表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

プロローグ1

初投稿です。

よろしくお願いします。

人気の無い周りを田んぼや畑に囲まれた小さな道端に1人の少年が倒れていた。


「あれ、俺、何でこんな所に倒れてんだ。」


少年は、少し前のことを思い出していた。



~数分前~



「これで必要なものは、大体揃ったな。」


大きな買い物袋を持ち店から出てきた神城 椿は、スマホのメモを見ながら呟いた。

スマホをコートのポケットにしまいこむとさっき買ったばかりの煙草に火を着けて家に向かって歩きだした。

しばらくして、自宅近くの小さな田舎道の真ん中に椿がよく世話をしている真っ白な綺麗な毛並みの1匹の知り合い()を見つけた。


「おい、そんな所で何してんだ (しろ)?」


煙草の火を消しながら数少ない知り合いに声をかけると白は、振り返り嬉しそうに尻尾を振りながら走ってきた。



椿は、幼い頃に両親を事故で無くし、田舎の祖父の家で育てられることになった。

祖父は、武術の達人で何でも若い頃に、世界中を旅して回って様々な分野の武術を身につけたのだとか。

そして、70を越えても尚、衰えることの無い肉体と闘志を合わせ持ち、毎日身体を鍛えているそんな祖父との2人暮らしともなれば当然、椿も祖父に付き合わされることになる。

毎日の過酷な修行によって中学の頃には、余裕で野生の熊を倒せるほどの実力を身につけていた。

そのせいで、親しい友人があまり居らず知り合いのほとんどが、近くに住んでいる犬や猫といった動物といった残念な状況になってしまったのだ。



今さらだけど、俺、まともな知り合いあんま居なくね。


など1人で考えていると虚しくなってきたので、気持ちを切り替え、走ってきた白の頭を撫でながら


「一緒に帰るか?」


と訪ねていると一台のトラックが猛スピードで2人|(1人と1匹)に向かって突っ込んできた。


ヤバい。


そう思った椿は、咄嗟に白を抱き上げると近くのやわらかそうな畑の中に投げ入れ、自分も飛び込もうと足に力を入れた。

しかし、それと同時に強い衝撃と ゴチャ と鈍い音がして、椿の体はそのまま道端に投げ飛ばされたのだった。



そうだ、トラックに引かれそうになって白を・・・白は、無事なのか?


白を投げ入れた畑を見ようと体を動かそうとするが、体が力が入らない。


「このまま......死ぬのかな......俺? 親父達も......こんな感じだったの......かな?」


そんなことを考えていると、だんだんと体から何かが、スーッと抜け出ていく感覚がした。


「白.......良かった…...無事......だったん......だな」


そう、呟きながら椿は、意識を失った。


薄れていく意識の中、最後に見たのは、泣きそうな顔で駆け寄ってくる知り合いの姿だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ