物語導入~同窓会をしよう~
完走できるように頑張ります。
夏休みという名の長期休暇が始まる頃合い。
燦燦と照る太陽の光が、アスファルトを跳ね返って、もわもわとした煙を吐き出している。
もう夏本番だ。
毎年、夏を巡る度に気温上昇しているなどと、メディアが報道していると聞く。
きっと地球は、今なお悲鳴をあげていることだろう。
今に、爆発する。
そう、地球は、滅亡する。
などと、阿呆なことを考えながら、俺こと柳田邦夫は、駅へと向かっていた。
『久しぶりに、同窓会をしようぜ』
『何を急に言い出すんだ』
自室にてパソコンでのチャットをしていると、急に話を振られた。
徐々に蒸し暑くなってきていることに対して、文句を言っていただけだ。
何故、このタイミングで同窓会などという微妙に面倒臭いイベント事を提案するのだろうか。
『夏も近いからな。とっておきの場所があるんだよ』
悪友の坂城昇は、大体にしてイベント事を好む性質である。
誰にも相談することなく企画を立てて、いきなり発表する。
急な話だからやめておく、と、断ろうとしても、色々と根回しをされてしまい、結局は参加することになってしまう。
『今度は一体、何を思いついたんだ』
呆れながらも話題に乗っかってやろうと、先を促した。
『ああ、裏野ドリームランドって知ってるか?』
『名前からして、テーマパークか何かか?』
『おいおい、知らないのか。お前、それでも元オカルト研究部部長かよ』
『ああ、何だそっち系の話なのか』
柳田邦夫は、中学校、高校、大学に至るまで、オカルトと名の付く様々な事柄に興味を抱いて、青春を棒に振った過去があった。
今更、思い出したくもないような 事を振られると、妙に胸がざわつくものだ。
『その裏野ドリームランドのチケットが手に入ったんだよ』
『なるほど。そこで同窓会をしようっていうわけなのか』
坂城の言わんとしていることを予想してみる。
つまり、何らかのオカルト的な噂のあるテーマパークに、元オカルト研の部員達で遊びに行こうというわけだろう。
『話が早いな。俺は、麗子と薺と桃国とキノコに話を通しておく』
『お前話が通し易そうなメンバーばかり選びやがったな』
後の残っているメンバーといえば、今どこに居るのか分からない奴ばかりではないか。
『生生とサムライの連絡は、お前が適任じゃん』
『一応連絡できるのはその辺だろうな。連絡できたところで、来るかどうかは知らんぞ』
『そういうのは、駄目で元々ってやつよ。まあ、あいつらも部長命令なら聞くって』
『どうかねえ』
元、オカルト研メンバーの顔を思い浮かべてみる。
変人ばかりが集う部活だというのは有名な話だったなあ。
『まあいい、それでいつ頃に行くんだ』
『準備を含めて、二日後』
『無理に決まってんだろ』
しがない雇われサラリーマンが、急に休みを取れるかって話である。
『冗談だよ。土日、休みだろうから二週間後の土、日辺り時間取れるか』
『うーん、まあ、妥当かもな』
『よしよし、じゃあ、連絡よろしくー。じゃあ、俺は準備に入るからまたな!』
返事も待たずに、ログアウトしやがった。
「はあ、ったく。ええっと、オカ件緊急連絡先どこやったっけな」
そもそも、あいつらが電話持っているかどうか分からないけれども。
「んん、何だこの光は」
妙な板切れに光が灯った。光は明滅して、音が鳴り響く。敵襲だろうか。
「キョーカさん。それ電話ですよ。テレフォーン」
「電話、か。・・・使用方法がわからん」
「いつの時代の人間ですか!?っていうか何で分からないもの持ってるデスか!?」
「親に持たされた。代わりに出てくれ」
「はぁ、ナンだかなぁ」
あ、もしもし。サムライか。今、時間大丈夫か。
「いつの時代の人デスかっ!?」
「あー、引きこもりぃ最高ぅ。スレでも眺めょ」
カチカチ。と。薄暗い部屋で一人スクリーンを眺めていると。
花蘭大付属中学校高等学校元オカルト部同窓会について。
「こ、これは一体ぃ」
スレを開く。
1:部長:xx/xx/xx(x)02:08:44:ID okAjaKelN:(主)
元、オカルト研に告ぐ。っていうか、生生に告ぐ。
今から、二週間後に同窓会を行うことになった。
レスが100超えるまでに、返答がなかった場合、赤裸々な過去を晒す。
2:名無しさん:xx/xx/xx(x)02:13:52:ID bEoKnsWUsA
>>1 それなんて読むの→生生。
3:部長:xx/xx/xx(x)02:14:38:ID okAjaKelN:(主)
苗字と名前の一部分をモジって、呼んでたんだったかな。
生生→しょうじょう、または、ナマナマって言ってたかな。
4:名無しさん:xx/xx/xx(x)02:15:03:ID bEoKnsWUsA
ほうほう。ちな、その子って性別は女子なのかな。
そうだったら、レス加速することになる。
5:名無しさん:xx/xx/xx(x)02:15:41:ID HJNsUiRiL
女子の赤裸々な過去と聞いて!
6:部長:xx/xx/xx(x)02:16:05:ID okAjaKelN:(主)
うーん、それ言おうか悩むなあ。どうしようかなぁ。
7:名無しさん:xx/xx/xx(x)02:15:41:ID HJNsUiRiL
>>6 言っちゃえyou!
8:名無しさん:xx/xx/xx(x)02:16:07:ID KKlmdHJn
個人情報保護法に抵触するぞ。やめとけ。
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97:部長:xx/xx/xx(x)08:58:16:ID okAjaKelN:(主)
ちょっと覗いてみた。出先だから、暴露話は家に帰ってからにするわ。
やっぱ、掲示板で連絡とか無理あるかぁ。仕方ないなぁ。
「ぎゃあああああ!!!!!!」
叫び声をあげながら、キーボードを叩いた。
99:生なマ:xx/xx/xx(x)08:59:00:ID GhnkJiHaB
勘弁してくださぃぃぃ!!!!!!!!!!!!
「うーむ。お手上げだ」
元オカルト研メンバーの2名が行方不明である。
学校へと問い合わせたり、連中の実家へと連絡をした。
しかし、家族からは、
「今どこにいるのか分からないけど、元気だと思います」
と、そのように返答されてしまった。
確かに、死にそうにはない連中である。
というか、家族もその認識なんだ。そうなんだ。
「全員揃わんでもいいよな」
一応、伝言は頼んでおいたが、連絡が付くことはないだろう。
後、一週間後か。裏野ドリームランドがどういう場所かどうかだけでも、少し調べておくとしようかな。