ぷろろーぐ
2015年11月4時51分4秒
日本、いや世界中に危険が迫ってた。
まことに悲しいことではあるが今この世界では軽いものから重いものまでの犯罪があとを耐えない。
その影響からか人間が死後に訪れると言われてる死後役所では地獄行きの人間がかなり多くなっている。
その結果まあ何が言いたいかというと
「エンマ様ーまた新規の住人から住む土地はないかというお問い合わせですがー」
「エンマ様ー血の池三丁目の住人から池の鉄分集がひどくなっているとのお問い合わせがー」
「エンマ様ー!」
「…ああああああ!もううっさいなぁ!」
このように超忙しいです、人気のある定食屋のランチタイム並みに忙しいらしいです。毎日が
「住人増えすぎよ!なによこれ、バーゲンセール?毎日がバーゲンセールなの!?」
「エンマ様ばーげんせーるってなんすか」
「知らないわよ!この前住人、元人間が言ってたのを真似しただけよ!」
「そんなことよりエンマ様、はやくご指示を…」
「…もういや」
「え?」
「もういやって言ったのよ!やってられますか!こんなこと!大体急に増えすぎなのよ、まったく役所は仕事しているの?天国にもちゃんと住人送っているんでしょうね?」
「いえ、最近増えたのは10人ほどらしいですよ」
「…はい?」
「いやぁ、なんというかとりあえず地獄送っとけ♡みたいになっているみたいですよ、現状」
「…やってられるか」
「エンマ様?」
「やってられないわよ!もう私決めた、そうだもうめんどくさいから人間界つぶそう」
「なにいってんすか」
「つーぶーすーの!役所には事後報告でいいでしょ、めんどいし」
「えー…」
「今すぐってわけにはいかないけど世界ひとつつぶすだけの力がたまったら速攻つぶしに行くからね」
「…わかりましたー」
これが現在地獄役所で記録されている会話の一部である。
つまりどういうことかというと、かなりのネタバレになるのだが、というか答えそのものに近いのだが。
エンマの野望は失敗に終わり、役所に報告されるというのがこの話の落ちなのだ。
では僕はなにを語るというのか、そんな落ちを最初に言ってしまっては何も面白くないと思うだろう。
安心してもらいたい、これから僕が語り始めるのはエンマの野望がどうなってしまったのかというものではなく。
どうやって阻止したか、という話なのだから。
さて、それでははじめるとしましょうかね。
猫かぶりでうるさくてやかましくてさわがしい。けど超かわいい
世界を救った天使の話を。