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考えなおすと
なんか、いい加減、くたびれてきたな…。
僕は、彩乃のことが、面倒になってきていた。
「おはよう!」
朝、明るい顔で、彩乃があいさつしてきた。
「おはよう」
放課後。
彩乃が、明らかに無理しているのがわかるくらい、明るくふるまう。
それから数時間…。
急に、彩乃が疲れた表情で言った。
「もう、私のこと、嫌いなんでしょ?」
「そんなことないけど…」
「いいのよ、もう…。さよなら」
彩乃が、振り向かずもせずに、帰っていった。
「ついに嫌われちゃったか…」
僕も反対側に歩きはじめた。
深夜、ベッドの中で。
僕は起きたまま、天井を眺めていた。
あんなに彩乃のこと、憧れてたのに、なんでこんなことになっちゃったんだろう?
僕は、自分が失ったものを考えていた。
でも、…彼女は、自然に僕のことを好きになったわけじゃないんだ。
これでよかったのかもしれない…。
気がつくと朝になっていた。