命名
「危ない!」
誰かの叫ぶ声が聞こえる。
そこで俺は目が覚めた。
ぼやける視界の焦点をはっきりさせると白いタイルの天井で汚れ一つとして許さないような光沢を持っていた。
いつの間にか服も着替えさせられており、古城を目指す前に来ていたボロボロの黄ばんだ服ではなく黒い上質な麻のローブに着替えられていた。
そして肌触り。よく沈むベッドで寝かされているようだったが全身から力が抜ける最高のベッドだ。
(最後にベッドで寝たのはいつだったかーー)
確か熊を殺して歩いていたら…
その時、音もせずに灰色の扉が開く。
そこには美しい女性がいた。茶髪の長い髪を揺らし前髪に少し髪がかかっている。そして水色の特徴的な瞳に胸元の開いたレース編みのワンピースからチラチラとやや膨らんだ胸がみえる。
「おはよう! 私はアナ。よろしくね」
いきなり自己紹介を始めるアナという人物。際どい服を着ているので目のやり場に困るがこちらも返さなければという責任はある。
「お、おはよう」
こちらに近づき俺の寝ている布団の横に腰掛ける。
「君、名前なんていうの?」
唐突の質問に困る。そして名前が思い出さないので困っていたのだ。
「名前…?名前かぁ」
「わかんないの?」
「うん…」
「そうなのか〜そりゃ困ったな。 なんて呼んだらいいかわかんないもんね」
と言い自分の指先を頬にツンツンしながら考える。
「そうだ! 私が名前を考えてあげるってのはどう?」
なんだかよく分からないけどそうしとくことにする。
「いいよ」
「本当に!? 気に入らなくても怒らないでね?」
テンションが急に上がるアナは立ち上がって床も白いタイルで磨かれている上をコツコツと足音を鳴らしながらウロウロする。
数10分後…
「閃いた!」
頭の上に豆電球がたくさん見えた(ような気がする)
「ショノウってのはどう? カッコいいでしょ?」
(ショノウ…なんだか響きが良くてかっこいい)
「うん、いいね! じゃあショノウになる」
「わーいわーい!」
嬉しくなり急に飛び跳ねるアナ。胸部の揺れも比例して弾むのだがあえて見ないことにしていた。
「じゃあ早速なんだけどうちの王様と喋ってきてくれない? おねがい!」
「えっ? えっ?」
「だから、うちの王様とお喋りするの。 簡単でしょ?」
(王様いたんだ…)
なんだかよく分からないけどアナの頼みだからそうすることにする。
「わかった!」
「ありがとうショノウ君! 案内するね」
俺はベッドから立ち上がると視線が低いことに気がつく。
(あれっ、俺ってこんなに身長低いんだ)
まだ自分の容姿を見たことがないので今まで想像していた自分を捨てる。
そしてアナが開けた扉の外へ続いていくことにする。
まだまだ文章が短いですが少しづつ表現などを具体的にすると長くなると思います(T^T)
ただ具体的に説明するのは難しい!