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魔女と歩む魔法の世界  作者: 天野夜夢桜
7/18

★大魔女様の母親襲来★

魔女レイとの戦闘で最初は優勢だったエルマだったが逆転されてしまいピンチに陥る!

そんな時突然エルマにとって意外な人物が助けに来た!今回はその人物と一緒に戦うエルマのお話し。

エルマと戦い続けること三十分、なかなか決着がつかない。

だが所詮は子供……いえ、彼女の方が年上だったわね。

でも身体能力は私の方が上、エルマの方がかなり息切れをしている。

このまま押しきれば勝てる!


「はぁ…はぁ……。」

「あらあら随分と息切れしてるわね、私より歳取ってるわりにはあまり体力がないのね」

「余計なお世話だ、お前の体が無駄に年くってるだけだろ」

「へぇ言うじゃない」

「でも私は無駄に歳を取っているとは思わないわ。何時までもちんちくりんな小さい身体のままでは困るもの」

「ちんちくりんの身体のままじゃあねぇ♪」

「二度もちんちくりんって私を見て言ったな!」


チクショウ! アイツ私の身体の至るとこを見て言いやがった!

自分の身体は大人の身体、お前の身体は子供のままって言いたいということか!

こんな屈辱初めてよ!

くそっ! こうなったら何がなんでも勝ってやる!


「………もういい! とにかくお前をぶっ倒す! 覚悟しろっ! 水無月レイ!」

「水無月ねぇ、この姿の時は五月雨レイと呼んでもらいたいわ」

「水無月レイは死んで生まれ変わる前の名前、五月雨レイは生まれ変わった時の名前」

「この姿はまさにその生まれ変わった時の姿、だから五月雨でお願い」

「生まれ変わった? 何の話よ?」

「それは内緒、それよりもう話は終わりにしましょう」

「お前が名前の呼び方の話をしはじめといて勝手なことを……。」

「でももういい! お前の言うとおり、もう下らないお喋りはここまでだっ!」

「先手必勝! エレギエル!(神雷の鉄槌を!)」


この魔法は巨大な追尾式の稲妻で攻撃する魔法、逃げ切れるわけがない!


「もらったぁああああああ!」

「フフフ………。」

「な、何がおかしい!」

「いえ、やはり貴女はまだまだ考え方が子供だなと思って」

「なにっ!?」

「早く決着をつけたいからってムキになっちゃって」

「……………。」

「貴女は自分の魔法を利用されるかもという考えはないのかしら?」


「………はっ! ま、まさか!?」


「気づくのが少し遅かったようね。稲妻、私の方に来ているわね、それも巨大な」

「もしこの状況で私と貴女の立ち位置が入れ替わったらどうなるかしら?」

「まずいっ!」

「エンド・オブ・ザ・タイム!(時間よ止まれ!)」


ふふふ、エルマは少し恐怖の表情になったまま止まっているわね。

まぁあれだけヒントを与えたのだから流石に気づくか。

そう、私が先ほど言ったヒントから導き出される答え、それは私がエルマの立っているところに移動して、エルマを私が立っていた位置に設置する。

そうすることでエルマの放った魔法をエルマ本人に当てることが出来る。

だからそれを察したエルマは少し恐怖の表情になっているのでしょうね。

さてと、ではエルマを早いとこ回収して私のいた位置に放り投げますか。


ガシっ!


「おりゃあああああああ!」


ポイっ!


「あぁ~ 重かったわぁ、あのエルフ体重何キロあるのよ」

「四メートル放り投げるだけでこんなに疲れるなんて」

「はぁ~ はぁ~ でもこれでエルマは自分の魔法をくらう」

「それにしても、さっきみたいにトラップ式魔法陣が仕掛けられてなくてよかったわ」

「もしまた仕掛けられていたら、私の手がまた焼かれるところだった……。」

「でもまぁこれで終わりよ! 時間停止解除!」


ズギャンっ!


「あぎゃあああああああああっ!」

「どうかしら? 自分の魔法をくらう気分は」


「けほっ」


「あらあら立てないほど痺れちゃって、いったいどれだけ私を仕留めたかったのよ」


「………ちくしょう」

「さてと……もう決着はついたし、今度こそ記憶を消して安心しようかしら」


「お…まえ……の…その魔法は…………。」

「えっ?」


「時間を…止めて……るだろ?」

「なっ!?」


「その表情、図星だな……。」

「………何でわかったのかしら」


「なんでかって? そりゃあ分かるでしょ」

「私とお前の立ち位置が変わったのは時間を止めている間にお前が私を移動させ、お前は私がいた位置に移動した」

「そうね、でもそれだけじゃ時間を止めたという結論にはならないのでは?」

「お前はアホなのか? それとも考え方が抜けてるのか?」

「なんですって」

「お前移動させるときに私を放り投げただろ?」


「………………知らないわ」


「嘘をつくな! お前が呪文を唱えた瞬間に行き成り私は移動してた!それも体が横になり宙に浮いてたんだぞっ!」

「おまけに背中が痛い、お前が放り投げるときに持ち上げたからだ!」


「…………っ!」


ちっ、思ったより頭がいいわね、このエルフ!

まさかそんなことでバレるとは、今後は気をつけないと。


そう、今後はね……。


私の秘密を知りすぎたエルマをここで殺し、私が今後気を付ければもう秘密がばれることはない!

はぁ、まったく……。

私は殺すつもりなんてなかったのに………。

でも状況が変わったわ、時間を止める呪文が使えることがばれてしまった。

認めたくないけど彼女は天才、必ずこの呪文を無効にする方法を見つけ出して私を殺しにくる。

それだけは避けなくては!


もう記憶を消すなんて生ぬるいこと言っていられなくなってしまったわ。


「エルマ…残念だわ……私は貴女の記憶だけを消そうとしてたのだけど、状況が変わってしまったわ」

「………?」

「貴女を殺さなくてはいけなくなったわ、私のことを知りすぎた貴女を生かして置いたままだと私が危険な目にあってしまうから」

「私を殺すだと? へぇ~ 今までは殺さないように手を抜いてたってことか」

「上等だっ! 返り討ちにしてやるよっ!」

「返り討ちですって、そうはさせないわ!


娘の為にも私は死ぬわけにはいかないのっ!」


「エンド・オブ・ザ・タイム!(時間よ止まれ!)」

「エンド・オブ・ザ・タイム!(時間よ止まるんだ!)」


「何ですって!? 今エルマが同じ呪文を唱えたような……。」

「……でもどうやら時間停止は成功のようね、同じ魔法をエルマも唱えたと思ったけど気のせいだったようね」


「いや、気のせいじゃないぞ! 五月雨レイ!」

「なにっ!?」


「お前がこの呪文を唱えると同時に同じ呪文を私も唱えた」

「だから私だけは時を止められずに済んだ」

「お前の呪文は破られた! これも私が偉大なる大魔導士だからだろうなぁ」

「くぅ~ 小生意気なっ! でもまだよ! まだ終わってないわ」

「終わってない? お前の十八番は封じられた、もうお前はおしまいだ!」

「そうね、時間停止を破られたときは確かに終わったと思ったけど、よく考えてみれば大したことはなかったわ」


「時間停止に頼らず、他の魔法に頼ればいいのよ」

「他の魔法って、時間停止以外の魔法なんて私にとってはあまりヤバイとは思わないけど? それでも何か勝算がある魔法が残っているとでも言うの?」


「ふふふ、貴女と戦って時魔法を使いまくったおかげか、それともこの世界の制限魔法が私に効かなくなったおかげか……。」


「お前は何が言いたいんだ?」

「別にぃ~ ただ失われた力が戻ってきたので少し嬉しくって……。」

「お前の戻ってきた力ってーー」


ゴスっ!


「かはっ!」


な、なに? いきなりみぞおち辺りに強烈な痛みが、と言うよりは見えない速度でレイに殴られた!

い、息ができない! 苦しい………。


「何が起きたのか分からないって顔ねぇエルマぁ♪」

「はぁ~ はぁ~ いったいどうやって……時間は止められてないのに!」

「そうねぇ、これで最後だから教えてあげる!」


「私が失っていた力、それは時の流れを加速させたり減速させたりする力」

「つまり私は自分自身の時間を加速させ、貴女の時間を減速させた、そうすると私の攻撃速度はもはや人の目では捉えられないものになる」

「だから時間を止められていないのに貴女は攻撃が見えなかった」

「その証拠に、貴女みぞおち以外にも攻撃をくらっているのに気づいてないもの」


みぞおち以外に? そういえば何だかあばら骨や右足の太もも辺りがすごく痛くなってきた。よく見るとその痛みの場所は赤紫色になって腫れ上がっている。

痛い……骨にヒビでも入ってるのか、いやもしかしたらヒビどころか折れてるかも。


「ふふ、いつの間にか時間停止もとけているわね」


「あっ…あぁ」


「もうその負傷じゃ私の攻撃を避けることは出来ないし、反撃する魔法も唱えられない」

「い、いやだ……死ぬのはいやだっ!」

「せめて最後は楽に殺してあげる、私のこの魔法剣で貴女の首をはねて」


「レ…ン……くん………。」


「さようなら、エルマ…安心して死になさいっ!」


もうダメだ! 私はレイにあの蒼色の魔法剣で首を切り落とされる!

いやだ! 誰か助けてっ!


「ザルメディス!(斬撃の旋風を!)」


ズバっ!


「………あれ? なぜか剣が振り下ろされない。でもその代わりに紅い液体が落ちてきた」


「何で? と言うか今呪文を唱えたのは誰?」


「私じゃない……レイでもない……。」

「他の誰かだ………。」

「それに何時まで経っても剣が振り下ろされない……」

「いったいなんっ?!」


なにこれ、目の前に蒼色の剣を掴んだ右手だけが落ちている!

しかもこれは切り落とされたような感じの切り口が………。

これは誰の手? この剣を持っていたのは………レイ?


「うぐあぁあああ………。」


はっ! よく見るとレイが左手で右腕を押さえながら苦痛に耐えてる顔をしている。

相当な痛みなのか、ひたいに脂汗をかきながら涙目で痛みを耐えていた!

手を切り落とされた右腕からは血が大量に流れていた。


「どうやらさっきみた紅い液体はお前の血だったんだな、このまま失血死しそうなくらい出てる」

「うるさいっ! このくらいどうってことない! 私に置いてかれて辛い思いをしている私の娘の心の痛みに比べればっ!」


「リターン・オブ・ザ・タイム!(時間よ元に戻せ!)」

「うぐぁああああああっ!」


なっ! レイが呪文を唱えた瞬間、切り落とされた右手がレイの右腕に戻ってくっついた!

でもただ再生したというわけではなさそうだ、手が切り落とされたときの過程が逆再生するように再現されている。そしてその再現は見た目だけではないようだ、痛みも再現されているからレイが苦痛を感じてる。


「ふふふ………。」


ゾクっ!


な、なに? 今の声は? さっき呪文を唱えていた人物か?

でもどこかで聞いたような声だ。


「どうやら手を切り落としただけでは駄目なようね」


どんどんこちらに近づいてきてるのか背後から聞こえてくる声が徐々に大きくなっていく。


「でもどうやら精神的疲労の蓄積はされているようね、時の魔女さん♪」


真後ろから声が聞こえる、今振り向けば誰だかわかる!


くるりっ!


なっ! ま、まさか!? そんなまさか今私の後ろにいる人物、それは私がよく知っている人物であり、

夜の魔女と恐れられている人物でもある。


そう……はっきりと覚えている、紫色の長髪、尖った耳、そして背中に生えた大きな翼。

全部覚えてる、この人物は!


「久しぶりねエルマ、十年ぶりかしら?」

「ルージュお母さん!」

挿絵(By みてみん)


レイは今勝つのは私と言ったがそれ すごく驚いた、助けてくれた人物がまさかお母さんだったとは。

でもなんでここにいるんだろう? たまたま来ただけなのか、それとも何か目的があって来たのだろうか?


「エルマ……エルマ!」


「えっ?」


「何をボサッとしているの! 早く私の後ろに隠れなさいっ!」

「あっ……うん」


そうね、殺られないように隠れないと。

でも、この大魔導師エルマが母親の背中に隠れるなんて、レン君には見せられないわね。


「………もういいかしら? 待ちくたびれたのだけど」

「あら? 娘が隠れるまで待っててくれたの?」

「そうね、最初はエルマが隠れる前に攻撃しようとしたけど………。娘を守ろうとしている母親が油断しているはずがないし、また手を切り落とされるのがおちだと思ってね」

「へぇ~ 懸命な判断ね。確かに今手を出していたら私は貴女の身体を消し炭にして二度と貴女の娘さんと会えないようにしていたわ」


こわっ! 我が母親ながらなんて恐ろしいことを思いつくんだ。

でも流石はレイ、そんなことを言われても動じないと言わんばかりの顔つきをしている。


「ふ~ん、この私を脅すのかしら? たかだか私の右手を切り落としたぐらいで?ふふふ、あははは……なめられたものね、ヴァンパイア風情がっ!」

「ヴァンパイア風情ですって? 貴女こそ言葉に気を付けなさい、この貧弱女!」

「貧弱……貧弱ねぇ………。」

「そうね、貴女の言うとおり、私はこの世界では貧弱かもね……。」

「正直最強だと思っていた時を止める能力が破られたとき、私はショックと恐怖を感じた」

「まぁ恐怖と言っても貴女達に恐怖したとか、死ぬのが恐いとかってわけではないけど」

「へぇ~ 死ぬのが恐くないなんて、では何が恐いのかしら?」


「娘に会えなくなること………可愛い私の子供に会えなくなることよ」


「そしてそんな私と娘の平和を乱す原因になりそうなお前達はここで消す!」

「はっ! 笑わせるんじゃないわよ! 魔法技術や身体能力は私の方が上! 貴女に勝ち目はないわよ!」

「それはどうかしら、私にはまだまだ策があるの……貴女達を倒す策がね………。」

「策があるですって? はったりを!」

「はったりかどうかはこれから分かることだわ」


「…………………。」


レイのやつ、私たちを倒す作戦が本当にあるのか?私もお母さんも作戦があるとは思えないが。

「ではやってみなさいよ、どうせ策なんてないだろうけど」

「期待に応えてあげるわよ、ヴァンパイア」


「オルディア・オブ・ザ・タイム!(全ての時間よ、我に従え!)」


タイムが呪文名につくと言うことは恐らく時間系の魔法、でもどんな効果の魔法か分からない。


「お母さん油断しないで、レイの力は侮れないから」

「大丈夫よエルマ、私があんな奴に負けるはずがないわ」

「その油断、後悔するわよ……行くわよ、ヴァンパイア」


ブンっ!


「き、消えた!?」

レイのやつがブンっ!という音と共に消えた!いったいどこに?


ザシュっ!


「くはっ!?」

「お、お母さん!?」


何が起きたの? レイが消えた瞬間にお母さんの脇腹が突然裂けた!

それもけっこう深く、剣で切られたような感じだった。


「お母さん大丈夫?!」

「大丈夫よ、ヴァンパイアの私にとってはこの程度の傷どうってことないっ!」

「でもその傷、かなり致命傷じゃ………。」

「大丈夫よエルマ、私はヴァンパイア、驚異的な再生能力があるからこの程度の傷はすぐに再生する!」


確かによく見るとさっきまであった傷が塞がっている、私のお母さんは肉体的にもやばい人物だったようだ。


「それよりエルマ、ここから離れなさい!」


「えっ?」


「五月雨レイ、たいしたことない奴だと思っていたけれど予想以上に強い!」

「だから早く逃げなさい! 私は傷をつけられても再生するから大丈夫だけど貴女は違う、エルフの身体だから傷つけられたら致命傷よ」

「私は貴女を失いたくないっ! だから私を置いて逃げなさい!」

「私だってお母さんを失いたくないっ! だから置いていけない!」


「この分からず屋! 誰に似たのかしらね!」

「自分の性格をもう一度見つめ直せばわかるんじゃないの♪」


「はぁ~ わかったわよ、貴女の頑固は私に似て筋金入りだわ」

「構えなさいエルマ! そろそろレイの攻撃がまた来るわよ!」

「うん!」


私とお母さんはレイの次の攻撃が来てもいいように身構えた。


「来いっ! 五月雨レイ! この大魔導師エルマとお母さんが相手だ!」


私のこの台詞が合図と言わんばかりにレイの次の攻撃が来た!

と言うかこの間待っててくれるなんて、あいつは正々堂々な勝負が好きなのか?

それとも勝てる自信があるから余裕という意味で攻撃してこないのか?

とにかく早いとこ魔法壁を張って身を守らないと!


「マホルム!(魔法壁展開!)」


これでレイの攻撃は………。


「そんな防御壁で私の攻撃が防げるとでも? 時よ戻れ!」

「な、なに?! 私の張った魔法壁が解除された!」

「ふふふ、驚いたかしら? 貴女の魔法を発動させる前に戻したのよ♪」

「ちっ! ならば広範囲魔法ならどうだ! 姿が見えないほど素早いお前でもこの魔法は避けられまい!」


「グリゼリエルム!(大いなる光よ!)」


「半径三十メートルの範囲を光魔法が襲う!」

「ふん、下らない。時よ止まれ!」

「魔法が停止した! バカなっ! 何故魔法だけ止まるの? 世界の時間は止まってないのに!」


「もう私は無敵だから種明かししてあげる。先程唱えた魔法は私がついさっき手に入れた新しい力……時を思い通りに動かせる力よ!」


「だから今までできなかった事ができるようになった」

「成る程、それがこの力って訳ね。だから世界の時間は止めないでこの魔法だけを止められたのね!」


まずい、この時間を支配できるという能力はどう考えても私たちにとって不利!

魔法を唱えても唱える前に戻されるか、あるいは魔法の時間を停止させられる。

それにレイのあれだけの自信、きっとまだ何かあるんだ。


「お母さん! どうしよう! こちらの攻撃がきかな……い?」


私は呼び掛けるためにお母さんの方を向いて驚いた! さっき再生したはずの傷口が開いて血が吹き出しているのだ!


「お母さん!?」

「かはっ……まさか…傷口を閉じる前までに戻して出血させるとは………。」

「五月雨レイ、貴女は私たちに回復の余地も与えないということね」

「そしてじわりじわりとなぶり殺しにするということね」


「い~え、じわりじわりなんていたぶる趣味は私にはないわ、私は貴女たち二人の首を速やかにこの剣で切り落とし、殺してあげるつもりよ」


「二人は親子、だから死ぬときも一緒に死なせてあげる、寂しくないようにね」

「流石は母親らしい考え方をするわね、まぁかなりサイコパス的な考え方だけど」

「でもまぁ、その考えは実現しないわよ? 何故ならここで貴女を返り討ちにして殺してあげるのだから」

「でもそうすると貴女の娘さんには恨まれることになるかもしれないわね」

「こんな人を人とも思わないようなクズ野郎でも貴女の娘さんにとっては大切な母親なのだからね」


「……………………。」


「はぁ、何で貴女はこんな殺し合いでかたをつけようとするのか……。

何で話し合いでかたをつけられないのかしらね」

「全くもって理解できないわ」


「何言ってるのかしら? この狂乱ヴァンパイアは」


「元々私は記憶を消して平和的に解決しようとしたのに、そこのアホエルフが先に攻撃を仕掛けて来たから戦いになったのよ?」


「私の可愛い娘をアホ呼ばわりしないでちょうだい! それに記憶を消しに来るなんて既にその時点で貴女からの宣戦布告じゃない」


「はぁ、もういいわ、貴女は情けをかけなくてもいいクズ野郎だと言うことが再認識出来たから」

「では再開しましょう、お互いの信じる正義を貫くための殺しあいを!」

「そうね、もっとも勝つのはこの私、五月雨レイだけど」


「……………………。」

は違う、勝つのは私達だ!

それにレン君が私の事を待っていてくれているんだ、死ぬわけにはいかないっ!

私は再び闘志を燃やし、これからの戦いに集中した!

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