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誰が好きなんだろう?
校門の前。
キレイな女の子が誰かを待っている。
よくみると、クラスのアイドル、河原美由だ。
「おはよう!祐司くん」
美由が満面の笑みで、僕に挨拶した。
「一緒に教室にいこう!」
放課後。
美由とデート。
楽しい時間。
そして抱擁、キス。
デートから帰ってきて考えた。
これは一体、何なのだろう?
彩乃、美由、…そして、僕が美由を拒絶したら、多分、次が待っている。
一体、何が起こっているんだろう?
夕暮れ時、公園。彩乃がケータイで僕を呼び出したのだ。
「ありがとう、来てくれて…」
二人で並んで街をぶらつく。
「美由と楽しかった?」
「ああ」
「そう…」
別に嫉妬しているわけでもなさそうな彩乃。
「安心したわ。明日からも、美由と仲良くやってね!」
「いや!」
時間が止まった。
「えっ?」
「僕は、彩乃のことが好きだ!」
彩乃は、ニッコリ笑うでもなく、苦悩の表情を浮かべた。