第1話
体を包んでいた光が消えると、そこは森の中だった。
「ここが、異世界なのか?...何か、地球の森とあんまり変わらないな。まあ、まだ森の中だしな。そういや、神様が荷物をアイテムボックスに入れておいたって言ってたな。けど、荷物なんかあったっけ?確認したいけどやり方が......ステータスみたいにすればいいのかな?[アイテムボックス]」
そうすると、頭の中に入っている物の一覧が表れた。
・シャンプー
・コンディショナー
・ボディーソープ
・洗顔クリーム
・歯ブラシ
・歯磨き粉
・洗濯用粉洗剤
・箱ティッシュ×5
・煙草×10
・ライター
・インスタントコーヒー
・お茶
・スマホ
・財布
「荷物って、あの時買って帰ってたやつか。全部あるるみたいだし。スマホってこっちの世界で使えるのか?取り敢えず財布あるし財布の中身も確認するか」
財布を選択すると、出てきたのは金や銅の入った布袋だった。
「ん?奥に手紙がある」
手紙を読んで見ると
~お主の財布は、そちらの世界の財布と替えておいた。勿論中身もじゃ、ちなみに金貨は儂からの餞別じゃよ。by 神様~
と書かれていた。
なるほど、そう言うことか。いくらあるのか数えるか。
財布の中には、銅貨 53枚と金貨 5枚が入っていた。
「ということは、前の財布には5800円位あったから銅貨 1枚=100円といった所かな?」
ひとまず、金の心配は無くなったな。
そうなったら、町か村に行ってこの世界について調べるとするかな。
よし、ならそろそろ移動するか。天運もあるし適当に歩いても見つけれるだろ。多分...
そんなことを考えながらしばらく歩いていると何がぶつかり合っている音が聞こえてきた。
「何だ?ちょっと行ってみるか」
音がする方に近づくとそこには、1台の馬車を取り囲んでいる15匹の小さな緑色の鬼とその鬼から馬車を守るように戦っている男達がいた。
「くそっ!、何でこんなにゴブリンどもがいるんだよ!」
「最近、よく現れるって聞いてたけどこんなにいるなんてね」
「あんまり、喋って無いで手を動かしたらどうだ。さっさと片付けねーと馬車がやられるぞ!」
「言われなくてもわかってるよ!くそっ!」
「何か襲われてるっぽいな。あのおっさんゴブリンって言ってたな、ならあの緑の奴がゴブリンかな?」
神眼を使って男達とゴブリン?を見てみる
ゴブリン Lv6
HP 20/25
MP 0
STR 15
VIT 8
AGI 5
INT 8
DEX 12
スキル
・剣術 Lv1
特殊スキル
・精力 Lv4
バルト 27歳 男 Lv16
種族 人間
職業 冒険者(戦士)ランク D
HP 72(20)
MP 32
STR 62(20)
VIT 60(20)
AGI 42(20)
INT 30
DEX 44
LUK 27
スキル
・斧術 Lv3
・肉体強化 Lv2
ロメオ 26歳 男 Lv16
種族 人間
職業 冒険者(剣士)ランク D
HP 48
MP 32
STR 48
VIT 49
AGI 53
INT 42
DEX 50
LUK 32
スキル
・剣術 Lv3
・体術 Lv2
ディアス 24歳 男 Lv15
種族 人間
職業 冒険者(戦士)ランク D
HP 45
MP 27
STR 36
VIT 39
AGI 40
INT 35
DEX 46
LUK 26
スキル
・槍術 Lv3
・棒術 Lv2
弱っ!!
まあ、ゴブリンが弱いのはいいとして、それにしても、あのおっさん達3人ともレベルの割には、ステータス低過ぎないか?ほとんど、2桁ってLv1の俺でも3桁あるのに。
まあ、ゴブリン程度にやられないとは思うけど、一応助けるか。色々聞けそうだし。
「よし、なら行きますか!」
そう言って、着ていたコートをアイテムボックスにしまうと、重心を前に落としつつ足に力を入れ、瞬間的に近づく。いわゆる縮地法を使い茂みから飛び出し一気に、ゴブリン達に詰め寄る。
まず、近くにいた1匹の首をへし折り、頭を掴んで思いっきり投げつける。ぶつかったゴブリンも首が折れて死んだ。
ゴブリン達は、突然の出来事に驚き少しの間、動きが止まった。
そして、ゴブリン達にとってその一瞬が命取りになった。
椿は、ゴブリンの落とした剣を拾い上げるとその剣で、2匹の首を切り飛ばし、持っている剣とさっき落とした剣の1つを投げつけ2匹のゴブリンを狩り、さらに余った1本で2匹、3匹、4匹と次々にゴブリン達の命を狩り取っていった。