探索(改)
病院は郊外にある総合病院で、郊外型の為か比較的ご高齢の方が多く、入院患者も8割強がご高齢の方である
その為か院内で亡くなる方も多く、霊的な現象が起きても不思議ではない
病院に到着後、同僚は挨拶の為と勝手にどこかへ行ってしまった、
事前情報もあり病院を探索がてら1人で行くことにした
休診時間帯のため病院の1階の廊下には患者はいない
どこの総合病院でも見かける霊たちが、薄っすらとした煙のような状態であちらこちらでユラユラしている
こういった霊のほとんどは人が歩くと後ろを付いていき、人が病院を出ようとすると、また元の場所に戻ってくるを繰り返している。
おそらく1週間以内に亡くなった人の霊だろう、こういった霊は特に害もなく自然消滅していく、特に触れてもその人の薄っすらとした記憶が流れ込んでくる、家に帰りたいなどの残思が伝わってくる。
初めて来た場所なのにデジャブを感じることがあるが、敏感な人はそういった残思の影響を受けたせいであろう。
歩いていると、病院関係者の話で気になることが耳に入ってきた、どうやら病院の中で最近不審な突然死が頻発しているらしい
問題の病室は3階である、上に登るときはいつも階段を使っている、エレベーターの狭い室内では残思からの逃げ場がないので使わないことにしている。
1-2階より階が上になると嫌な感じが増してくる。
問題の3階に到着、病棟はH型の構造になっており真ん中にナースセンターがあり両側が病室になっている
、トラブルのある病室はHの左側の310号室でナースセンターの前にある
3階には1階の様な霊の姿が無い、静かすぎて違和感さえ感じる。
ナースセンターで問題の病室の場所を確認し、今は点検のためと部屋には患者が誰もいない状態となっていた。
さてさて、問題の場所だが、予想通りというかやはりというか
ここで亡くなられた方の残思が霊的なエネルギーを生みいくつも重なり合って非常に濃くなっている状態だ
その濃くなった残思がナースコールに絡みつき必死にボタンを押そうとしているのだろう
おそらく何百、何千という回数を押すことで機械の電気的な部分に影響を与えてしまっているに違いない、これでは何度機械を交換したところで同じ現象が続くだろう。
こういう状況は初めてだ、やはり3階で感じた違和感がそうさせているのだろう。
ただ不思議と恐怖は感じない、人の行きつく先なのだろうか、とも思える。
会社へ戻って課長に報告するとしよう、除霊に関しては主任がやってくれるだろう。
とりあえず依頼は解決しそうなので、同僚の元へと帰ることにする。
1階降り、事務室の前に行くと、同僚が頭を下げに来た、会社の仕事とは別に内密に相談に乗って欲しいと、他では話ができないのでそのまま事務長の部屋へ案内された。
それなりに大きな病院の事務長室とあって重厚感がある。
佐々木事務長「初めまして、私が当院の事務長をしている佐々木です、先ほど清水さんから見えざるものが見れるということで相談に乗っていただきたい。」
”困っている人がいるのであれば手を差し伸べるのが当たり前!”の上司なので、会社から怒られる事もなさそうだ、どうせ会社へ戻っても重要な仕事もないわけだし。
快く話を聞くことにした。
警備員が霊を目撃してから病院内で不審死が相次いでいるらしい
3階で感じた違和感に何かしらの影響があるように思えたので、早速、事務長室を出て階段へ向かうことにした。
階段から4階へ向かうことにした、3階から4階へ向かう途中でやはりその違和感が的中した、3階から4階の間に何かがある、水と油の境目のように上に霊的なエネルギーが水面のようにユラユラしている。
それにしてもこういう状況になる原因を突き止めないといけない、いきなり乗り込むにしても情報不足だ一旦戻っていろいろと調べることにしよう。
ご覧いただきありがとうございました。
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