第3話
しばらくして
「椿さん、起きてください」
「ん?...えっ!?」
誰かに呼ばれ目を開けると、そこには月の様に輝く綺麗な金髪に蒼い瞳の美しい顔がすぐそばにあり、頭の後ろには暖かく柔らかい感触が......
そんな状況に驚いていると
「椿さん?起きてますか?」
「えっ!あ、はい、起きてます。えっふと、何でまたここに呼ばれたんですか?女神様?それに、この状況は?どう考えても膝枕ですよね?」
「ちょっと伝言があったので意識だけこちらに呼ばせてもらいました。それに1度、男性に膝枕をしてみたかったので。あと、私のことはルナでいいですよ」
「わかりました。それで、伝言って何ですか?」
「夜が明けたら、1度森に行って下さい。詳しくはそこで説明があると思います」
「森って転移した森のことですか?」
「はい。そろそろ時間の様ですね。また時間がある時にゆっくりとお話でもしましょう」
と言うとだんだんと辺りが薄れていき再び眠りに着いた。
朝になり、起きてみると元の部屋に戻ってきていた。
「森に行けばいいんだよな。剣を買って丁度いい依頼があったらそれでも受けて行くか」
コートを着てから、下に降りミリィに挨拶をして朝食を取る。
朝食は、パンとスープだけだったけど、かなり旨かったので満足だ。
朝食を食べ終わるとミリィに武器屋の場所を教えてもらった。
店に着き中に入る。
「すいませーん、誰か居ませんかー」
「おーう、ちょっと待っててくれー」
と声がして、奥からガタイの良いおっさんが出てきた。
「おう、見ねぇ面だな。何の用だい兄ちゃん?」
「装備を揃えたいんですけど、予算は金1枚位でお願いします」
「武器は何使うんだ?」
「剣ですね。出来れば刀の方が良いですけど、ありますか?あと、格闘術も使います」
「刀か、確か倉庫の奥にあったような気がするな…防具は、どうする?」
「頑丈で動き易い物が良いですね」
「わかった。少し待っててくれ」
そう言って奥の部屋に戻って行った。
しばらくして、両手に色々抱えて戻ってきた。
・革の鎧 銅 45枚
・アイアンタートルの鎧 銀 22枚
・ワイバーンの籠手 銀 37枚
・革のブーツ 銅 38枚
・ショートソード 銅 53枚
・虎徹 金 2枚
「こんなところだな。刀は予算より高いがどうする?」
虎徹ってあの長曽祢虎徹か!?金2枚は少し高いが武器だけなら防具は無くても避ければ良いしね
「刀と籠手をください」
財布から、金貨と銀貨を出して渡す。
「まいど、何かあったらまたこい兄ちゃん」
店を出た後、ギルドに行き、依頼の貼り出されたボードを見る。
「丁度いいのは、ボア討伐と薬草採取位かな」
その2つを手に取り受付に持っていく。受付に居たのは昨日の猫耳の子だった。
「この2つの依頼を受けたいんですけど」
「あ、昨日の、わかりました。依頼の期限は3日となっているので、3日以内に終わらせて下さい。あと、ゴブリンの数が増えてきているので気を付けて下さい」
「わかりました。気を付けます」
ギルドを出て森に向かう。途中、門の所で昨日の兵士に出会った。
「お、昨日の、もう街を出るのか?」
「いえ、冒険者になったので依頼で森に」
「そうか、気を付けて行けよ」
「はい、行ってきます
門を出てしばらくして森に着いた。
「森に着いたけど、一体何があるんだ?」
すると少し奥に行った所で一瞬何が光った。
「もしかして、あそこか?」
急いでその場所に行くとそこには、真っ白で綺麗な髪をした獣人の女の子が立っていた。