感しかしなかった

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