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#1-9 嵐の前の一時 【挿絵あり】

今回後半にちょっとだけR-15描写あります

 「貴方ねぇ~あらぁ~イイ男じゃなぃ~」

 「・・・ぐっ」

  

 ボロミア伯爵の晩餐会に招き入れられ、俺は紹介された目の前の筋骨隆々の伯爵と名乗るエルフに丸太の様な腕に抱きつかれてた。


 「は、伯爵、招待して頂いてありがとうございます、ぐっ痛いぃ、痛っ」

 「いえいえ~こちらこそ、ウチのピュティちゃんを助けてくれて助かったわ~ドリアドネ公の大事な娘なのよぉ、この娘に何かあったらあの人に顔向けできないわぁ~!」

 「そ、そうですか、大事なのは判ったんで、離れて、ぐぅふ」


 おねぇ言葉もさることながら、抱きつかれたまま尻まで触ってきたぞこのオカマ!。

 何とか助けを求める視線を伯爵の隣に控えてたティファに送ったのだが。


 「・・・ッ!」


 ティファと目線が会った直後を逸らした、目逸らさないで、お願い助けて。

 こうなることわかってたなティファ・・・!.



伯父おじ様!、いらっしゃったのですね!」

 

 俺が伯爵の胸板でもみくちゃにされてる中、声をかけられた、ピュティだった。

 助かった、俺の女神!


 「ふふ、伯父様アキラを気に入ったのですね」

 「あら~ピュティちゃん~もう体調は大丈夫?痛いとこない?」

 「大丈夫で、伯父様ありがとう」


 ピュティが来て、伯爵は俺を離してピュティに歩み寄り、そのでかい手でピュティの頭を優しく撫でた、撫でられたピュティも目を細め嬉しそうに笑った。


 「ほら、ピュティちゃんアキラちゃんも座って、ほらティファちゃんも、もっとお話しましょう」


 さり気なく伯爵が俺に投げキスしてきたが、俺はなんとか見えなかった振りをして促された席についた。

 アリスはというとジーと伯爵を見つめてた、そして指を差して何かを言おうとした瞬間・・・。


 「ヤメロ、知りたくない」


 誰にも聞こえないほどの小声で、アリスが伯爵のカップサイズを言おうとしてたのを間一髪で阻止した。


(頼む、今後は男のカップレビューしなくていい、いいか命令だ)


こくんっ。


 俺の心の声を理解したのかアリスはこくんと頷く。



---



 そのでかい大食堂で俺ら四人は晩餐をしながら談笑をしてた。

 会話は主に伯爵の武勇伝やら、ティファから語られるピュティのお転婆行動の数々。


 「ち、違うんです!薄荷草を煮て顔に塗りたくったのは魔法力を高める古代の儀式でっ!ちょっとアキラも笑わないでください!」


 と顔真っ赤に黒歴史を暴露されてはなんとか体裁を保とうと変な注釈を入れてくる。

 ちなみその草を塗りたくって貼るのは、美容顔面パックの一種でピッティが古代書物(恐らく雑誌)を勘違いしてやってるぽい、多分顔が綺麗になるだけで魔法力というのは上がらないとおもうぞ。

 

 「あはは、そんなことあったわねぇ~街中顔がぐちゃぐちゃなバケモノが現れたて騒ぎだったわね」

 「うぅ、バケモノなんて、ひどいです・・・」

 「伯爵様、どうぞこちらを」

 「あら~悪いわねぇ~レズリーちゃん~ありがとう~」 

 「いえ」


 時折控えてたメイドがおいしそうな肉料理をテーブルに運んでは、控えてたレズリーが空になった伯爵のグラスに酒を注いでいる、伯爵にも酒を勧められたがまだ未成年だから丁重にお断りした。


 「そうだ、伯爵一つ聞きたいことがあった」

 「あら?何かしら~彼氏は募集してないけど、アキラちゃんなら私のお気に入り隊に入れてあげるわよぉ~」

 「あ、いえ・・・そゆうのじゃくて・・・この街の南にある森について伺いたい、あそこらへんて何か変わった物や事がないですか?」

 「あーあの何もない森ね、通ったことあったけど何もない場所だったわね、抜けた先は岩山があるわ、変わった事といえばアレかしら」

 「アレとは?」

 「たまに《王蟲オーム》が岩山の岩を食べては何処かに行ってるのよねぇ、いったい何処に巣を作ってるのかしら?」


 俺は思い切って明日探索予定の場所の情報を聞いてみた、この街の領主だし何か知ってるのではないかと思ったからだ。

 

 「あそこは私も知ってるが、いまだに《王蟲オーム》の生息圏がよく判らない、アキラはあそこで何をするんだ?」


 とティファに尋ねられた訳だが、ここで俺は事前に用意してた答えを出す出番だ。


 「精霊が囁くんだ、あそこを調べよと、さすれば妹の手がかりは見つかるとね」


 レズリーに精霊使いて勘違いされてたので、この際だから精霊使いてことで統一しようと思う、実際あるのかどうかは知らないが今後も自己紹介プロフィールには【速見 アキラ 職業:精霊使い】これでいこうかな?。

 そんな俺の作り話に伯爵とティファはなるほどなと関心をしめした。


 「精霊ねぇ~いいわねぇ~私は見えないけどきっと素敵なんでしょうね~」

 「なるほど精霊の導きとあれば、なかなか信憑性があるな」


 「ふぁ・・・・ッ」


 そんな二人と違い一人違う反応をしてた。



 ピュティだ。



 この上ない目をキラキラさせて、俺の口から放たれるアリスのでっち上げたそれぽい単語の継接ぎでできた【精霊の言葉】に耳を傾けてた。

  

 『あの女相当マスターの事気になってますよ、精霊使いて設定マズかったのでは?』


 俺もそう思うが放った矢はもう戻せない、このままこの設定は通す。


 「あのっ!あのっ!アキラ良ければ明日私がその森案内を・・・」

 「ピュティ様っ!駄目です、昨日の今日でまた同じことをっ!」

 「うっ・・・ティファの意地悪・・・」

 「そうよ~ピュティちゃん、あまりティファちゃん困らせちゃ駄目ぇ~駄目ぇ~よぉ、ただでさえティファちゃん婚期逃してるんだから、これ以上目のシワが増えることことしちゃ駄目ぇよぉ~」

 「は、はい・・・伯父様がそう仰るのなら・・・」

 

 俺に付いて行きたかったのかムスっと返事をする。

  

 「なっ、伯爵!私の婚期の話はやめてください!」 

 「ねぇ、聞いてよアキラちゃん、散々私がいい兵士紹介したのに、全部振ったのよこの娘~」

 「や、やめてください、その話しわぁぁ!」


 どうやら案内て名目で俺について来たかったぽい感じだが、即座にティファに却下されてしまってすっかり子犬の様にしゅんとしてる。

 ところでピッティが10年前が10歳だからいまは20ぐらいか、ティファは若そうに見えるがいったいいくつなんだろうか?

 しかしながらやっぱりあの森と山は情報だと何かある感じだ、《王蟲オーム》というのも気に懸かる。


 それ以降伯爵によるティファの婚期弄りが続いたが、他のメイドが入って来て控えてたレズリに何かを相打ちをした。


 「ボロミア伯爵、執事様の馬車の迎えが来ております 」

 「あら?もうそんな時間」

 「ええ」

 「わかったわ、すぐ行くわよぉ~」


 そう言って伯爵は席を立つ、それに反応してピュティとティファも同時に席を立つ、俺も習って立つ。

 伯爵は最後にまた俺を力強くその丸太の様な腕でハグをしてきた。


 「ほんと、うちの大事なピュティちゃん見捨てないでくれてありがとうねぇ、この街にいる間は屋敷に滞在していいからねぇ~」

 「伯父様もお気をつけくださいね」

 「ではピュティ様、私も伯爵と共に本館戻ります、アキラもごゆっくり」

 「うん、ティファも気をつけてね」



 レズリは伯爵とティファを外に待たせてる馬車へ案内と見送りでそのまま大食堂から出た、三人が出たあとピュティは再度椅子に座り、注がれたワインをちょびちょび飲んでる。

 他に控えてたメイドたちは去った二人分の食器一式の片付けをしてる中、ピュティはまた目をキラキラさせながら俺に話しかけた。


 「あの、あの、アキラ!精霊の声が聞こえるのよね、私精霊術も興味あるの!こんど精霊のこともっと教えて欲しいの!その代わり私が明日南の森の案内してあげましょう」

 「さり気なく、決定事項のように明日の案内案件を取り付けるのは却下、さっきのティファに止められてたの忘れたのか」


 「むぅ・・・」


 それを言われるとなんもいえないのかまたちょびちょびワイングラスを傾けてるが、まだどこか諦めきれない様子。


 「ところでピュティ《王蟲オーム》てなんだ?岩を食べてるとかなんとか」


 とりあえず話題を変えようと試みる。


 「んとね、《王蟲オーム》については私もよく判らないの、いろんな土地で時たま見かけてそれはこの地にも姿を現す《魔獣ビースト》で、時折群れで岩山を食べている?のを目撃してる人は多いわ」

 「岩ねぇ・・・」


 ピュティはグラスころころ傾いては中のワイン弄んでは語り続ける。

 

 「稀にだけどこの街周辺にきては城壁の岩を食べようとしてることもあるらしいわ、その都度兵士さんたちに追い払われてはどこか行ってしまうの」

 「なるほどね」


 ピュティもよく判ってないらしい、願わくば明日の探索に出会わないことを祈りたいとこだ・・・


 「それよりアキラ、もっと精霊の話し聞かせて」

 「うん、あぁ・・・」


 どうやら俺はもうすこしこのお姫様に創作話しを作って聞かせる必要があるらしい・・・。




 ---

 



 ザブンッ



 「ふぅ・・・」

 

 

 あのあと晩餐会はお開きになり、ピュティは俺の創った精霊与太話を聞いては嬉しそうに部屋に戻り、その一連の話し書き残すらしい。

 俺はと言うと、極上料理で満腹で満たされさらにちょっとした温泉のような大浴室を借り、体を洗いながらこの上ない開放感を満喫してた。


 『マスターはなかなかの主人公適正がありますね、初日で姫を救い連れ帰り、領主の晩餐会に誘われ、いまはこうして風呂です、あっぱれです』

 「それ誉めてるのか?」

 

 コクンっ


 「しかし、接待とはいえ極上の食事にこの湯船は贅沢すぎる、今日は疲れも今後の不安も吹き飛びそうだ~」


 ザブンッ


 『地下では、マリアの用意した生活空間より満足ですか?計算上は地上よりも幸福指数が高い様設定されてるはずでしたが?』

 「たしかに地下の食物3Dレプリケーターで生成されたブロック状のハンバーグだったりステーキは味覚情報と言う点ではおいしかったが、でも何か生きてく上でなにかが足りないな、説明が難しいが人間味てやつかな」

 『正確には彼らは人間ではないですが、なるほど人間味・・・なかなか難しい課題ですね、今度戻ることがあればこの情報をマリアに提案してみます』

 「まぁ、個人の感想はそれぞれだからあんま気にするな・・・ところで森の様子はどうだ?」

 

 先ほどから森の様子をアリスが衛星で観察している、まぁいま直ぐになにかあるてわけではないだろう・・・。

 

 『特になにか目新しいことはありませんねん、件の《王蟲オーム》といわれるユニットは見かけません』


 ちなみ《王蟲オーム》の件アリスにも調べさせてみたが《中央ブレイン》が応答しない以上なんにも判らんとのことだ、なにはともあれ明日あの一体を調べれば何かわかるはずだ、願わくば端末があることを祈る・・・。




 ガッキーン



 

 「アキラ様・・・」

 「え?」


 アリスとうだうだと体を洗ったり頭を洗ったりしながらお喋りをして、さぁこれから湯船に入ろうかと思った矢先に誰かが入って来た、そしてその声の主に聞き覚えがあった。



 レズリーだ。


 

 「えっ?!ど、どしたんですか?!レズリーさん?!」

 「どうかなさいました?私はただ、アキラ様お背中流しに参りにきたのですが』」


 俺が狼狽するのにはわけがあった、大浴室に入って来たレズリーは一糸纏わぬ姿で入って来た、上も下も一切隠さずに。

 その豊満な乳に艶かしい肢体に俺は目を奪われた、ピュティと違って布面積が多く、長スカートを履いてたかわ判らなかったがかなりのグラマー体型で、俺の様な女を知らない童貞には刺激が強すぎる・・・。

 そんな童貞を殺すことに特化してる様な体をしてるレズリーがいきなり同じ浴室に入って来たのだ、狼狽しないはずがない。


 「せ、背中流しですと?!」

 「はい」

 『マスター、これはスケベイベントですよ、CGイベ回収乙です』

 

 と隣で水面に向かって波紋一つも出せない足で水面を遊ぶ素振りをしながら俺を煽ってきた。

 背中流してあれだよな、流すだけでだよな・・・落ち着け、クールになれ、こんな狼狽してう兄の姿もマイは見たくないはず・・・。

 

 「アキラ様?どうなさいますか?」


 ・・・いやこの先めったにないイベントだ、恥を忍んで一回ぐらい試してもいいのでは?

 俺の中で理性の天使と情動の悪魔が鍔迫り合いをしいた、その戦いの勝者は・・・。








 悪魔WIN。








 そうだ、俺は今日一日は客なわけだし、仮にも倒れてたお姫様を連れ帰ったんだ、客観的にもこれぐらいのサービスは受けても問題ない。

 それにレズリーは何処も隠そうともしないつまり見られても大丈夫、ただ背中を流しに来ただけだ、誘ってるわけではない。

 だから俺も堂々としてればいい、背中を流すだけだから。

 俺は心の中で同じことを何度も反唱し、なんとか平常心を保ってた。


 「あ、あぁ判った・・・流してくれ」

 「はい、では背中流させて頂きます」


 そう言ってレズリーは俺の後ろにきて、スポンジで俺の背中を擦り始めた。

 俺はレズリの指が背中に触れるたび、変な声が出そうなのを必死耐えてた。

 全裸のグラマーお姉さんが風呂で俺の背中を流すこの非現実感、何とかレズリーの方見ないようにと耐えてたが、正面に備え付けられた鏡からチラチラと俺の肩越しにレズリの肢体に垂れ下がってる2つの水蜜桃が俺の背中を擦る動作に呼応するようにぷるぷると揺れてる。

 見るな意識するなと脳が命令しても、俺の視線はすっかり『それ』にクギ付けだった・・・。


挿絵(By みてみん)


 覚えとけアリス・・・これが逆らえない悲しい男のさがてやつだ・・・。


 『マスターの《魔竜ドラグーン》ユニットを起動を感知』


 俺のとある一点を見てアリスは報告してくる。

 アリス、そゆう下ネタは言っちゃ駄目だ・・・やめないさい・・・。


 暫く黙ってレズリーの奉仕を受けてたが、その事件イベントは起きた。


 「ではアキラ様、流しますね」 

 「・・・あぁ」


 おれは上ずった変な返事をし流すことを了承した。

 レズリーは桶で湯船の水を掬い流そうとするが。


 「ひゃんっ!」

 「?!」


 体勢を崩し倒れそうになったレズリーを俺は反射的に振り向いて支えようとしたが、レズリーの勢いに巻き込まれて俺も体勢を崩れてしまった。





 ドサっ。




  

 「・・・」

 「・・・」


 俺を下敷きにレズリーは重なる様に全体重を俺に預けてた、そのレズリーの大きな胸が俺の心臓の音を感じれるほどのを間近に押し付けていた。


 「・・・ッ」


 客室で無表情だったレズリーが初めて俺に見せた真っ赤な顔、エルフの特徴的な長い耳までもが真っ赤だった、そして俺と目が合う。

 

 『・・・ほう、記録しときましょう』


 そんな事件イベントをアリスは隣でハンディーカメラ片手に録画してた、おいやめろ、撮るな!


 「あ、あの・・・アキラ様・・・も、申し訳ございません、す、直ぐに退きます!」

 「あ、あぁ大丈夫だ、それよりレズリーは大丈夫か?」

 

 すぐ退こうとしたレズリーは、押し付けてるたわわスライムを俺の胸板から引き剥がそう立ち上がろうと試みたが、そこでレズリは再度足また滑らせそのたわわスライムは万有引力の法則と滑らせた運動加速により、俺の目の前まで迫った。


 


 ズリュ~~~~~

  



 「ッ!?」

 「ひゃっ、す、すいません!あ、てアキラ様鼻血がっ!」

 


 その圧巻な情景を目に焼き付けた俺は、声にならない声を漏し、気づけば俺は興奮のあまり血管が破裂したのか鼻から血が出ていた。

 必死で赤面しながら謝っり慌てるレズリー、だが俺の崩壊しそうな理性を保つためその言葉は俺の頭に入らなかった・・・。


 『裸を見て鼻血は、流石さすがに童貞力強すぎますよマスター』


 隣で一部始終を見てたアリスはそう俺をさらに煽る。

 言いたい放題いいやがってまったく・・・。

 ・・・

 ・・

 ・





 ---




 -夜-



 羽毛のような布団に包まれてまどろむようにぐっすり寝てた。

 地下施設の合成ナイロン繊維と違ってふかふかでとってもリラックスして寝ることができた。

 

 「スゥ・・・」





 カンーカンカンー ッ




 「スゥ・・・」




 カンーカンカンー ッカンカン



 「んぐっ?!」

 その瞬間体の血液が瞬間的に逆流するような感覚を起し、まどろむ俺の意識を無理やり現実に引きずり戻した。

 

 「ッがはっ!はっはっ!」


 アリスを体に入れる注射の時と同じ感覚の不快感で目を覚ます。

 なんだ?何が・・・だがその答えはすぐに理解してた。


 「アリス!おまえか、なんのつもりだ!」


 流石に熟睡中の人間を無理やり起したら、どんな聖人君子も不機嫌にはなる、まさにいまの俺だ。


 『はい、マスターの体内ナノマシンを操作しました』

 「なんだよ急に、こんな夜中に起して」

 『いえ、緊急案件なので、マスターを強制的に叩き起こしました』

 「え?」



 カンーカンカンー ッカンカン



 さっきから屋敷の窓の外から、こんな夜中に街の中央部分から五月蝿いぐらいカンカンと音が鳴らされてる。

 何があったんだ?おもむろに窓の外を覗くと何人もの兵士たちが順番に住民の家を訪ねたは何かを指示してる。

 そして一人の兵士がこっちの屋敷まで走ってきた、何事かと屋敷から外に出たであろうレズリーが走ってきた街の兵士の対応をしていた。

 兵士は直ぐに次の家に向かって走ってた、レズリーすぐに慌しく屋敷内へと戻っていく。

 その一連の対応を俺は窓からもはっきりと見えた、その直後・・・


 「えっ・・・」


 ―カンーカンカンー

 ―ジュドォオオオオオーンッ!

 

 南壁の向こうから真夜中ではありえないほどの眩しい赤白い光が発露し、遅れて警鐘をかき消すほどの爆音がすこし離れたこの屋敷まで響いた。


 「な、なにが・・・」

 『マスター、だから緊急案件です、これを見てください』


 アリスは衛星から映像写真を表示した。


 『こちらが15分20秒前の写真です』

 「なんだこれは・・・」


 表示された写真は恐らくこの街の南側の写真だ、その写真では壁の向こう側で異質な物がいくつも存在してる。

 夜中のせいか写真の精度は高くないが、それらは・・・この世界に似つかわしくない存在。

 異質なまでの真っ白い箱型の『移動立方体(キューブ』がいくつも表示され、ゆっくりと壁へ向かってるのが判る。


 ドンドンッ!ドンドンッ!


 「アキラ様、夜分遅く申し訳ないのです、今すぐ起きてください」

 「あぁ、レズリーか、起きてる」 


 その写真を確認した俺の意識を引き戻したのはレズリーが部屋乱暴なノックだった。

 俺がすぐに返事すると、レズリーはメイド服の上にいくつもの鎧プレートを纏い片手には大きな大剣を携え、すぐにドアを開き入って来た。


 「アキラ様!《王蟲オーム》の群れがいま街の南側まで来てます!いま兵士が交戦して食い止めてますので、街の北側に早くお逃げくださいっ!」

 「ちょっとまって・・・あの移動立方体キューブが《王蟲オーム》だと?」


 そしてレズリーはさらに続いた・・・


 「あのっそれで!姫様、ピュティ様何処にいるか存じ上げませんか?屋敷のどこ探しても居ないんです!」

 「は?!」

 『マスター、これっ』


 アリスは即座の俺の視界で数分前にピュティーと思わしき白いローブを着、長い杖を持った少女が屋敷から飛び出して南の壁に向かって走ってたいく姿が衛星写真を表示した。

 あのバカっピュティ!何をしてるんだ!



 カンーカンカンーと鳴り止まない警鐘と爆音と閃光の夜が始まった。



 ---



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