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魔女と歩む魔法の世界  作者: 天野夜夢桜
16/18

★大魔導士と白魔女と異世界人の決着★

完全復活したレイ、それに対して向かい討とうとするレン達。果たして決着と行方はどうなるか!

今回はそんな最終決戦の行方のお話。

 エルマの家にたどり着き、しばらく休息をとった後再び作成会議を始めた。

議題はもちろん五月雨レイが襲ってきたときの対策だ。

今度はより厳密に計画を練らないとディアボロスが殺された時と同じことが起きてしまうかもしれないしな。


「じゃあさっそく議題を始めて――」

「レン君待って!」

「えっ?! ど、どうしたんだ突然、ビックリするじゃないか」

「この気配、まさかあいつが!」

「あいつってまさか、五月雨レイか?」

「来る、あと数秒でこの部屋に来る!」

「ま、まさか冗談きついぞエルマ」


まじかよ、信じたくない……もう追いついてきたなんて。

だがエルマの表情や俺の隣にいるディアボロスの怒りに満ちた顔を見て、俺は本当のことだと悟った。


「あと数秒で私たちの目の前に出てくるぞ!レン君身構えて! 作戦会議はなし! ぶっつけ本番だ!」

「まじかよぉおおお!」


俺が叫んだ直後にエルマの言う通り五月雨レイが出現した!

しかも何だか以前の姿とは少し雰囲気が……髪型が変わったのか?

それに何だか気迫が違うような。というかこのレイはどのレイだ?

水無月レイが大人になったものなのか? それともクローン体の方か?

試しに訊いてみるか。


「五月雨レイ、お前は本物か? それとも偽物か?」

「本物も偽物もないわ♪ 私は私、皆私なの」

「水無月、クローン体、記憶の存在、皆一つになった!だから私は本物でも偽物でもない、おわかり?」

「あぁわかったよ」


まずいなぁ、あいつら融合したということは今の五月雨レイは完全復活した状態! しかも前回より強くなっている予感がするぞ!

ここは慎重に行動しないとな。


「なぁレイ、ここじゃあうまく戦えないだろう? 場所を変えるぞ、いいな」

「いいわよ、どこに行こうと私は貴方たちを殺すから♪」

「…………。」

くそぉ、しれっといい笑顔で言ってきやがって!

だがこれでエルマの家が壊れるのは回避できたな。

だが場所はどこにしようか、森の中だと前みたいに不利になるかも――。


「場所はこの私が指定するわね。私は貴方の場所を変えるという要望を聞いた、ならば場所くらい私が決めてもいいわよね♪」

「それは………。」

「いいだろう、場所ぐらいすきにさせてやる!どんな場所だろうがこの大魔導士エルマには関係ないことだ!」

「ふふふ、威勢がいいわね、じゃあ遠慮なく」

「クラメルスタ(魔空間を形成せよ)」


なんだ、レイが呪文を唱えた瞬間にあたりが真っ暗になってきた。

どこかに移動しているからなのか?

でもこの感じ、何だか俺がこの世界に来た時の瞬間に似ているような。

ということはやはりどこかの空間に移動しているのか?


「もうすぐ空間ができるから待っていなさい」


空間ができる? どういう魔法なんだこれ?


「クラメルスタは魔空間を創り出す魔法だよ、レン君」

「魔空間?」

「そう、レイは戦う場所を作っていると言えば分かりやすいかな?」

「なるほど、だがその空間ってどんな感じなんだ?」

「創る人によって違うから何とも言えないが、どうやらもうじき分かりそうだ、段々と明るくなってきた」

「本当だ、これで周囲がどうなっているのか確認できる」

俺は辺りがどうなっているのか確認するために周囲を見回した。

すると、中々不思議な空間が出来上がっていた。

どんな感じになっているか言っていくとこうだ。

まず床は薄紫色の半透明な何かがある。まるでガラスの床みたいな感じだ。

そして半透明だから床下まで見えるのだが、下には星空が広がっていた。

意外にもメルヘンチックな空間を創り出しているようだ。

次に壁についてだが、こちらは所々に模様が入ったようなしっかりしてそうな薄紫色の壁だ。ちなみに半透明ではない。

天井についても同様にしっかりしてそうな薄紫色の天井だ。

そして空間の広さや高さだが、学校の体育館並みに広いので戦いやすい場所になっていた。


「待たせたわね二人とも。じゃあさっそく殺し合いをしましょうか♪」

「そうだな、じゃあいくぜ! 覚悟しろよサイコパス女!」

「インフェルノバスター!(破壊の業火!)」

「業火の魔法ね、まさか貴方が使えるとは思わなかったわ」

「どぉおだぁ! 大魔導士様に教わったこの魔法をくらえ!」

「ふふふ、いいわねその威勢。だけど私の前では無力よ」

「ウォルテムル(水流よ我を守れ)」

「な、なにぃ!?」


俺の魔法は業火魔法、レイの魔法は水魔法、当然業火は水に勝てず

『ボシュッ!』という音とともに消え去った。


「俺の魔法を無効化しただと!?」

「あははは、やはり子供ね♪ 大人である私に勝てるわけないでしょ?」

「くそっ!」

「さぁお次はどうするのかしら♪」

「今度は私だ! ブレフレアス!(冷気で凍らせ、炎で燃やせ!)」

「なるほどね、水のバリアーを凍らせて炎で燃やすと、よく考えたわね」

「しかも魔力が高い分効果も高い、氷が炎で溶けて水に戻ったとしても水を一瞬で蒸発できるから何の問題もない」

「そうだ! お前の水魔法は一度凍らせれば次の魔法を唱えるまでは水が出なくなる! その隙を私の魔法で作って燃やしてやる!」

「ふふふ、貴女もやはりまだまだ子供ね♪」

「ウルバイン(魔力を奪え)」


ギューン


「な、なんだ? エルマの魔法がレイの手の中に消えていく」

「そんな魔法まで覚えていたとは………。」

「さすが大魔導士様、呪文名を聞くだけで何でも分かるのね」

「そう、この魔法は相手の魔法や魔力を奪うの」

「つまり今貴女の魔法を奪ったということよ♪」

「さてそこで問題よ、この魔法はどうすると思うかしら♪」


「………はっ! レン君逃げてぇええ!」

「えっ?!」

「アイツ私の魔法をそっくりそのまま返してくるきだぁああ!」

「返してくるって今放った魔法をかぁ?!」

「くらいなさい! ブレフレアス!(冷気で凍らせ、炎で燃やせ!)」

「うわぁあああああ!」


レイにエルマの魔法を反射されてしまった瞬間、俺は死を覚悟した。

戦闘開始からものの数分で諦めるのはヘタレと思うかもしれないがそのぐらい凄まじいのが今こちらに向かって来ているのだ!

怖いと思うのは当たり前だし、人生終了のお知らせが頭をよぎっても仕方がない!

しかしながらこのまま終わるのも癪だからまたもやこの魔法をイチかバチかで唱えることにした!


「くそぉおお! ギエルディアデス!(破壊せよ!)」

「破壊魔法ね、そうはさせないわよ! ギエルディアデス!(破壊しなさい!)」


えぇえええええ! アイツ俺の破壊魔法に破壊魔法をぶつけて相殺しやがった!


「終わりよ! 二人とも焼け死になさい!」

「今度こそ終わりかぁ!」

「諦めないでレン君! 逃げ切れないならこうすればいい!」

「ワプル(転送せよ!)」


「なっ! レン達が消えた! いやこの場から離脱したのかしら?」

「ちっ、魔法が外れてしまったわ………絶対に逃がさない!」

「誰が逃げたって?」

「………っ!」


今背後からエルマの声がしたけど、まさか!


「お前の予想はあたりだ! 後ろだくらえ! ウィグレディオ!(旋風よ撃ち殺せ!)」


バンっ!


「がはっ!」


よっしゃあ! エルマの弾丸のような風魔法がレイの背中に当たりそのまま身体を貫いたぞ!

これはもう致命傷、位置的にも多分心臓を打ち抜いたぞ!


「げほっ、げほっ、うえっ!」


ま、まさか……少し油断しすぎたかしら?

身体を打ち抜かれて吐血するほどのダメージを受けるなんて。

でも私は強くなった、この程度じゃ死なない!というか死んでなるもんですか!


「ヒライセス(癒しなさい)」


これで心臓に空いた穴と身体に開けられた穴は塞いだわ。


「はぁ、はぁ、やってくれるじゃない……おチビさん」

「お前こそやるじゃないか、まさか傷を魔法で塞ぎ致命傷を回避するとは……。」

「しかも前回とは違い、痛みを感じる時戻しの魔法ではなくちゃんとした回復魔法を使ってきやがる始末、随分と成長したじゃないか」

「どうやらただ単に子供から大人に戻ったわけではないということだな。」


まぁさっき三人のレイが合体したと言ってたし前回より強くなっているのは当然といえば当然か。

そういえばレン君は大丈夫だろうか、倒したと思った敵が復活したのでショックを受けてないか心配だ。


チラッ


「……………。」


あぁ可愛そうに、そんな放心状態になるほどショックを受けているんだね。

でも安心してレン君、この私がいれば勝てるさ!


「レン君をこれ以上不安にさせないように私も本気を出すよ!」

「……本気…ねぇ、今までは本気を出したことがないと?はっ! とんだハッタリを!」

「ククク……どうかなぁ? 正直これだけは使いたくなかったが仕方がない、やってやるさ! ヴァンパイアモードだ!」

「ヴァンパイアモード? いったい何をいって……っ!?」

「あぁあああああああああ!」


な、何かしら? エルマの様子が……というよりは気合いの雄叫びをあげてからエルマの犬歯?の部分が段々と長く伸びて鋭くなってきている。

それに手の爪も同じく鋭く伸びてきている。

まるでヴァンパイアのように……。


「がぁあああああああ!」


まずいわね、このままエルマがヴァンパイアになったらあの忌々しい女ヴァンパイアのように厄介な敵になる!


「もういいわ! 完全に変身する前にお前を殺す!」

「この剣でお前の首をはねてね!」

「まずい! そうはさせるか!」


ガインっ!


「ちっ、邪魔をするなレン! お前から先に死にたいか!」


ガンッ! ガンッ!


うぐぐ……私の速さについてきているですってぇ!子供のくせに……。


「どうしたんだレイ、お前の動きが手に取るように分かるぜ」


まぁいつもどおり俺の持っている魔法剣のフィーナがレイの動きを予測していただけなんだけど。

どうやらレイはまだこの予測される能力のことを思い出してないようだ。


「思い出した、貴方は私の動きを予想できたわね……。」


はい、見事なフラグ回収で思い出してくれちゃったよこの女。

だがどうやらエルマの変身が完了したようだ。


「グルアアアアアアアア!」


エルマの変身状態は初めてみるがどんなものなのだろうか、というか変身出来たことに驚いたよ。


「うぐうう、レ…ン……くん………。私から離れて………。」

「おう!」


俺はエルマから少し離れたところに移動して様子を見始めた。

さて、どんな戦いかたをエルマがするか見てみるか!


「………………。」


まずいわね、レンに邪魔されてエルマに変身を許してしまったわ。

正直変身状態のエルマは初めて見るしパワーアップしている感があるから少し臆してしまっているわ。

だけど、だからと言って負けるわけにはいかないの!

二度も負けるなんてあってはならないし、それに私には使命があるっ!

だから今回は私が勝つ!


「グルルル」


五月雨レイ、お前は危険な存在だ! こんな姿レン君に見せたくなかったけど、お前を倒すためなら何でもやってやる!

絶対に勝ってやる! そして二度と逆らえないようにしてやる!


「五月雨レイ! お前の血液を吸い尽くして殺してやるよ!」

「フンっ、やってみなさい! ここからは本気で殺ってやるわ!」

「オルディア・オブ・ザ・タイム!(すべての時間よ、我に従え!)」

「どうやら本気のようだなぁ? でも私だって!」

「ディブレア!(吸血せよ!)」


ギューン


「うぐっ!?」


今何か血を吸われた感覚がした! まるで身体全身から一気に血を抜かれた感覚が!

いや、気のせいではないわね。私が吸われた感覚を感じた瞬間にエルマの魔力がより上がった感じがした。

ということはこの魔法はやはり相手の血を魔力ごと奪い、そしてそれを自分の力にできる魔法ということね。

小生意気なことするじゃない。

でも私は今時間を支配している、つまりこちらが有利であることに変わりはないわ!


「なかなかやるじゃない、でもこれはかわせるかしら?」

「デリエスル!(生命活動を停止せよ!)六連射よ!」


ギャオン!


「即死魔法か、でもそんなものくらわなければいいだけ」

「そうね、でもそううまくいくかしら?」

「うまくいくさ! ワプル!(転送せよ!)」


ブンっ!


「ワープで回避ね、でも忘れたのかしらエルマぁ、この時を支配された空間では私の思いのままということを!」

「時よ、エルマの時間を戻せ!」


ブンっ!


「………っ!?」

「ふふふ、エルマの時は戻った、ワープする前の時間までね♪つまり貴女は逃げられないということよ!」


ドカーン!


「エルマぁあああ!」


そんな、エルマに六発の即死魔法が当たっちゃった!

もうエルマは助からない、エルマが死んじゃう!


「………………。」


バタリっ……。


あぁ、エルマが地面に倒れた。エルマ…エルマ………。


「ふふふふ、はははははは! やったわぁ♪ 目障りなエルマを殺してやったわ! ふふふ、いい気味ねぇ」

「ふ、ふふふ………さぁて、今度は生意気な少年を殺しますかぁ」

「私を舐めきってたことを後悔させてあげるわぁ」

「くっ………。」


レイの奴俺を殺す気満々な目だな。多分全力を注いで殺しにくるだろう!

だが俺だってエルマやディアボロスを殺されたんだ!

お前に負けてたまるか!

しかしどうする、あの即死魔法と時間戻しを攻略しないことには勝てない。

どうやって攻略するか……。


「おいレン! 俺様に今から言う魔法をかけろ」

「魔法? 幽霊のディアボロスに魔法ってかかるのか?」

「ああ、この魔法ならかかる」

「わかったよ。それでどんな魔法なんだ?」

「ユグルアス(魂よ対象物に入れ)という魂を憑依させる魔法だ」

「なるほど! それでどこに憑依させるんだ?」

「お前が持っている剣に入れろ! 早くしろっ! レイが来るぞ!」


タッタッタッタッタッタ!


「何かやる気かしら? ふふふ、何をやっても無駄よ♪」

「まずい! レイが来る!」

「早くしろっ! レン!」

「やってやるよ! ユグルアス!(魂よ対象物に入れ!)」


レイが迫りゆくなか呪文を唱えた! するとディアボロスの姿が消えて剣の中に入っていった……たぶん。

正直ディアボロスが一瞬で消えただけに見えたから実際に剣の中に入っていったところは見ていなかったから多分という言い方だが、大丈夫だと思う! というか大丈夫であってくれ!


「レン! 貴方もこれで終わりよ! デリエスル!(生命活動を停止せよ!)」


ギャオン!


「うわぁあああああ! もうだめだぁあああ!」

「レン! 剣を! 俺様を使ってアイツの魔法を叩き斬れ!」

「ディアボロス、剣に入れたのか?」

「んなことどうでもいいからさっさと斬れ! 死にてぇのか!」

「死になさい、レン!」


ギューン!


「うわぁ! 即死弾がこっちに来る! おりゃああああ!」


ザシュ!


俺は迫りくるレイの魔法を剣で叩き切った!

するとレイの即死魔法は消滅して、なんとか即死を免れた。


「すごい! すごいぜ! 破壊魔法を剣に付与した感じになってる!」

「そりゃあそうだ、なんたってこのディアボロス様が憑依してるんだからな!」

「なるほど! これでエルマの仇を討てるぞ!」

「そんな…私の即死魔法が剣で斬られて消滅したですって!?」

「くっ、いつもそうよ! 勝てそうになるとアイツらがパワーアップして逆転される!」


「まるで運命のように必ずそうなる、だけど今回は絶対に負けない!」

「どんなことをしても必ず勝つ!」

「やれるものならやってみろ、五月雨レイ! もうお前に勝ち目なんてない!」

「勝ち誇れるのも今のうちよ? 私はこの世界の時間を支配しているの、それを忘れないことね。時よ、レンの時間

を戻せ!」


ゴーン


「そんなことをしても無駄だ! そんなのこの破壊の剣に効くわけ…ってあれぇ!?」


俺は驚いた、隣を見るとさっき剣に憑依したはずのディアボロスが目の前に立っていたからだ。


「あぁ~ すまんレン、どうやら破壊魔法がかかった剣でも時の支配からは逃れられなかったようだ」

「やばいじゃん!」

「ふふふ、これで貴方が魔法を唱える前までの時間に戻ったわ♪覚悟しなさい!」


どうやらレンの表情を見る限り、先ほどまであった自信は無くなったようね。これで安心して殺せるわ♪

少年のくせに、大人を舐めてるなんて生意気! でももういいわ、この剣で首をはねれば私の勝利!


「レン、貴方はこれで終わりよ! 死ねぇええええ!」


私の横に振るう剣がレンの首に向かっていく!

あと少し! あと少しでレンの首は飛ぶ! これで私の勝ち!

待っててね、私の子供達。こいつを倒して今すぐ迎えに!


グシャ!


「かはっ!?」


な、なに? 急に背中に痛みを感じたと思ったら今は胸のあたりが冷たい?

いや熱い! それに苦しい…呼吸ができない!

いったい何が……っ!?

そういうことか……。今私は背中から刺されて心臓を手で握られている状態というわけね。

しかもこの手は、エルマ?

そ、そんなバカな……あの女は確かにさっき殺したはずなのに、何で私の心臓を握れるのよ! どうして立っていられるのよ!

く、くそ! さっきと違って今度は肺を抉られている、魔法が唱えられない!

それに呼吸もできないから意識が………。


パタン……。


こんなところで終わりなの? 今までやってきたことが無駄になってしまうの?

私たちの思いはここで潰えるの?

ここで私は消えるの?

悔しい………。


シューン


消えた! レイがエルマの一撃をくらいそして消滅した!

というかエルマが何で生きてるんだ。即死魔法を受けて死んだはずじゃあ。


「エルマ! どうして生きてるんだ? 確かに即死魔法をくらってたのに!」

「……なんだいレン君? 私に死んでほしかったのかい?」

「そんなわけないだろっ! だけどさっき確かにくらってたから……。」

「ふっふっふ、それはねぇレン君、ヴァンパイアというのはそもそも常人を超えた肉体なんだ」

「だから私には即死魔法が効かないんだ」

「まぁ私は中途半端な体質だから即死魔法が効かないだけで普通のヴァンパイアよりはか弱い身体なんだけどね」

「ははは、そうかい。でも本当に良かったぜ!エルマが生きててくれて!」

「フフフ、それじゃあこんなへんてこりんな空間からさっさと離れよう! ワプル(転送せよ)」


ブンっ!


「さぁ、帰ってきたよレン君♪ ご飯にしようか♪」

「そうだな、久しぶりにエルマの手料理を食べてみたいぜ」

「うん! すぐに作るね♪」

「おう! ところでエルマはいつヴァンパイアモードが戻るんだ?」

「あと三時間ぐらいしたら戻るよ」

「なるほど! 自由自在というわけではないんだな」


まぁ時間が経てば戻るならいいや、それはそうとディアボロスの幽霊は成仏してないのかまだ目の前にいる。ずっとこんな感じなのだろうか?

ちょっと訊いてみるか。


「なぁディアボロス、お前を殺した奴はエルマがとどめを刺したんだがまだ心残りがあるのか?」

「なんだレン、俺様がずっといるのは不愉快なのか?」

「違う違う、ただ何か理由があって成仏したくても出来ないなら何かしてあげられないかと思って」

「別に…ただ俺様はここにいたいからいるだけだ」

「そうか、ならいいんだ。悪かったな、余計なことを訊いて」


「別にいいさ、お前が優しいのは知っているからな」

「それに…そういうところに私は魅かれたんだ……。」

「ん? 最後何か言ったかディアボロス?」

「うるせぇ、何でもねぇよ!」

「うおっ! 何だよ、まぁいいや」

「それじゃあ俺は机とか綺麗にしてくるよ」


タッタッタ


俺はエルマが作った料理を並べ、すぐに食べれるように机の上を片付け始めた。

そしてその後エルマの作った料理が並べられて食事を開始した。


「いただきま~す!」

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